犠牲を強いられているとき

投稿日:2018年3月27日      更新日:

身近な人から犠牲を強いられているように感じることはあるでしょうか?
断りたくても断れないような状況になったり、相手からの圧力が強すぎて精神的に参ってしまうような状況であれば、そのことで本当にお困りになる方もおられるのではないかと思います。

例えば、その相手が親である場合には、犠牲というより、やって当たり前と相手が思っているかもしれません。こちらの言い分を全く聞いてくれない親で、話をしても一方的にこちらが間違っているということを言われるのが常である場合、もう、言われた通りにやるしかない、と思えることもあるかもしれません。

例えば、その相手がパートナーである場合には、あなたがやってくれないなんてありえない、と相手が思っているかもしれません。相手から精神的な依存をされて、相手の言いなりになるか、別れるか、という2択になるような場合、好きだから別れたくないと思うのであれば、仕方なく相手の言うようにやるしかない、ということもあるかもしれません。

相手の要求を普通に断れたり、距離をとることで犠牲を強いられる状況を回避できるのであれば、少しはまし、かもしれませんが、それも難しいと思えるような場合には、本当に困っているけど、解決しようにもどうしたらいいのかわからない、と思うこともあるかもしれません。

ここで視点を変えて、どうしても断れない理由があるとしたら、それは何だと思えるでしょうか?
断らない理由は細かいものをあげると色々あるかもしれませんが、断固として相手の言いなりにはならない、という意思を持ったとしても、それでも、ちょっとこの理由が引っかかって断れないな、と思えるものが残るとしたら、何でしょうか?断れない雰囲気、とか、相手に怒られたら嫌だ、と言うのもあるかもしれませんが、極端な話、相手がどういう態度を取るのであれ、あなたとしては、知らん顔をしていても良いはずです。ただ、それはできないよ、と思えるのであれば、そこにはあなたなりの理由があると思います。
それは、何でしょうか?

他人から見ると、断ったらいいのに、とか、言いなりにならなくても良いのに、とか、逃げればいいのに、と言う風に見えているような気はしないでしょうか?
それでも、あなたがそうしないのには、あなたなりにその選択肢をブロックしている部分があると思います。そうだとしたら、そんな風にあなたが強引な相手に合わせているのは、なぜ、だと思えるでしょうか?何がブロックになって、あなたは相手のなすがままになっているのでしょうか?

例えば、現実的にそれをすると、相手が何をするのかわからない、とか、周囲の人に迷惑をかけるような極端な行動を相手がする可能性がある、と思えるようなケースもあるかもしれません。脅しのようなことを相手が言っていて、それが現実になると考えると、どうしても断れない、と言うこともあるかもしれません。

例えば、相手に対して情けのような気持ちがあなたにあるのかもしれません。相手が親であれば、子としてのたくさんの想いがそこにはあると思います。できれば、聞いてあげたい、とか、私の方が間違っているだけかもしれないから、とか、いつか相手が変わってくれるかもしれないから、とか、どこか、相手のためのことを想って聞いてあげている部分もあるのかもしれません。

例えば、相手に対して、助けてあげたい、と言う気持ちがあなたにはあるのかもしれません。相手がパートナーであれば、私がこの人を助けてあげたいから、そばにいてあげたいから、そのためにもギリギリ自分が許容できるところまでは、聞いてあげて、相手が成長するまで見守ってあげたい、なんて想っている部分もあるのかもしれません。

理由は人によって、様々かもしれません。あなたなりの理由のようなものがあるとしたら、それは何でしょうか?

怖れと罪悪感。理由はこの2つに分類できるかもしれません。断った時に、良くないことが本当に起こるかどうかはわからないけれども、起こった時のことを考えると不安、なのであれば、怖れを感じていて、それがブロックになっているのかもしれません。断れないことはないけれども、断るというのはなんだか、自分のことだけしか考えてないような感じがするのであれば、罪悪感がブロックになっているのかもしれません。両方まぜこぜになっているようなパターンもあると思います。

今、あなたが犠牲をしていて、そのことに疑問を感じていたり、もう無理だと思えていたり、誰かに相談したいような気分になっているのであれば、その怖れと罪悪感の部分を少し整理した方が良いです。怖れと罪悪感にとらわれたまま、犠牲を続けることを選択したいでしょうか?
それとも、犠牲するのとは違う選択肢を受け取りたいと思えるでしょうか?

犠牲を強いてきている相手を変えることはできないです。変えることができるのは自分だけです。もし、今までにやってみたことがあるなら、思い返してみてほしいのですが、相手を変えるため努力をあなたがしても、相手は何も変わることなく、ただ、あなたが疲れるだけで終わることは多くなかったでしょうか?
特にこういった犠牲を強いてきていることに関して、相手が耳を傾けるつもりもないのが常であれば、あなたが期待するような変化が相手に起こるというのは、絶望的にありえないです。

といっても、自分の中の何かを変えようにも、怖れと罪悪感にブロックされている状態なので、断る、とか、逃げる、といった選択をあなた自身がしにくい状態になっています。違う選択をできるようになるためには、怖れと罪悪感を手放すことが求められてきます。

手放すと言うのは、投げ捨てる、と言う意味合いではないです。怖れを感じないようになりましょうとか、罪悪感を気にしないようになりましょう、とは言っていないです。それらが強すぎて、自分で自分の選択肢を狭めてしまっているので、選択肢が広げれるように、それらの感情にとらわれすぎないようにしていきましょう、ということを伝えようとしています。

もし、怖れがあるのなら、、、、。その怖れはあるとして、自分は本当はどうしたいと思っているでしょうか?
自分がしたいと思っていることを現実にするために、今できることは何でしょうか?
不安に感じていることを、リスクとしていくつか出して、それらについて対策を立てるのも良いですが、怖れにどっぷり浸かって、考え込んでしまって身動きができなくなってしまうのであれば、同じ事をぐるぐる考えているだけの、思考停止に近い状態になっているのかもしれません。

自分がどうしたいのかを考えて、今できることを考えること。そして、今できることに集中すること。今できることに集中することは、未来に起こりうることへの怖れに目を奪われるのではなく、今現在の現実に集中することにつながります。そこで行動していくことが、犠牲をせざるをえないと思い込んでいる現実を、少しずつ変容させていきます。

今できることは何でしょうか?
怖れにとらわれているときは、それを自分に問いかけてみてください。

できることが何もないと思えるのなら、本当に自分がやりたいと思っていることは何でしょうか?
それを自分に問いかけてみてください。そして、それをするために、今できることは本当に何もないだろうか?
ということを自分に問いかけてみてください。時間がかかっても、効果が少ししか感じられないことでも、自分がやりたいことを現実にするためにできることをやっていくということが、怖れの向こう側にたどり着くことにつながって行きます。

もし、罪悪感があって、相手の要求を断ったり、相手から離れたりすることができないと感じているのなら、ちょっと見つめてみてもらいたいことがあります。

罪悪感を感じていると、至らない自分のダメなところを補うために、罪滅ぼしをするかのように、過剰に自己犠牲的な行為をしたくなる、というパターンにはまることがあります。もし、あなたがそういう弱点のようなものを抱えている場合、あなたに言うことを聞かせたい人は、そこを効果的につついてきます。そうすると、あなたは、こんな私でごめんなさいと思いながら、相手から要求される犠牲行為をやり続け、相手はあなたのことを下に見ながら、あなたにダメ出しをして罪悪感をつつき続ける、と言うサイクルにはまります。そこに付き合っている限り、あなたが自分の罪悪感を解消させることはできないですし、本質的には、あなたのためにならないだけではなく、相手のためにもならないです。

今までずっと我慢をしてきたのではないでしょうか?
本当に、今後もそれをしなければならないでしょうか?
もうそろそろ、このサイクルから離れることを、自分に許可してあげてもいいんじゃないでしょうか?

罪悪感が教えてくれるのは、あなたが悪い、ということではなく、あなたに考え方だったり、ものの見方だったり、感情の部分だったり、頭の中で起こっていることについて、変えることが求められていますよという部分です。そこに求められているのは犠牲ではなく、学びです。学びを受け取ったら、罪悪感を手放して前に進んでいく、と言うことが大切です。

どんなことに罪悪感を感じているでしょうか?
そこにはどんな学びがあると思えるでしょうか?
もし、許しを受け取ることができるとしたら、どんな風にしてみたいでしょうか?

犠牲を強いられている時、と言うテーマについて、怖れと罪悪感を紐づけて、掘り下げてみました。身近な人、特に、この相手からは離れられないと考えているような相手に対して犠牲行為をしていて、それがあまりにも辛いような時に、ここに書いたことを役立ててもらえれば幸いです。

 

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