完璧にいつものペースでできていないと気が済まなかったり、自分でこうしなきゃと決めていることができなかった時に自分を許すことが出来ず責めてしまう、など、完璧主義のような部分が心の中にあると、ときとして自分の心が疲れてしまう、ということがあります。
完璧主義が他の人に向かうことで過剰にイライラしてしまうようなこともあります。そのイライラが人との間に微妙な空気を作ったり、人間関係にストレスが生まれることもあるかもしれません。
完璧主義にかたよりすぎていると気づいたとき、肩の力をぬいて少しこだわりを手放す、ということができれば良いのかもしれません。ただ、それは言うのは簡単でも、いざ実行するとなると難しく感じることもあるかもしれません。自分はできないのに、周りにいる人が肩の力を抜いていたり、完璧じゃないままの出来栄えで満足しているのを見ると、イラっとしてしまうこともあるかもしれませんね。
完璧さを求めて自分を精神的に追い込んで、達成したいものに手を届かすためのパワーが生まれることも、もしかしたらあるかもしれませんが、それで心の余裕を無くしてしまったり、ストレスがたまりすぎて疲れてしまう、というのはありがちなことかもしれません。
完璧にしたいことの裏側には、自分なりに押さえておいた方がいいと思っていることがあったり、それができていないと心配になるようなことがあったりしますので、完璧主義を手放して肩の力を抜くといっても、守りたいものや守るべきものはあるかもしれません。
ただ、ここはそこまでこだわらなくても良いかも、とか、自分はこだわるけど人にそれを求めるのはやりすぎ、など、完璧主義にかたよりすぎていることに関して、自分なりに変えた方が良いと気づいているところはないでしょうか?
自分にとって絶対に守りたいことは残すとして、、、こだわりすぎなくても良い部分もあるかもしれません。肩の力を抜けるポイントや、変えてもいいやり方、あるいは、許容できないこともないポイントなど、こだわりの強い部分に関して、自分なりにちょっと整理して手放せるところがないか探してみること。感情面でも、本当はこだわらなくても良いはずなのにイライラしやすいポイントがあるのなら、なんでそんなにイライラするのか、見つめてみても良いかもしれません。
守りたいところと手放しても良いところ、あるいは、感情的に自分がひっかかりやすいところがあるのなら、自分の感情の癖のような部分を自分なりに整理できてくると、自分自身の中にある完璧主義との付き合い方、のようなものが見えてくるんじゃないかな、と思います。
自分の中の完璧主義的な部分を責めたり、周囲の人の完璧にできていない部分を責めるのではなく、理解して付き合い方を考えること。
目的と手段の不一致がないか、じっくり分析して見るのもよいかもしれません、手段にこだわりすぎて完璧に手段通り実行しようとしても、それが目的にそぐわないものであれば、無駄になります。何のためにそんなに完璧にしようとしているのだろうか、と改めて考えてみたら、本当はそんなにこだわらなくても良い部分であったり、もっと大切なものがあるということに気づけることもあるかもしれません。もし、それほどこだわらなくてもよい手段だということに気づいたのなら、手放すこと。
手放せる部分を手放したら、完璧主義的に100点満点にこだわるのではなく、ある程度のところで、ここまでできたらOK、という合格ラインのようなものを、あまり自分自分や周りの人に厳しすぎないラインで考えてみるのもよいかもしれません。
完璧主義的な部分を、頭では手放した方がいいと思えても、いざ手放すとなると感情的に抵抗感がでてくることもあるかもしれません。思考と感情の不一致があって、そうした方がいいと思っていても、できない(感情的にはやりたくない)、という感じになると、心の中に葛藤が生まれます。手放したいけど(頭では手放すべきと考えている)、手放せない(本音を言うと感情的には手放したくないと思っている)、という感じです。心理的にはよくあることです。
ここを一致させていくためには、思考で感情を押さえつけるよりも、まずは、感情を理解して受け入れること。自分には、手放したくない気持ちがあるんだな、ということについて、まずは認めて、そんな自分を受け入れようとしてみてください。感情というのは押さえつけようとすると、なんとしてもその感情が表に出てくるように心の中で暴れようとしたり、隙を見つけて最悪のタイミングで出てこようとしたりしますが、耳を傾けて受け入れてあげると素直になる、まるで子供のような一面を持っています。
抵抗感があるのなら、抵抗感がある自分にOKを出してあげること。無理やり手放そうとするより、いったん、否定的な態度をとっている自分自身を認めてあげた方が、手放すプロセスが楽で簡単になります。
抵抗感があることを認めることができたなら、抵抗感を手放す許可を、自分の心に問いかけてみること。抵抗感があることにOKが出せていると、抵抗感を手放す許可も、わりとあっさりOKが出ます。抵抗感を手放す許可がでたなら、あとは手放すだけです。手放すことができるか自分の心に問いかけて、OKがでたなら「手放します」という宣言を心の中でしてみてください。多少手順は踏みますが、思考で感情を押さえつけて気合いで手放そうと、ある意味力づくでやるよりもずっと楽で簡単に手放せます。このプロセスを踏むと、思考だけではなく感情的にも手放そうと思って手放しているので、心の葛藤が生まれにくいです。
完璧主義に疲れた時、というテーマで掘り下げて記事を書きました。ここに書いたことで何かしらお役に立つところがあるなら幸いです。
もう一つの観点として、完璧主義の裏側に、自分自身を縛っている正しさのような部分があることがあります。正しさ、の裏には往々にして罪悪感が隠れています。罪悪感があるために、正しさにこだわりすぎてしまい、それが完璧主義を産うんでいることもあります。そのあたり、こちらの記事に掘り下げて書いていますので、目を通してもらえればと思います。