本当はいっぱいいっぱいなんだけど、大丈夫って言ってしまう、という癖のようなものを持っておられる方はいらっしゃるでしょうか?
弱いところやダメなところを隠して、本当は限界なんだけど強がって意地と見栄をはって、「私は大丈夫」って言っちゃうようなタイプの方です。私は大丈夫って強がりながら、苦しい状況をなんとかギリギリ乗り越えていくというのは、ある意味では自立的な大人の部分を心の中に持っている、と言えるかもしれません。
頼れる人がいなくて、自分一人の力でなんとか乗り越えていかなきゃならないときは、そういう部分が求められてくることもあるかもしれません。ただ、誰にも頼らないっていうところが強すぎる方の場合、パートナーに素直に頼ったほうがよいような場面でも、ついつい弱さのようなものを見せれずに強がってしまう、なんてこともあるのではないかなと思っています。無理をして、頑張りすぎて、強がるのにも疲れ切って限界を迎えた結果、何かが破綻したり、パートナーとの関係性が壊れてしまうということもあるかもしれません。
完璧な自分でありたいという想いがあったり、助けてって言えないという部分もあるかもしれません。ただ、本当はもっと素直になれるのなら、できればそのほうがいいと思っているという本音もあるのなら、ときにその強がりな部分を手放すことも必要かもしれません。
素直になったほうが良いかもしれないとは思いつつも、いざやろうとするとちょっと難しかったり、やっぱりそれだけはできない、という感じになる方もおられると思います。例えば、こんなことを考えたことはあるでしょうか?
・パートナーを本当はもっと信頼したほうがいいのかもしれないけれど、弱い自分を見せるのはやっぱり怖い。
・助けを求めたら手を差し伸べてくれるとは思うけれども、なんだか申し訳なく思う。
・自分の中の弱さを見て、こんな自分でいいのかなって思ってしまう。そんな自分を隠すかのように、頑張らなきゃいけないって思ってしまう。
その反面、強がりすぎるのもよくないと感じている部分もあるのではないかな、と思います。例えば、こんなことを思ったことはあるでしょうか?
・もし限界を迎えてしまうことがあったとしたら、それは頑張れない自分が悪い、と思う。
・強がり続けるのには、どこか無理があると自分でも思うことがある。
・いつか限界がくるかもしれない。
素直になったほうがいいとは思いつつも、そこに抵抗感のようなものがあって、心の中に葛藤を感じておられる方もいらっしゃるかもしれません。
抵抗感を作り出しているものが自分の心の中にあるとしたら、それはどんなものだと思えますでしょうか?
・助けを求めることについて申し訳ないと思う、罪悪感、のようなもの?
・パートナーに弱さを晒すことに対して感じている、怖れ、のようなもの?
・弱さを持っている自分について、こんな自分でいいのかなって自分の価値を低く扱っている、無価値感、のようなもの?
私が例に挙げたもの全てでしょうか。あるいはそのどれでもなく、ここに言葉になっていない、あなたなりにもっている何か、でしょうか?
頑張ることそのものは、良いことかもしれせん。より完璧であろうとすることも、良いことかもしれません。ただ、そうすることの目的が、罪悪感や怖れや無価値感、あるいは、あなたなりに抱えている何かを隠すためだったり、誤魔化すためだったとしたら、あなたは2重に頑張る必要性が出て来ます。頑張ることそのものに使うエネルギーとあわせて、隠すことに使うエネルギーが必要です。例えば、弱さを見せないようにするためのエネルギー、常に強い自分を取り繕うためのエネルギー、そういったものが必要になります。一生懸命頑張らないといけないときにも、ある意味では余計なことにもエネルギーを回す必要がでてきます。
隠さなきゃいけない、と思っているということは、あなたはそれをやりたくてやっているというより、やらなければならない、と思ってすることになります。やりたくてやっているときというのは、心に疲れを感じることもありますが、やりたいことをやっているがために、心に報酬も運ばれてきます。たとえば、充実感だったり、達成感だったり、楽しい感じだったり、わくわくする感じがそこにはあります。ただ、やりたい訳ではなく、やらなければならないからやっている、というのは、この報酬の部分が欠けているため、あなたはそこで疲れていくことになります。頑張ることに無理がある度合いだけ、そこで燃え尽きてしまいやすくなります。
その弱い部分や隠したい部分は、本当は、あなたが一番愛されたい部分だったりはしないでしょうか?
もしかしたらそれは、あなたの心の中の痛みがある部分かもしれません。そういった部分は、デリケートで傷つきやすく、限られた人にしか触れてもらいたくない部分であり、優しくされたい部分でもあることが多いです。あなたの場合はどうでしょうか?
パートナーにだけでも、あなたの弱い部分を見せて、頼ってみることはできるでしょうか?
勇気がいるかもしれません。抵抗感もあるかもしれません。ただ、これができた時に、よりパートナーと深くつながることができ、愛し愛されている感覚を受け取ることができるようになります。そんなことができるとしたら、やってみたいと思えるでしょうか?
私は大丈夫って言って自己完結させることで、特に問題が出ていないうちはそのままでもいいかもしれません。ただ、パートナーシップには様々なことがおき、このままではもう無理だと感じるような、変化が求められるような状況になることもあります。
そんなときに、パートナーに何かをゆだねたり、心の中の弱さや痛みの部分を分かち合ったり、パートナーに助けを求めることができるなら、そこを乗り越えていくことができるかもしれない、、、、そんなことを思えるようなときに、ここに書いたことを少し思い出してもらえれば幸いです。
完璧な自分でありたいという想いがあると、完璧主義的になるということもあるものかもしれません。完璧にするというのは達成感は感じやすいものかもしれませんが、こだわりすぎることで疲れ切ってしまう、という部分もあるものかもしれません。そういった心理に関してまとめたものがありますので、以下の記事を参考にしていただければと思います。