両親のことで、どうしても許せない、という部分はあるでしょうか?
私自身の話を少しすると、子ども時代に経験したことで親のことがどうしても許せなくて、ずーっとその情景を思い出しては、怒ってばかりいたことがありました。腹が立ちすぎて、一日中何も手につかないこともあったくらいです。親にされたそのことは当時の私にとって、ピンポイントで私の心の一番痛いところにヒットしていたので、どうしても水に流せなかったのを今でも覚えています。
今現在の私は、心の中で許しを選択したので、当時のことを思い出しても何とも思わなくなりました。親も人間。欠点、弱点、至らないところ、あるのが普通、なんて思っています。ただ、それによって子供時代に自分が大きなダメージを受けてしまうと、そのときのことが、どうしても許せなくなってくることもあるものかもしれません。
「なんで、そんなひどいことをするの?」
「どうして、わかってくれないの?」
そんな風に思うこともあると思います。
人間には誰しも欠点や弱点がある、なんてことがあるのだとしても、いざ親を許す、となると、どうしてもそんな気になれないことがほとんどなんじゃないかな、なんて思っています。自分自身や、身内のこととなると途端に厳しめのものの見方をしてしまう、なんてのは、あるある、かもしれません。
今回はそんな、親のことで許せないって思えるようなことがあるとき、のことを書いていきます。
今あらためて、、、、、大人になった自分から見て、その許せない親って、どんな人物でしょうか?
イヤな面が色々と思い浮かぶかもしれませんし、いいところも思い浮かぶかもしれません。
その中で特に、親の弱い所、だったり、親が苦手にしているところ、親が越えられない壁、何かへたくそなところ、不器用なところ、かっこ悪いところ、情けないところ、にちょっと注目してみてください。
親の中にある自分が責めたいところ、というより、親の中にある弱い部分です。それを見て、今、どんな風に感じるでしょうか?
こんな部分を見ようとしてみてください。
親は、親自身が子供だった頃、周りから大切にされていたでしょうか?
それとも、自分と同じように、何か心に傷を負うような体験をしていたでしょうか?
ちょっと、想像してみてください。
親に何か怒りを感じているとき、上の立場の人間に対して、下から目線で突き上げる感じで、ちょっと被害者的な視点から、あんたは本当にひどい親だよ、って批判をするという感じなりやすいかもしれません。そのポイントからちょっと離れて、大人の目線で、親の弱い部分を見てみる、という試みをしてもらいたいって思っています。なぜなら、その方が親のことをあるがままに見れるためです。
弱い部分をもっている一人の人間である親を見て・・・・、決して完璧ではないですし、自分のことでいっぱいいっぱいなことも多い親、至らないところも多い親、それを見て、どう思うでしょうか?
例えば、こんなことを思うかもしれません。
・これ以上アレコレいっても仕方ないって、諦めの気持ちが出てくる。
・なんだか、自分に似てると思えてくる。
・ある意味では、かわいそうな人間かもしれない、と思えてくる。
ここで、私から一つ聞きたいのですが、この弱い部分を抱えている親のことを、助けてあげたいって思える部分はあるでしょうか?
助けたいとは思えないかもしれませんが、もう、許してあげよう、なんてことを、少しでも思えたのなら、その人はすごくラッキーです。
なぜなら、親のことを責め続けるより、親に対して、許しを選択できた方が、はるかに自分自身が楽になれるからです。
親のことを責めている間、その責めの言葉は、まわりまわって自分自身を責める矢となって帰ってきます。親のことで怒り狂っている間は、自分自身、何も受け取れません。それが、どれだけろくでもない親だったとしても、親を責める、という行為は、とにかく自分の人生にろくでもないことをおびき寄せます。
親と似た感じの人物が、親とは関係のないところで自分の人生に登場して、その人との人間関係で嫌な思いをしたり、自分に子供ができたときに、親と同じことをしている自分に気づいて、強い罪悪感を感じたり、そんなことを自分に感じさせるような行為をした子供に対して、すごく冷たい態度をとってしまったり、親と同じことをしないように意識するあまり、手を出せない領域が生まれて、それが収入を増やしたい時の心理的なブロックになったり、、、などなど。
もちろん、そのことも含めて親のせいにする、ということもできますが・・・・、それはあまり賢い選択とは言えないかもしれません。
もし、親の許し、にトライしたいという気持ちが少しでも芽生えてくるのなら、ぜひ、トライして、今よりも楽な自分を受け取ろうとしてみてほしい、なんて私は思っています。そこで、その親を責め続けるという束縛から解放されることで、どれだけ楽になれるか、ということを、実際に体験していただければ、幸いです。