人から評価されたくない

投稿日:2021年7月6日      更新日:

人から評価されたくない、という感覚はありますでしょうか?
悪い評価だったら耳を塞ぎたくなるけど、良い評価ならどんとこい、などど思う(=私)ような人もおられれば、たとえ良い評価であっても、それが自分の中身を理解せずに表面的なことをだけをみてのものであればノーサンキュー、という方がおられたり、そもそも評価されるなんて自分が下みたいで嫌、という方もおられるかもしれません。

人から評価をされる、というのは、それが良い評価であれ、悪い評価であれ、その評価のポイントが自分にとって違和感を感じるものだった場合に、違和感や嫌悪感のような感覚を感じることがあります。

例えば、仕事のできる人が、実は仕事はただ義務感でこなしているだけで、仕事なんて本当はどうでも良い、と思っている場合に、仕事ができる、という部分に対して良い評価をされる(例えば褒められる、とか)といったことがあると、その場では丁寧な受け答えをしていても、内心は「はぁ?仕事がなんだって?ああ、そう、、、。」なんて冷めているかもしれません。

例えば、とても美人の方が、外見の良し悪しの話はもうどうでもいいから、外見ではなく内面を見て欲しい、と思っている時に、外見を褒めて近づいてくる男性がいたら、外見の価値を見られていることは本当にどうでもよくて、「ああ、またこの手のタイプが来たな」なんて思うかもしれません。

それとは反対に、自分のことをよく理解してくれていて、自分もまたその人のことを尊敬しているような、そんな絆がある人から、ふとした時に特に褒められるとかでもないのに、信頼されている感じが伝わって来ることがあるとしたら、それだけでとても自分の中にある価値を感じれるものかもしれません。

 

自分が人をどう評価しているかが、その人への態度を決めているとしたら、人が自分をどう評価しているかが、自分が周囲からどう扱われているかを決めると思えるので、人の評価がとても大切、という風に思えるかもしれません。そうすると、人からの評価がとても気になってしまいます。

良い評価を過剰にされて勘違いのようなものをされるのも困るし、悪い評価をされて人からよくない扱いをされるのも困るとしたら、評価をしないで欲しいと思うものかもしれません。人の評価を過剰に気にしすぎると、そこから自分を守るために評価をされることを避けたくなります。評価されることが問題というより、自分がそこを気にしすぎているのが課題なのだとしたら、人からの評価を気にしすぎている部分を少し手放した方が良いかもしれません。

 

ある意味では、人の評価が気になるのは、自分が周囲の人をそれだけ評価しているからかもしれません。例えば私が、周囲の髪の毛が薄い人をみて「おお同志よ!」なんて思うのではなく(そんな風に思っています)、
「あいつは俺より薄いな」とか
「あんな風に薄いところを隠してみっともないなあ。思い切って短くしてしまえばいいのに、そういう態度が情けない。」
なんて上から目線でその人のことを判断するようなことをしていたとしたら、周囲が自分のことをそういう風に扱っていないかがとんでもなく気になると思います。自分が周囲を評価しているように、自分が評価されると思うからです。

「あの人はセンスが悪い」
「あの人は仕事ができない」
なんて評価を周囲にしていると、そういう目で自分が見られる可能性がちらっとでも見えると心が苦しくなりますし、そんなことを匂わせるようなことを言われると、自己防衛に全神経を集中させることになると思います。そうすると周囲の人が口にする何気ない一言に過剰反応をしやすくなったり、人との関わりそのものがめんどくさくなったりするかもしれません。

評価されたくないと思っている時、自分が周りのことをどんな風に評価しているか、チェックして見てください。基本的に心の中で自分がしている思考には、ブーメランのように現実として自分に返ってくる、という性質があります。例えば心の中で誰かをバカにしたら、思いもしない角度から、別の誰かからバカにされたような気になったり、誰かにバカにされるような可能性が気になって、そのことに怖れを強く感じたり、といったことがあったりすることもあります。

相手のことをあんまり知らないのに「この人は絶対×××だ」とレッテルを張っていると、たとえそれが良い評価であったとしても、今度は自分がそういう扱いをされた時に、自分のことをよく知りもしないのにレッテルを貼られているような感覚がして、不快感を感じるかもしれません。

自分がしていることを相手がして来た時に、自分が心の中でやっているようなことを相手がやっていると心の中で投影するので、自分が周囲に送っているエネルギーのようなものは、そのまま自分に返って来ます。そのエネルギーが自分にとって嬉しいものであれば、相手からそれを返されても心地よいのでそれは問題ないはずですが、そうでないなら、何か良からぬものを自分が周囲に対して発信している、ということを示しています。

誰かを心の中で評価したくなる思考と、人からの評価が気になる思考の両方を手放すことができた度合いだけ、評価にまつわることにとらわれて心が疲れてしまうような体験から、自分の意識を解放させてあげることができます。これは、人からどう思われても良いという意識になりましょうということではなく、気になりすぎると自分で感じる部分があるのなら、ちょっとその部分を軽くできるように心の中を調整してみましょう、という感じのものです。

 

手放す時には、代わりのものを受け取る、ということが大切です。例えば、人にレッテルを張って、相手のことを勝手に決めつけて評価してしまっているようなところが自分にあると思える場合、その思考を手放す代わりに、よりベターなことを頭の中で思考するとしたら、どんなものが良いと思えるでしょうか?
自分がしているのと同じように相手に思われても嫌じゃない、というものが良いです。

評価されることに意識を取られてしまっていることを手放す代わりに、それよりも良いことに意識を向けるとしたら、どんなものが良いと思えるでしょうか?
人から評価されることよりも、自分にとってより大切だと思えるものに意識を向けるような感じのものが良いです。

ある思考を手放して、別の思考を選択する、というのは、自分の中の価値観の見直しであったり、ものの見方を変えようとする試みに近い感じになります。この試みは、今自分が人生から受け取っているものに不満を感じている部分をより良いものにしていきたい時に、とても意味のある行為となります。なぜなら、自分自身の内側に存在する思考は、自分自身が体験する人生を形作る重要なパーツの1つだからです。

自分自身が普段思考していることは、自分自身が体験する感情に大きな影響を与え、無意識のうちに周囲の人たちと接する態度にもそれは表現され、自分から発信されるそれが周囲の人たちに伝わることで自分自身を取り巻く環境に影響を与えていき、結果的に自分が周囲から受け取る出来事を変えていきます。

 

人から評価されたくない、と思っていても、人は評価をしたがるものかもしれません。相手のことを決めつけてしまわずに、なるべく深く理解して接する方が良いのかもしれませんが、全ての人に対してそれをするのには限界があるので、どこか十分には理解していない状態で相手と接することに結果的にはなってきます。ただ、よくわからない相手と接する、というのは緊張しますし、怖いものです。

そういった時に、多分この人はこういう人だろう、とファーストインプレッションで予測して、こういうタイプにはこういう接し方で良いかも、と、ある意味では自分勝手な解釈をして接するようにすると、そのよくわからない相手と接する、という時に出てくる緊張感や怖れをある程度緩和することができるので、その方が気分的にちょっと楽だったりします。人のことを安易に決めつけずに、相手によって態度を変えることなく、どんな相手に対しても丁寧に接する方が良いのかもしれませんが、楽ができる方に気持ちが流れるというのはよくあることかもしれません。一度こうだと勝手な解釈をして人にレッテルを貼ると、その印象が変わることはなかなかないのですが、その中で、勝手にしている解釈が思わずぽろっと口から出てしまうと、人を評価するようなことをコメントする、という感じになります。ただ、そういう感じでぽろっと出てしまうコメントは往往にして、評価された人の耳に入った時に心地よいと思える言葉ではないこともあります。

相手の勘違いをといた方が良いと思える状況であれば、相手が自分にどんな勘違いをしているか理解して、コミュニケーションを重ねたり、地道に勘違いを解くために必要な手立てを考えて実行して行くことに注力することが求められてくるでしょうし、勘違いされていることが、自分にとってあんまり支障が出るものでなければ、細かいことは気にしない、という態度が求められてくるものかもしれません。つまらないことに気を回すより、他に自分にとって大切なことがあるかも、と気持ちを切り替えることも時には必要かもしれません。

なめられないようにする、なんていうテクニックを重視する方もおられると思いますが、これは、相手のファーストインプレッションをコントロールするのが目的のようなものです。安易な選択を相手にさせない。私と接するときは、ある程度の緊張感を持ってね、といった態度かもしれません。ネガティブなレッテルを貼られることに対する回避策であったり、丁寧な対応を当然のように相手に求める、といった性質のものかもしれません。他にも色々なテクニックはあるかもしれません。ただ、策を尽くしても、人から評価されないようにする、というのには限界がありますし、基本的に他人はコントロールできないものです。

 

自分が評価される、ということに関して、過剰に反応している部分があるのなら、それは手放した方が自分自身を楽にさせてあげることができます。そのためには、自分が普段思考していることの棚卸しが必要です。その思考を手放す代わりにどんな思考を選択するか、そこには正解があるというより、自分の価値観と付き合わせて選んでいくことが求められてくるものですが、大切なことは自分が考えていることが、結果的に自分が受け取るものにつながっているという部分です。

 

人からどう評価されているかが気になりすぎないように、細かいことはスルーできるようになりたい、という想いを持つ方もおられるかもしれませんが、その場合、スルーするために大切なポイントは以下の3つです。
・思いやりにかける言葉は、深く受け止めず、真に受けないようにする
・嫌なことを言う人にはなるべく逆らわないようにしながら、適当に聞き流すようにする
・どうしても気になる言葉については、一歩引いて言われたことを客観視して、参考になりそうなことにのみ耳を傾ける

具体的なことは以下の記事に書いてあります。特に、ネガティブで嫌なことを言われるとスルーしにくいというときに、役立つことを記事の中では書いていますが、スルースキルを使いたいときの上記の3つに関しては、こちらの記事の最初の方に書いていますので、参考にしてもらえればと思います。


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