人間関係のベースとなるものの一つに、相手を理解する、というものがあります。
相性がいい場合は、ここをあまり意識しなくてもよいことがありますが、
相手との間に心理的な壁を感じるような場合や、人間関係が上手くいっていないような感覚がある場合ほど、
相手を理解する、ということが求められてきます。
そのときに大切になってくるのが、相手を観察する、という部分です。
相手を観察するときに見るところは、雰囲気であったり立ち居振る舞いであったり、
単純に見た目であったり、色んな部分はあると思いますが、
ぱっと見たときに最初に自分が感じた直観はとても重要です。
話の内容や、態度や、受け答えから印象が徐々に変わってくることはありますが、
後々になって、最初の直観が当たっていた、という体験をしたことがある人も多いと思います。
人の持つ直観、というのは、非常に優秀で、時間の積み重ねなしに、
一瞬、相手を観察するだけで、相手のことが何となくわかってしまう、ということがあります。
こういうタイプはこう、といった誤解された偏見や決めつけが自分の内側にたくさんあると、
この直観の部分が、とんでもない勘違いを生みやすくなる、ということもありますので、
万能ではないのですが、この直観から得られることから、
相手を知ることができる部分がたくさんあります。
相手と接しているときに自分が感じる感情や感覚の部分も大切です。
特に、目に感情や考えていることは出てきますので、相手の目を見る、ということがとても重要です。
相手が口にする言葉のみで相手のことを理解するよりも、相手の目から受け取れる内容と
セットで理解をした方が、より正確に相手のことを知ることが出来ます。
例えば、相手の目を見たときに自分が感じることと、相手が口にしている内容が一致していなければ、
ことわざにもあるように、どちらかというと、口よりも、目の方が正直です。
相手が口にする言葉自体は相手がこちらを気遣ったり、
いろんな人間関係やその人の立ち位置から言えることや言えないこと等々から、
少しオブラートにつつんだ言い回しになったり、嘘が混じったりすることもあるのですが、
目はなかなか隠しにくいので、そっちの方に、相手の考えていること、が出てくることがあるためです。
例えば、自分を隠したい場合は、自分の目を見せたがらない(相手の目を見ない、とか、伏し目がちにするなど)
ということもあるかもしれませんが、それ自体が、一つのサイン、になります。
相手を観察することで、相手の基本的な考え方や価値観をより理解することが出来れば、
今まであった出来事の中で、その人が何を考えていたか、とか、何を感じていたか、
というのもなんとなく察することが出来るようになります。
相手の考え方や価値観が理解できたときに、それが自分の考え方や価値観と合わないことがありますが、
相手に対する理解を深めるためには、自分のもっているそれらにこだわりすぎるよりも、
いったん手放して、相手のその部分に寄り添うようにした方が、より相手のことが理解できます。
これは自分にとって成熟さが求められる振る舞いですが、
この相手の考え方や価値観に寄り添う、という部分を取り入れることができると、
寄り添おうとしている、ということが相手に伝わることもあって、
相手との間に心理的な壁を感じるような状況や、人間関係が上手くいっていないような感覚がある状況を
変えることが出来るようになります。