人を試すようなことをしてしまう

投稿日:2021年6月28日      更新日:

人を試すようなことをしてしまう

パートナーや友達など好きな人を試すようなことをしたことはあるでしょうか?
不安を感じることから人の気持ちを確認したくなったり、あるいは、好奇心みたいなもので「こういうとき、この人はどうするのだろう?」といったテストしたくなる、というものもあるかもしれませんが、あなたの場合、どうでしょうか?

自分に自信がなくて不安を感じたり、本当は嫌われているじゃないだろうかと思えてきたときに、不安感から人を試すようなことをしてしまうというのは、あんまり良くないんだろうなあと思いながらも、ついついやってしまうという方もおられるかもしれません。

人の試すときのやり方にも色々とあると思います。わざとわがままを言う、とか、反発するようなことをいう、とか、あえて困らせるようなことをして反応を見る、というパターンもあれば、ネガティブな感情をストレートにぶつけて、相手が自分のもとから去らないかどうか確認するという、ある意味では捨て身でぶつかっていくようなパターンもあるかもしれません。

彼の気持ちがわからなくなったときに、別れ話を切り出して彼を試す、というパターンもあるかもしれません。この場合によくあるのは、彼の気持ちを試すために別れを切り出しても、気持ちが冷め始めている彼がその話をストレートに受け止めて、別れに同意するだけ、というもの。その後であわてて別れを否定しても、試されたんだなということが彼に知られるだけで何もいいことがないという結末になることが多いかもしれません。

自分に自信がなくて、疑いや不安感を心の中に抱えている時ほど、人を試すようなことをしたい気持ちが出てきやすいかもしれません。例えば、自分と一緒にいるのが本当は嫌なんじゃないのかな、とか、本当は迷惑なんじゃないかな、といった疑いが出てきて、人を信じることが難しくなっているような時です。自分に自信がないほど、そういった気持ちは感じやすくなるものかもしれません。そういったときのことを、人の心理も含めて、今回は掘り下げて書いていこうと思います。

 

人を試すようなことをしたくなる心理

人を試すようなことをしたくなる心理

心の中では、相手に嫌われるのが怖いあまりに、自分からあえて嫌われるようなことをして、相手が自分から離れていくように、「人の気持ち」を自分の手でコントロールしたい心理が働くことがあります。それでも、心の中では相手が自分のもとから離れることがない、という結果を期待したくなるかもしれません。人を試すようなことをやめられないとしたら、
「人を試す→人から距離を置かれるようになる→それを見て自分が嫌になる→また人を試す」
という無限ループにはまって、いつかそのうち、自分の周りから誰もいなくなってしまうんじゃないか、という怖れを抱くこともあるかもしれません。

自分に好意的に接してくる人がいるとき、嬉しいけど本当は嫌われているんじゃないかと不安になるような心理が生まれて、あえて嫌われるような行動をして見捨てられないか試した結果、相手との間に距離が生まれて、やっぱり思った通り嫌われたと、人から嫌われることで納得して安心する、といったパターンもあるかもしれません。ただ、この場合、相手がどうというよりも、ある意味では自分からそんな状態を作り出してしまっている、と言えるかもしれません。

人を試すようなことをしてしまうとき、というのは、そんな心理の罠にはまっているような状態なのかもしれません。その根っこにあるのは、自信のなさや、自己愛の欠如なのだとしたら、そこから抜け出していくためにどうしたらいいのかというと、まずは、人を試すようなことをしたくなるときに「自分が感じている感情」に注目してみてください。

 

人を試すときに自分が感じている感情

人を試すときに自分が感じている感情

パートナーや好きな人を試すようなことをしたくなった時、自分の心の中ではどんな感情を感じていたでしょうか?
自信のなさや不安感など、どんな感情を感じていたのかに注目してみてください。

自分の感情を相手のせいにすると、あなたは相手に精神的に依存することになります。あなたがネガティブな感情を感じないようにするためには、その状態をキープするためのルールのようなものを相手が守る必要が出てきたり、自分の不機嫌さを相手にケアさせる場面も出てくるかもしれません。あなたが望むような発言や行動がなかった時、あなたは相手のことを否定したくなります。
「なんでXXXしてくれないの?」
「なんでXXXしたの?」
こういった不満を抱えやすくなり、あなたが望まない行為をさせないように相手をコントロールしたくなります。精神的な依存が強い度合いだけ、あなたの中にある不安感と疑いは強まりやすくなります。ここで相手のせいにするのは後回しにして、自分の感情に注目してみてください。自分が感じる感情は、本当はどうするのがよいのか、ということを知るためのヒントをくれます。

「なんで私のことをわかってくれないんだろう?」
と相手を責めている自分に気づいたら、
「誰かのことをわかってあげてないのが、私、なんだとしたら、私は誰のことを理解してないんだろう?」
と自分に問いかけてみてください。そうすると、何か気づけることはあるでしょうか?

「なんであんな無神経なことができるんだろう?」
と相手を責めている自分に気づいたら、
「私にも無神経なところがあるとしたら、どんなところだろう?」
と自分に問いかけてみてください。そうすると、何か気づけることはあるでしょうか?

何もなければ何もないで良いですが、もし、何かしら気づけたことがあるのなら、そこに目を向けてみてください。もしくは、これは自分のことを責めなくてもいいじゃないかな、と思える部分があったのなら、今あなたが責めていた誰かに対して責めていた気持ちを、一旦、わきにおいてみてください。

自分自身が完璧ではいられないように、相手にも完璧ではない部分があります。弱い部分があり、癖のある部分があり、ときに悪意のあるような部分もあったり、意地悪な部分もあったりするかもしれません。人としてダメで直した方が良さそうな部分もあるかもしれません。弱い部分を守るために、あなたに対して防衛的な態度を取ってくることもあるかもしれません。そこを責めるのは後回しにして、ただ、ありのままを理解しようとしてみてください。相手のことをわざわざテストしようとせずに、今見えている相手のありのままの姿を理解しようとしてみてください。

相手を通して、自分自身のことが見えてくることもあります。
「私も、こういうの苦手なんだ。」
「私も、こういうのよくわかってないんだ。」
「相手にそんなつもりがなくても、私はこんな風に過剰に反応しちゃうんだ。」
もし、自分自身について気づけることがあったのなら、それを否定するのではなく、ある意味ではこれも自分の性質の一つなんだと、あるがままの自分がどういったものかを理解しようとしてみてください。

人間関係における信頼は、自分が相手に対して抱く依存的な気持ちの延長線上にあるものではなく、理解や受容の延長線上にあるものです。あなたにも弱いところがあると思います。相手にも弱いところがあります。弱いところをつつきすぎると関係にひびが入りますし、合わないところやダメなところに注目すると、息が詰まってしまいそうになることもあります。お互いに完璧ではないもの同士、繋がれるところで繋がっていくこと。理解できるところを増やし、認め合えるところを増やしていくこと。人を試すようなことをしたくなるとき、あなたと相手の間に溝のようなものが生まれて始めているのかもしれませんが、コミュニケーションを重ねていくことで、そこに橋をかけてあげることができます。

 

コミュニケーションを重ねて橋をかける

コミュニケーションを重ねて橋をかける

ネガティブな感情を感じる時に、人を試すようなことをしたくなるかもしれませんが、ここで大切なのは、辛い時ほど相手を見る、ということ。見るといっても、相手のダメな部分を見て心の中で責める、ということではなく、相手がどんな感情を感じているのかを想像して、心を理解しようとする、といった感じです。

不安感から人を試すようなことをしたくなるとき、自分の弱い部分を守ることに目が行くと、相手が見えなくなり、歩み寄ろうという気持ちにはなるのが難しくなるかもしれません。ただ、もし自分が感じている感情を相手も同じように感じているのだとしたら、何か気づけることはあるでしょうか?

心理学を語らせてもらえるのであれば、感情というのは共鳴するもの。相手が感じている感情を自分も感じていたり、自分が感じている感情を相手も感じていたりします。例えば、あなたが自分自身のことでいっぱいいっぱいのとき、相手も同じように自分のことでいっぱいいっぱいで余裕がなかったりするかもしれません。例えば、あなたが罪悪感を感じている時、相手も罪悪感を感じているかもしれません。

そんなとき人を試すような言葉をかけられたら、相手はどんなことを感じると思えるでしょうか?
もしかしたら、自分が感じている感情は一旦脇に置いて、あなたの不安感を打ち消すような気遣いのある言葉をかけよう、と思ってくれるかもしれません。それは、自分の感じる感情を見るのではなく、相手の感情を見てコミュニケーションをリードする、という感じの行為かもしれませんが、それは相手にやってもらおうとすることというより、もしかしたら、あなたが求められていること、かもしれません。

人を試すようなことをしたくなるときというのは、あなたと相手との間が、とげとげしくなり始めているのかもしれません。相手があなたにとってどうでもよい人であれば、ちょっと距離をとるだけで良いかもしれませんが、もし、あなたにとって大切だったり、仲良くしていきたい人なのであれば、距離をとるというよりも、そこに橋をかけてあげることが大切かもしれません。そのためにあなたにできることがあるとしたら、何ができると思えるでしょうか?

 

自分の弱い部分を見ると苦しくなるだけの時も、相手を理解することに注力したり、手を差し伸べたり、援助する、といったことに意識を集中した方が、実は気持ちが楽になります。これは実際にやってみるとわかるのですが、自己防衛を手放して、相手のために何ができるのだろう、という意識で相手と接することに100%集中できると、自分の立ち位置が被害者の立場から援助者の立場にスライドするので、その瞬間に感じる精神的なストレスはすごく軽くなります。

相手が防衛的になっている場合はあなたのダメなところが突つかれることもあると思いますが、そこはネガティブに受けとめるよりも、ふーん、こう言ったら、こう返してくるのねー、くらいのお気楽さもあった方が良いです。そのお気楽さがなくて、自分と相手を責めながらどんどん深刻になって行くと、コミュニケーションが苦行になります。自分の弱いところや相手のダメなところばかりを見て思考停止するのではなく、相手をよく見て、相手との関係性をより良くするために自分にできることを考えてみること。

相手に変えてもらいたいところや伝えたいことがある場合には、人を試すようなことや、責めるような言葉をいうよりも、自分が感じた感情を素直に口にすること。自分のハートの弱いところをさらす方が話が伝わりやすいです。ただ、あなたの話を聞いた上で相手がどうするのかは、相手次第。相手から援助の手を差し伸べてくれることもあれば、もしかしたら、相手の心の中にも痛みがあって、それをあなたに伝えてこともあるかもしれません。こっちにも余裕がないとか、限界なんだといった弱音のようなことを言われることもあるかもしれません。この時も大切なのは、相手を見る、ということ。あなたが相手に理解を送ろうとした度合いだけ、相手にとってそのコミュニケーションは安全なものになっていきます。

 

相手との絆を深めていく

ふと、今カチリと相手とつながったな、と感じれる瞬間が訪れることがあります。わかってもらえたな、と思えた時や、今同じこと考えてたな、と思えた時や、何かに共感できた時や、同じものに価値を感じていたりする時、カチリと相手と心がつながったと思えるときがくることがあります。ただそれは、人を試しているときにはなかなか得られないものです。

コミュニケーションでつながれた度合いだけ、居心地の良さや親密感を感じることができます。それを通して、相手との絆を深めていくこと。そこで相手からあなたの価値を見てもらえたり、あなたのことを大切にしてもらえるようなことがあったのなら、愛されている感覚を受け取ろうとすること。

人を試すようなことをしてしまうとき、自信のなさから疑いや不安感が出てくる、というのがきっかけとしてあるのであれば、ここで大切なのは、自分が自分自身のことを肯定するということや、自己愛を育てる、という部分です。相手と一緒にいるときの居心地の良さや親密感を感じることを通して、愛されている感覚を意識的に受け取ろうとしてみてください。

 

最後に

人を試すようなことをしてしまう:最後に

人の気持ちを試すようなことをしてしまうときのことについて、人の心理も含めて、私なりに掘り下げて書いてみました。自信がないとき、パートナーや友達など好きな人を試すようなことをして、自分を守ろうとするやり方を手放すこと。その代わりに、コミュニケーションを重ねて絆を深めていき、その関係性から愛されている感覚を受け取っていくことで自己愛を育てていくこと。愛されている感覚を受け取っていくほどに、人を試さなくてもよくなっていく、というのが私のおすすめです。

小さな楽園を作る、という記事がこのブログの中にあります。自分の周りにいる人たちとの間に作った、ありのままの自分でいられる居心地のよい自分にとっての居場所といえるようなものを、小さな楽園と表現しているのですが、コミュニケーションを重ねて絆を深めていく、というときのシンプルなやり方の一つとして、この小さな楽園を作っていく、というのが良いのではないかな、と思っています。こちらの記事の中では、それはどういうもので、どうやって作ったらいいのか、あるいは、気をつけることがあるとしたらどんなことか、というあたりを掘り下げて書いています。


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