嫌いな人の対処の仕方

投稿日:2016年11月1日      更新日:

嫌いという感情は、自分の心の中に嫌いスイッチのようなものがあって、誰かの言動によってその嫌いスイッチが押されたときに、その人のことを嫌いになる、といった感じになっています。

 

ある意味では、自分が嫌いな人は、嫌いスイッチを押す要因を持っている、と言えるかもしれません。それが多くの人が共感しそうなスイッチだった場合は、自分が嫌いな人は、他の人も嫌いかもしれません。そういった、多くの人にとっての嫌いスイッチを押すタイプとして、私がよく聞くのは以下のような感じです。

 

・キレやすい。攻撃的。
・プライドが高い。人を見下す。
・自己中心的。
・否定的、批判的な発言ばかり言う。
・マイナス思考。
・だらしない。不潔。
・空気が読めない。
・自慢話が多い。

この記事を読みに来た人で、嫌いな人、というときに心に浮かんだ人は、上に書いた内容に当てはまる部分は少なからずあったりするかもしれません。ただ、その人の全てが嫌いというのとは少し違って、好きな部分もあるんだけれども、こういう部分が嫌!、というの形もあると思っています。

 

例えば、彼氏とか彼女とか旦那様とか奥さんとか、基本的には好きなんだけれども、こういう部分を感じると、その瞬間相手のことが嫌いになる、という感じのケースもあるんじゃないかと思っています。よく聞くのはこんな感じです。

 

・思いやりがない。
・一言多い。
・嘘をつかれる。
・依存・束縛・嫉妬がある。
・浮気性。ほかの異性と仲良くする。
・一緒にいて退屈。
・積極的じゃない。こちらに興味がない。

 

嫌いになったとき、もうイヤ!、で済めばいいですが、その人にまつわることで対処しなければならないことがある場合は、ちょっと大人の対応が求められることもあるのではないかと思っています。

 

今回はそんな風に、人のことを嫌いに感じた時にどうしたらいいか、といったことを、全く異なる2つのアプローチに分けてまとめました。

──────────────────

 

①嫌いな人のことをどう扱ったらいいか

嫌いな人がいるために感じるストレスを減らすためには、その人との関わり方を工夫することでストレスを軽減するか、自分の心の中にある嫌いと感じてしまう部分の方をなんとかするか、どちらかの対処になります。両方するというのももちろんありですが、まずは、前者の関わり方を工夫する、ということに注目していきます。

 

心理的に距離をとることができるとストレスを減らすことができます。そのためにとれる手段は以下の通りです。

・なるべく関わらない
・割り切る
・言葉にする
・味方を作る

 

・関わりを減らす

その人との関わりを減らすためには、一人でいるよりも誰かと一緒にいるようにした方が、余計な干渉を防げます。

立場上、その人と関わらなければならないときも、密接にかかわるよりも、必要最低限のことにとどめて、距離をあけて関わるようにすること。関わりが減ることで、心理的に距離をとることができます。嫌いな人と仲良くしようとするよりも、適切な距離感の中で上手くやっていこう、という意識の方が良いです。

自分を犠牲的に扱う癖のある人は、嫌いな人が寄ってきやすいような振る舞いをしてしまうことがあります。例えば、常に一人で行動するとか、嫌いな人が近くにいるとミスが多くなるとか、嫌いな人がいる環境を回避する行動をとらない、などなど、、、、心理的に距離をとるためには、その犠牲を手放して、まずはなるべく関わりを減らせるように行動した方が良いです。

 

・割り切る

関わりを減らしても、嫌いな人からはどうしても不快な情報が入ってきます。そういうときに、、、
「あの人はああいう人だから。」
「ああ、また言ってるな。」
「ああ、またやってるやってる。」
といった感じで、何かあってもそこにとらわれず、心の中でまともにとりあわないことです。別物として割り切ってスルーするようにすることで、心理的に距離をとることができます。

例えばその人が口うるさい上司で、高圧的にガミガミ言ってくるようであれば、その人の言っていることをそのまま聞くのではなく、頭の中で愛嬌のあるアニメのキャラクターの声に変換して聞いてみる、というのもありです。例をあげるとこんな感じです。

 

上司(変換前)「同じことを何度言わせるつもりだ!」
↓↓↓
〇ッキー〇ウス(変換後)「同じことを何度もいわせないでよ!」

 

上司(変換前)「全然できていないじゃないか!」
↓↓↓
アン〇〇マン(変換後)「あれれ~。全然できてないよ~。」

 

内心ぷっとなってしまうくらいに(顔に出てしまうとまずいですが)、心を軽くすることができると、その軽くできた度合いだけ、嫌いと感じている部分から心理的に距離を置くことができます。

ここでやってはいけないのは、その人が何かしてきたことで、「私がダメなんだ」と自分を責めるようなことをすることです。

自分自身を見つめるならば、自分を責めるのではなく、別の方法からのアプローチが良いです。別の方法からのアプローチについては、次のポイントの「その人を嫌っている自分自身に目を向けてみる」で扱います。

・言葉に出す

嫌な出来事はため込まないで、人に話したり、日記に書いたりして言葉にして外に出すこと。心の中にため込んでいる状態だと、実際には嫌いな人と一緒の時間を共有していなくても、頭の中でその嫌だった時の情景や感覚を引きずりやすくなります。

心理的に距離をとるために重要なのは、この頭の中にはびこっている嫌な感覚を手放す、という部分です。言葉には力があり、出来事を言葉で表現することで頭の中でリフレインされていた嫌な感覚を、別の形に整理することができるようになります。

 

・味方を作る

嫌いな人との関わりの中であった嫌なことに関して共感してくれる味方を作ること。これは、人に話すというところからもつながってくる部分です。嫌いな人との関わりで疲弊しがちな心も、味方がいるのといないのとで、感じ方が大きく変わるのは想像できると思います。

共感してもらっているという感覚が自分の心を強くしてくれます。味方が実際に話を聞く以外になにかしてくれるわけではなかったとしても、嫌いな人に対して、より強い心をもった状態で接することができるようになります。

嫌いな人がいる環境の中にそういった味方がいると、上記にあげた「関わらない」「割り切る」といったこともやりやすくなります。

4つの手段を書きましたが、こういったことで心理的に距離をとることができるようになると、嫌いな人に対して心の余裕が生まれてきます。余裕が生まれると、その人のことをより客観的に見れるようになってきます。

その場合にお勧めなのが、ダメな部分だけではなく、その人の良い部分も見る、ということです。人を嫌うということは、あまり気持ちの良いことではないですが、もし、その人の良い部分もあわせて見れるようになると、より、その人と接するときのストレスを軽減することができるようになります。

②その人を嫌っている自分自身に目を向けてみる

これは、ちょっと自分を見つめるための時間が必要になってくるアクションになります。自分を見つめることに力を割いていくので、①に書いた現実の問題に対処する、というのとは全く取り組み方が異なります。

 

やり方としては、自分の中にある嫌いスイッチの分析していきます。その人のどんな部分が嫌いでしょうか?その人に問題がある部分はひとまず置いといて、自己分析して嫌いだと感じているその理由を探ってみてください。

 

たとえば、嫌いな人をAさん、として、Aさんはとても怒りっぽい人で、あなたはその怒りっぽいところが嫌い、だったとします。

 

Aさんの問題がある部分に目を向けてしまうと、Aさんが怒りっぽいのが悪い、とか、あれは何とかしないとAさんも不幸になる、とか考えてしまうかもしれません。なんであんなにAさんは怒りっぽいのだろうか、とAさんの分析を始めてしまうかもしれません。いくらAさんを分析しても、自分自身を分析していくことをしないと、自分を見つめる、ということにはつながりにくいです。Aさんの分析は、Aさんのことを考えて腹が立つだけで終わるので、あんまりお勧めはしないです。

 

おすすめなのは、Aさんの怒りっぽいところを見るのではなく、なぜ、自分が怒りっぽい人を嫌いなのか、というところを掘り下げる、ということです。

 

怒りっぽい人を好きな人なんていないじゃないか!何を言っているんだ!と思われるでしょうか?
まあ、、、、それはそうかもしれません。

 

ただここで大切なのは、怒りっぽい人に対して嫌悪感を抱くのは人それぞれレベルが異なる、という部分です。今、あなたにとって、怒りっぽい人に対する嫌悪感が非常に大きくて、現実にそこと直面して困っている、という部分に注目していきます。

これは何も例に挙げたAさんの怒りっぽい部分に限らないです。

別の例ですが、今付き合っている彼がいるとして、その彼の中にある人を見下す部分が嫌い、だとします。その場合は、なぜ、人を見下す、という要素をあなたが嫌っているのか、というところを分析していきます。

 

これもまた、人を見下す人間を好きな人なんていないだろう!と言いたくなるかもしれません。
重ね重ねすいません、、、、それもそうかもしれません。

 

ただここで大切なのは、その嫌悪感のレベルは人によって異なる、という部分です。他の人がどうあれ、今、あなたはその嫌悪感が強くて困っている、という部分に注目していきます。

 

嫌いになるな、と言っているわけではないです。嫌いであることが間違っている、と言っているわけでもないです。あなたにとって、嫌いだと感じるのは、あなたの心の中にあるどんな部分がルーツになっているか、に興味を持ってほしいと私は思っています。

 

自分自身が強い抵抗感を感じる要素に関しては、そこに自分自身の心の傷が隠れていることがあります。例えば、人を見下すということに関連したことで、何か痛みが心の中にある場合、その痛みを再体験することに対して防衛反応が生まれることがあります。そうすると、人を見下すという部分を持っている人に対して、強い嫌悪感を持ちやすくなります。

興味を持ってほしいのは、嫌いな人がいかにダメか、ということではなく、自分の心の痛みがどこにあるのかという部分と、その痛みの取り扱い方です。そこに痛みがあるということに気付くということ。自分の心を知ることは、心の中を整理して適切な力を心から引き出すためにとても役立ちます。ある意味では、嫌いな人は、自分自身の課題を見せてくれる鏡のようなものと言えるかもしれません。

 

ここに書いた記事の中に、心の傷、というタイトルのものがあります。自分の心の中にある傷に関して、どうやってケアしていくのか、ということを書いています。全てのケースがそうだと断言する訳ではないのですが、心の中にある傷の部分は、僕たちが幼いころに体験したことがきっかけになっていることが多く、自分の心の奥深くに眠っているその部分も、幼いころの自分を大人の自分がケアする、ということができたとき、その痛みのある部分に癒しをもたらしていくことが可能です。 

 

嫌いスイッチをじっくり分析することができたときに、もし、それが幼いころの自分が体験したこととつながりがあるようなら、ぜひ取り組んでもらえればと思います。

──────────────────

 

嫌いな人との接し方と、自分自身の内面をケアするという方法、2つの異なるアプローチを書いてみました。どちらかというと、嫌いな人への接し方は現実の中で使えるもので即効性があり、内面をケアするという方は即効性はないかもしれませんが、長期的に見ると自分の成長につながるといえるものかもしれません。ただ、内面を見つめる方は、自分の心の深い部分を扱うことになるので、一人でやるのが難しいこともあります。そんな場合は、カウンセリングを使ってもらうのも一つの手です。

 

身近な人の嫌いな部分に関しては、どうしても相手をコントロールして良くない部分を修正したくなるものかもしれません。ただ、相手を変えることは難しいものです。コミュニケーションを重ねて、信頼を積み重ねていき、相手を変えるのではなく、自分の方がより良く変化して、その成長の流れに相手を巻き込んでいく、という形ではないと、相手から抵抗や反発が返ってくるだけになりやすいです。周囲の人の中に嫌いな部分を見たときは、相手のダメなところが正されていくことが重要なのではなく、自分がその部分に対してどう対処するのか、ということが重要です。

 

嫌いな人との関わりが出てきたときに、ここに書いたことを少しでも生かしていただけるなら、幸いです。

 

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