なんだか嫌な気分にさせられるような、めんどくさい気分にさせられるような嫌なことを言う人は身近におられるでしょうか?
相性がよくなかったり、相手に問題があったり、はたまた、自分に問題があったり、どうしてそういうことになるのかは状況によって様々かもしれません。SNSに嫌な書き込みをされてネガティブな気分になってしまったので、こんな相手のコメントは可能な限りスルーしたい、と思うパターンもあるかもしれません。
よくあるのは、ネガティブで嫌なことを言われたとき、言われた自分にも悪いところがあるんじゃないかな、と考えこんでしまう、というパターンです。嫌なことを言われるということは、自分にも原因がある、という考え方はもちろんあると思いますし、その内容に耳を傾けたほうが良いこともあると思います。
ただ、良くあるパターンは、嫌なことを言う人に自分がターゲットにされてしまっただけ、というものです。その場合、単なる八つ当たりだったり、言いやすい相手に言いやすいタイミングで、相手を思いやることもなく言いたいことを言ってるだけだったりします。ある意味では嫌なことを言う相手の方にも問題があるのに、言われたことを深掘りすることに自分の時間や精神的なエネルギーを大量に使うのは、もったいない、という考え方もあると思います。
相手が言ってきたネガティブで嫌な言葉をスルーできるのならスルーしたいのに、どうしても気になってしまって、スルーしたいけれどもできない、という感じであれば、自分のスルースキルを磨きたい、と思うこともあるかもしれませんね。
スルースキルで大切なのは以下の3点です。
・嫌なことを言う人の思いやりにかける言葉は、深く受け止めず、真に受けないようにする
・嫌なことを言う人にはなるべく逆らわないようにしながら、適当に聞き流すようにする
・どうしても気になる言葉については、一歩引いて言われたことを客観視して、参考になりそうなことにのみ耳を傾ける
嫌なことを言われるのが辛いというより、相手がいつもネガティブな発言をしていてそれに付き合わされるので、相手をするのがめんどくさい、という感じのパターンもあるかと思います。その場合はスルースキルというより、ネガティブな人との距離感であったり、その人と接しているときに自分が感じる感情面にフォーカスを当てた方がいいかもしれません。その場合はこちら「ネガティブな人の相手をするのがめんどくさいときの対処法」の方がお役に立てるのではないかと思います。(タップしていただくと、関連するところまでスクロールします。)
嫌なことを言う人の思いやりにかける言葉は、深く受け止めず、真に受けないようにする
どんな理由があってそんなことを言ったのか、その意図を考えれば考えるほど、相手の言葉の持つネガティブな響きに引き込まれやすくなります。スルーするために大切なのは、その言葉を深く受け止めず、真に受けないということ。
言われた側は深く考え込んでしまうものかもしれませんが、言った側はたいていは深く考えずに発言しています。言われた側は内容を心に刻み込んで忘れないものですが、言った側は何を言ったか覚えていないなんてことは、ざらにあります。わりときつい言葉を口にしたのに、それを周囲から指摘されると
「そんなこと言ったかな・・・」
「それはこういうつもり・・・」
のように、印象が全然変わるようなことを言ったりしますし、わりと本気で本人もそんな風に思っていることがあります。相手のそんな程度の言葉の真意や心理を深掘りして考えないこと。
嫌なことを言う人の方にも問題があるのなら、深く考えるだけ損、です。
自己肯定感が低いと、自分のことを肯定してくれる人よりも、ちょっと嫌なことを言う人のほうが信じられる気がしてしまうこともあるかもしれません。そういった人に自分から寄っていってしまいがちな方もおられるかもしれません。もしそういった傾向があるような気がするのなら、もしかしたらそれは、自分から災いのようなものを引き寄せてしまっているのかもしれません。スルーするために大切なのは、嫌なことを言う人の言葉を重要視しないこと。
嫌なことを言う人がなんで自分にそんな言葉を言ってきたのか、ということがどうしても気になるのなら、これはあくまで心理学的な視点の一つですが、投影の法則、というのを当てはめてみてもいいかもしれません。人が他人をみる時、自分の一部を相手に投影します。嫌なことを言ってきたと言うことは、もしかしたら、自分のダメな部分や否定的に思っているような部分をあなたに投影して、そんな態度をとったのかもしれません。あなたが何か問題のあることをしたとかいう訳でもなく、あなたに何か悪いことをしたという訳でもなく、ただ、あなたの何かの要素に反応して、自分のダメな部分を投影してしまったのだとしたら、自分のその部分を嫌っているのと同じように、あなたに対しても、攻撃的なことを言っちゃったのかもしれません。
人があなたに何を投影するのか、というのは完全にはコントロールできないです(できるだけ良い印象を持ってもらう努力は人それぞれですが)。あなた自身も、相手のことをよく知らないままに「この人はこういう人なんじゃないかな」と何かを投影してしまうことはあると思いますし、苦手だったり、嫌いだと感じる人もいらっしゃるかもしれません。スルーするためには、嫌なことを言う人が自分に何を投影しているのか、自分のことをなんだと思っているのかを、あえて重要視しないこと。なんでそんな風に自分のことをぞんざいに扱うのだろうかと考えたところで、直接的な原因に思い当たるところがないのなら、実際のところその理由は相手の人としての小ささだったり、ただの勘違いや思い込みによるものだったりします。何を投影するのかは人それぞれであり、あなたがその相手を丁寧にする必要もないものです。
嫌なことを言う人にはなるべく逆らわないようにしながら、適当に聞き流すようにする
嫌なことを言われた時に、こちら側としてはどう反応するのがいいか、というと、だいたい嫌なことを言う人というのは、こちらの意見を求めているわけでもなければ、真剣な議論をしたいわけでもないので、こちらから否定的なことや反発するようなことを言うと、余計に嫌なことをかぶせてくる態度をとってくる可能性が高いです。
スルーすることが目的であれば、嫌なことを言う人をあまり刺激しないこと。何か嫌なことを言ってきたときには、逆らわないようにしながら、表面上は相手の言っていることに話を合わせつつ、話題をそれ以上に掘り下げることなく、自然にその話を終わらせること。別の話題に切り替えたり、あるいは、話が終わったのならその場を去る、というのも一つの手です。
自己犠牲が強くて、嫌なことを言う人にもついつい丁寧に頑張って対応してしまうタイプの人の場合、頑張りすぎて精神的に疲れ切ってしまうこともあるかもしれません。精神的な負担を軽減するためにも、丁寧な対応に意識を向けるよりも、厄介な相手をそっとスルーすることで自分の心のダメージをなるべく減らしてあげるということに、意識を向けてみてください。
嫌味っぽいことを自分に聞こえるように他の人に対して言う、みたいないやらしいパターンもありますが、そんな風に自分に対して言っているのかなんだかよくわかんないような感じなら、聞こえなかったことにするのも一つの手です。
大切なのは過剰に反応しないこと。これは一つの例ですが、嫌なことを言う人に悪意がある場合は、こちらに反応させること自体が相手の目的だったりしますので、嫌なことを言う人のそんな密かな企みを成功させないためにも、スルーすること。もし、こちらの反応を楽しみたい相手なのであれば、あえて反応しないことで、相手のその意欲を削ることができます。
どうしても気になる言葉については、一歩引いて言われたことを客観視して、参考になりそうなことにのみ耳を傾ける
嫌なことを言われたけれども、自分にも問題があって直した方がいい部分を指摘された、という感じの場合は、スルーしにくいかもしれません。その場合、嫌なことを言う人があなたに伝えてきたそのままの表現方法だと、ネガティブな要素があったり、嫌味な言い回しだったり、脅しのような怖れを増長するだけのものが入っていたりして、余計なものが言葉にのっかっている状態なのだと思います。
本来の意味合いや価値がわかりにくいような、ある意味では残念な言葉、になっていますので、その言葉の中で取り入れた方が良さそうな部分だけを、自分なりにわかりやすくて価値のある言葉に翻訳してあげてから、自分の内側に取り込んでください。それ以外の余計なものは取り込む必要のないものです。相手から言われたことで取り入れる必要のないものは、価値が低いものとして重要度を下げる、ということを意識してみてください。
取り入れるところを取り入れたら、次はノイズの処理です。余計な部分に対して、心の中で嫌なことを言う人に言い返してみてください。といっても真剣に言い返すような感じではないです。その状況の中で、ちょっとでも笑えるような要素を見つけて、心の中でぷっと笑ってしまえるようなぐらいの感じでも良いのですが、心の中で嫌なことを言う人にツッコミを入れて、イメージの中で面白おかしくしてみてください。笑いは心の負担を軽くします。
笑いというより、あ、本当にこれ、相手もダメだな、と冷静に思えるようなものが見つかるなら、そこに心の中でツッコミを入れるのも良いです。ムキになって言い返すというより、冷静に相手に指摘できる感じも、自分の心の負担を軽くできます。慣れてきたら、相手からまさに何か言われた直後に、心の中で言い返せるようになったら、より心の負担を軽くできます。
ちなみに、ここでやりたいことはノイズの除去ですので、心の中で言い返すでもなく、取り入れるところを取り入れたら、あとはどうでもいいか、と心から思えて何にも気にならなくなるようなら、そのまま言い返さずに、放置、でも良いです。
言われてきついと思える言葉の中でも耳に入れておかなければいけないな、と価値のある言葉として自分が受け入れると決めたもので、自分が苦い想いをすることになるのは、ある意味では、自分の成長には必要なものだと言えるかもしれません。
ただ、ノイズ扱いして良いものを取り入れてしまって、どうでも良いことでストレスを感じることになるのは、ちょっと、あなたの時間と労力がもったいないです。相手から言われたことで取り入れる必要のないものは、価値が低いものとして重要度を下げ、ノイズは心の中に入ってこないように取り除いてあげるということを意識してみてください。
スルーしてもまだモヤモヤが残っているときの対処法:手放しのエクササイズ
ネガティブで嫌なことを言う人の言葉を一旦はスルーしたものの、心にモヤモヤした感覚が残る場合は、以下のエクササイズを試してみてください。座った状態でやるのがオススメです。
1. 右手を自分の胸に当ててください。
2. 言われたことで自分が感じているモヤモヤした嫌な気分が、胸の中から右手に移動していくイメージを持ってください。
3. 右手を胸から話して、握りしめてください。そのモヤモヤした嫌なエネルギーが右手に集まっていくイメージを持ってください。
4. 「私はこの感覚を手放します。」と宣言してください。
5. 腕を天井に向かって振り上げて、右手に握ったエネルギーを天井に放り投げて、エネルギーが天に飛んでいくのをイメージしてください。
1〜5までやるのにそんなに時間はかからないと思います。少し胸が軽くなる感覚がするなら素晴らしいです。何度か繰り返してみてください。
人の心には浄化作用のようなものが備わっていて、それが発揮されることで、心は平常な状態に戻っていきます。例えば、時間が経つにつれて、嫌な記憶が整理されていくことがあったり、モヤモヤしたことがあっても、寝たらちょっとましになる、ということがあったり、そう言った心の浄化機能を促進させるのが、このエクササイズでやりたいことです。天に投げる、というのは、その心の浄化作用に自分のそのモヤモヤ感は任せてしまう、ということです。何度も心の中で嫌なことを思い返す、ということを繰り返していると苦しみは継続しがちですが、そんなものは天にお任せてしてしまって、自分の中から一旦手放すような感覚をこのエクササイズで体験できれば、その分だけ、楽さを受け取ることができます。
嫌なことを言う人との関わりが多い場合、習慣的にそういう嫌なエネルギーが入ってくるような状態かもしれませんので、運動をする、何か無心になれるような好きなことをするなどなど、よくないエネルギーを外に出せるような習慣を身につけるのも一つの手です。自分自身がスッキリするような習慣を取り入れることで、ネガティブな感情に対する耐性をあげることができます。
ネガティブな人の相手をするのがめんどくさいときの対処法
相手がいつもネガティブな発言をしていてそれに付き合わされるので、相手をするのがめんどくさい、という感じのパターンもあるかと思います。その場合は、どうしてめんどくさいと感じているのか、ということと、自分はどうしたいのか、ということが鍵になってきます。
ネガティブな人の話を聞いている時に、例えば、アドバイスをしたくなったり、相手がもっとポジティブになれるように話をしたくなったりするかもしれません。この場合、こちらが言ったことを参考に相手が成長できるのなら良いのですが、ありがちなのは、こちらが何を言っても相手が変わることがなく、ずっとネガティブなままでいる、というパターンです。そうすると、がっかりしてしまったり、もう何も言ってもダメなら話を聞きたくない、という気持ちになる、ということがあります。
あるいは、ネガティブな話ばかりを聞いているうちに、そのネガティブさに引きずられて、自分もネガティブな気持ちになってくる、という感じになることもあります。親身になって話を聞いていたり、あるいは、わりと心理的に近い距離感での付き合いだと、相手が感じている感情をもらいやすくなりますので、ネガティブな影響を受けてしまう、といった感じです。
どちらの場合も、ネガティブな人の精神的な依存の部分をこちらが引き受けている、という感じになっています。相手が年上だったり、立場として相手のほうが上だったりするケースもありますが、相手が感じているネガティブな感情の面倒を、私がみさせられている、という構造は変わらないと思いますし、それがだんだん重荷に感じられてくると「めんどくさい」と思うということは、あるかと思います。
対処法としてあるのは、コントロールを手放す、ということと、適切な距離感を保つ、ということです。相手を変えたいというコントロールの気持ちがあると、相手が思い通りに動いてくれないときにストレスになります。もし、自分の中に相手をコントロールしたいという気持ちがあるなら、それを手放すこと。それが善意の部分から来ていたものだとしても、コントロールがあると、それでストレスを感じるのは自分自身です。何かアドバイスをするのだとしても、そのアドバイス通りにするかどうかは相手に委ねる、というある意味では一歩引いたような部分を心の中に持っておくこと。何が何でも絶対こうする方がいい、といった相手を変えたいと言う強い気持ちは自分の心の内側に執着を生み出し、その執着が絶対ダメという訳ではないのですが、それはストレスになることがあります。
適切な距離感を保つ、というのはネガティブな人の精神的な依存が少し辛くなってきているのなら、心理的な距離感を少しあけることで、その負担を軽減する、ということです。話す頻度や会う頻度を減らしたり、話している時間を短くしたり、話している関係性の中でその人の問題にどのくらい踏み込んで話を聞くか、ということや、どこまで相手の話に付き合うか、といった部分で、少し距離を置いてみる、といった感じです。あまりに距離をおきすぎると人間関係がなくなってしまいますが、今、ネガティブな人との関わりが重たくなってきているように感じられるのなら、それは心から発信されているサインのようなもので、ちょっと今の心理的な距離が適切ではないかもしれない、ということを示しているのかもしれません。そのネガティブな人との適切な距離感を探ってみてください。どちらかが犠牲をしないと成り立たないような関係性ではなく、どちらにとっても負担にならないような距離感を目指す、というのが良いかもしれません。今、相手のことがめんどくさいと感じているのなら、それはあなたにとっては少なくとも、近すぎる距離感、なのかもしれません。
一番大切なのは、あなたがどうしたいのか、という部分です。どうしてもそのネガティブな人の成長のサポートがしたい、という強い気持ちがあるのなら、そのままでも良いですし、ちょっと重たいかもしれないけれども、今の距離感に付き合ってあげたいと思うのならば、そのままでも良いです。あるいは、ちょっとしんどくなってきたので、コントロールや近すぎる距離感も手放して、ちょっとストレスを減らしたい、と思えるのなら、それも良いと思います。自分がどうしたいのか。それを軸にして、その人との付き合い方を工夫していくこと。
心理学的には、ネガティブな人と接しているときに感じる自分の感情にネガティブなものがあるのなら、それは相手のせい、というより、自分の心の中にもそのネガティブな部分があって、それを相手に投影する、という感じになっています。人間誰しも完璧なものではなく、何かしら弱さや痛みを抱えていたりするものですが、その部分を相手に投影するということが起こったときに、その人が自分に見せてくているのはどういう部分なんだろう、というのを見ていくこともできます。距離感を取ると言うよりも、その投影の部分を見ていくことで自分自身が成長していく、というアプローチもあるかもしれませんが、ただ、これはもしかしたら難易度がわりと高め、かもしれません。
最後に
ネガティブで嫌なことを言う人がいるときの対処法について掘り下げて書きました。心理学的な観点として投影の話も書きましたが、もう一つ心理学的にありがちな話としては、自分の心の中にあるものに誘発されて、嫌なことを言う人をおびき寄せてしまう、というものがあります。
以下の記事の中に詳しく書いているのですが、心の中にある罪悪感が、周囲からの攻撃を呼び寄せるというものです。職場が変わったり、住むところを変えて人間関係が変わったりしても、なぜか別の人から似たようなことをされてしまう、という経験のある方は読んでみてもらえれば、と思います。