イライラしてる人との接し方としては、自分がイライラに巻き込まれすぎないように、少し心理的に距離をとるほうが良いかもしれません。ただ、怒りは感情の蓋で、その裏側に別の感情が隠れていて、その部分が助けを求めているという構造になっていることもあります。そこに手を差し伸べるという意識を持つと、イライラを抱えた相手とより楽にコミュニケーションができるようになります。
【目次】
・感情の共感:イライラしてる人と一緒にいると自分もイライラしやすくなる
・相手との距離感
・怒りの下に隠れている感情
・イライラしてる人とのコミュニケーション
・最後に
以下に動画もアップしております。文字を読むよりも動画で、という方はこちらをどうぞ。
感情の共感:イライラしてる人と一緒にいると自分もイライラしやすくなる
旦那さんや恋人など身近な人がイライラしてると、こちらもイライラをもらいやすいです。身近な人にはどうしても甘えが出やすいので、イライラしてる人もそのイライラをぶつけてきやすい、というのがありますし、感情は共感するので、あえて相手がそういうことをやろうとしなくても、こちらが相手のイライラに反応してしまう、ということがあります。
また、身近な人というのは、どういう風に接すれば相手が嫌がるかも熟知していることがあるので、なんというか、こっちをイライラさせるのが上手い、という側面もあったりもします。心の中に、ここを押されると腹が立つ、というスイッチのようなものがあるとして、それを、あえて押したくなる心理のようなものが相手に目覚めた場合は、ちょっと厄介です。やる気スイッチならぬ、イライラスイッチ。さわるな危険。それをあえて押されてしまう、そんな感じのこともあるかもしれません。
相手との距離感
イライラしてる人との接し方としては、自分がそのイライラに巻き込まれすぎないように、少し心理的に距離をとる、というのが有効だったりします。これは、向こうから距離をとってくる場合もあります。イライラしてる人も自分のことを少しほっといてもらいたい、という気持ちを持つことがありますし、そういうときに、ちょっとお互いに距離をとってクールダウンする、というのも有効です。
イライラしてる人の方から距離を取ろうとしてくる、というより、積極的にイライラをぶつけてくる、というケースもあります。自分自身の行動だったり、普段やっていることが原因で相手がイライラしている場合なんかは、むしろそうなりますが、この場合、イライラしてる人からの指摘に耳を傾けつつ、余計な言動はスルーする、というのがお勧めです。
当たり前ですが、相手からの指摘には耳を傾けないといけないです。100%言いなりになる必要はないのですが、自分が変えたほうがいい部分や、成長が求められている部分がある場合は、イライラしているのに対処する、というより、その本質的なことに目を向けることが求められてきます。ただ、イライラしてる人からの指摘の場合、そこに余計な言葉が盛られていることがあり、むしろそっちの方に気がとられてしまうことがあるので、本質的な部分に耳を傾けるためにも、この余計な言葉に関してはできるだけスルーした方が良いです。
スルーするために大切なポイントは以下の3つです。
・思いやりにかける言葉は、深く受け止めず、真に受けないようにする
・嫌なことを言う人にはなるべく逆らわないようにしながら、適当に聞き流すようにする
・どうしても気になる言葉については、一歩引いて言われたことを客観視して、参考になりそうなことにのみ耳を傾ける
以下の記事の最初の方にスルーのやり方について書いていますので、参考にしてもらえればと思います。
怒りの下に隠れている感情
ここで忘れてはいけないのは、イライラしてる人がこちらに怒りをぶつけてくる場合、基本的に相手は自分に助けを求めてきている、という部分です。
助けてって言えない代わりに、こちらに対して批判的になったり、八つ当たりをしてきたり、いじわるなことを言ったりしてしまっているとしたら、そこにはイライラしてる人の未熟さだったり、弱さのようなものがあります。
イライラしてる人というのは、強そうな感じだったり、怖そうな感じに見えたりするかもしれませんが、基本的にイライラしてる人というのは、助けてもらいたい人です。本当は助けてもらいたいんだけれども、自分の弱い部分をさらしてしまうと、そこを利用されたり攻撃されるような気がしてしまい、それがあまりにも怖いから、自分は正しいって防御を張って周囲を攻撃している、というのがイライラしてる人です。
イライラしてる人の心理を少し掘り下げると、怒りが感情の蓋となっていて、その怒りの下に別の感情が隠れている、という感じになっています。怒りの下に隠れている感情には、イライラしてる人自身もあまり自覚していないことがありますが、例えば、わかってもらえていない、とか、大切にされていない、とか、罪悪感を感じている、なんていうケースもあります。他にも様々なものがありますが、基本的には心の中に抱えている痛みのような部分です。その痛みの部分を扱うのが怖いほどに、痛みは心の中で封印されがちになり、隠されている感情にイライラしてる人自身も無自覚になっていきますが、その代わりに、自分は正しい、自分には問題がない、周りが悪い、といったその感情を隠す思考が強くなります。痛みの感情に蓋をして隠す代わりに、怒りを表に出して周囲の人にぶつけるような感じになっているのが、イライラしてる人、の心の中で起きていることです。
イライラしてる人とのコミュニケーション
旦那さんや恋人がイライラしているとして、その人と接するときに、実は、この人は私に助けをもとめているんだろうなあ、という部分を見て、そこに手を差し伸べる、という意識があると、表面的なイライラではなく、相手の弱さや未熟さを見て接することができるので、相手と一緒に同レベルでイライラするのではなく、より成熟した一面で相手と接することができるようになります。
イライラしてる人の心の中にある怒りが大きくて、心理的に距離をとるだの、余計な一言はスルーするだの言ってられないときは、相手の中にある助けてっていうメッセージをいかに汲み取るか、というのが大切になってきます。ただ、ここであえてちょっと楽しくない話をすると、イライラしてる人の助けを求めている部分を見て、自分はどうしたいと思うのか、ということはとても重要かもしれません。弱さや未熟さを抱えている相手。助けてあげたいでしょうか?
助けたいか助けたくないかでいくと、助けられるのなら助けたい、という答えになるかもしれませんが、助けを必要としているのにもかかわらず、こちらに防衛的な態度をとっていて、ときに攻撃をしかけてくる、というイライラしてる人のそれなりにめんどくさい部分に付き合う感じになりますので、わりとエネルギーが求められますが、それでもやりたいですか?、というのが問われてきます。
ここに踏み込むときには、表面的なイライラが気になったり、こちらの弱点をつつかれたりしても、その揺さぶりにはひっかからないで、あくまでイライラしてる人の助けを求めているシグナルに集中して、コミュニケーションをリードしていく、という感じになります。ご想像の通りわりと大変な感じですが、ここを乗り越えて相手と深く繋がることができると、相手との間により強い信頼関係が築けることになります。イライラをぶつけてこられたとき、というのは、ある意味では絆を深めるチャンス、と言えるかもしれません。
最後に
イライラしてる人と接するときに自分が感じるネガティブな感情は、自分の内面の弱さだったり、未成熟な部分が要因になっていることがほとんどです。ときに、勘弁してもらいたい、と思うこともあるかもしれませんが、そこには自分にとっても課題といえる部分が眠っていることがあります。
イライラしてる人と接するときというのは、ある意味では、こちらの成熟さを試されているとき、といえるかもしれませんね。
イライラしている人と接する時に、自分もイライラしてしまう、ということがあるかもしれません。その時に感じた怒りを一時的にしのぐのであれば、6つ数えて怒りが少し静まるまで待つ、というやり方や、どのくらい自分が怒りを感じているのかを客観視する、なんていうやり方はあるかもしれません。ただ、怒りは感情の蓋であり、その怒りの下に隠れている感情に対してのケアを行う、というところまで取り組むのであれば、一時しのぎというより、少し腰を落ち着けて、怒りを感じた時の自分の内面の動きをじっくりと見つめることが求められてきます。
以下に書いた記事は、その辺りを深掘りして書いた内容になります。怒りの下にある感情としてどんなものがあるか、という話と、その感情をどうケアしていくのか、というあたりを書いています。ここで自分自身のイライラの対処法がわかると、イライラしている人に対してどう接してあげるのがいいのか、といったあたりの心理も、感覚的につかみやすくなると思います。