自己肯定感が低いことで、ネガティブな感情を感じやすい方はおられるでしょうか?
自己肯定感が低いと、人に対して気疲れしやすかったり、自信が持てなかったりしやすいかもしれません。人によっては「自分は異性から魅力的とは思ってもらえない」と感じておられるる方もいるかもしれません。
幼少期に親から色々言われたことに縛られて自信が持てず、それが自己肯定感の低さにつながっているという方もおられるかもしれませんし、パートナーから言われたことや、パートナーとの別れを通してあった色々なことから、自己肯定感が低くなるような想いをした方もおられるかもしれませんね。
自己肯定感が低いことで、自分の嫌いな部分が気になりすぎたり、人からネガティブな印象でみられているような気がしすぎたりすることもあるかもしれません。
ただ、なるべくなら自己肯定感をあげた方が良い、、、と頭では思っていても、自己肯定感が低い人が自分を肯定しようするのは苦しいことかもしれません。自分のことをダメだと思っているのに、そこから自分を肯定しようとしても、どこか気持ち的に無理な感じすることもあるかもしれません。
自己理解と自己受容
自己肯定感が低い場合は、まずはそんな自分を理解することからスタートするのが良いかもしれません。無理に自分を肯定しようとせずに、まずは一旦、自分自身の今の現状をありのままに見つめてみること。
ありのままの自分を見つめてみようとしたときに、こういうところがダメ、といった具合に自分自身に悪い評価をしたくなることもあるかもしれません。ただ、自分自身に対して悪い評価をすると、ありのままを見つめるというより、自己いじめをしている感じになります。
やりたいことは自己いじめではなく、自分自身のことを理解する、ということですので、良い悪いの評価は一旦置いといて、ただありのままに自分自身を見つめようと意識した方が良いです。
例えば、苦手なことがあったとしたら、苦手なんだなあ、というところまでを理解すること。苦手な自分はダメ、といった自己否定の評価まではしない、といった感じです。例えば、前のパートナーにひどいことを言われたのだとしたら、ひどいことを言われて傷ついた自分がいる、というところまでを理解すること。あんなことを言われるような自分はダメ、といったダメ出しの評価まではしない、といった感じです。例えば、異性から魅力的だとはあまりみられない自分がいるのだとしたら、事実として今のところそういう機会が少ない、というところまでを理解すること。そんな自分は誰から見ても魅力的ではない、といった決めつけの評価まではしない、という感じです。
心の中で、理解することと評価することの間に境界線を引いてください。理解は自分自身を受け入れることの助けになりますが、評価は自分自身を否定することに繋がる可能性があります。今やりたいことは、理解、です。
今の自分のありのままを理解していく、ということに少し苦しさを感じることもあるかもしれません。ただ、理解と評価の間に境界線を引いて、ありのままの自分を理解しようとしたとき、冷静に自分自身のことをただ理解している、というところまでくると、苦しさを感じるというよりも、
「ああ、自分自身ってこうだよな。」
ということをただ見つめている自分自身がいることに気づくことができると思います。そうしたら次にすることは、そんな自分自身をただ受け入れる、ということです。
自分自身を理解し、自分自身のありのままの姿を受け入れること。たとえ、そんな自分のことをいまいちだと感じたとしても、まずは、今の自分はそんな感じなのだなあ、ということを理解して受け入れること。
その状態を言葉にすると、こんな感じかもしれません。
「私は私。」
自己肯定感の低い自分に否定的な評価を下すことなく、ただ理解して受け入れてあげてみてください。
楽しむことと好きなこと
ちょっと視点を変えて、今を楽しむために、あるいは、今をより充実させていくために、やりたいことや、やってみたいことって何だろう、って考えてみたら、どんなものが出てくるでしょうか?
何か楽しみがあったり充実感があると、今が楽しかったり、今この瞬間が好き、という感じになり、そんな瞬間を生きている自分自身のことを肯定的に感じやすいです。それは、自分自身を好きでいる、ということに繋がっていきます。
例えば、あなたのまわりにいる人に視点を向けてみて、、、好きなことや楽しむことをしていて、自分のことを好き、という感じの人はいないでしょうか?
自己肯定感の低いところからセルフイメージをあげていくために、楽しむこと、好きなことをするという部分も取り入れようとしてみてくださいませ。
楽しむことや好きなことを続けていくこと。自分の生活の一部として、そういったものがあるということが、セルフイメージをあげていくためだけではなく、日々の暮らしの満足感や幸福感をあげていくことにつながっていきます。
自己肯定感が低いのなら、楽しむこと。人生、楽しんだもの勝ち。そして楽しんだのなら、そんな自分を肯定してあげてください。その繰り返しがセルフイメージをあげていきます。
自分の価値を受け取る
心の中で起こっていることの話を少しすると、潜在意識の中では主語が曖昧になり、自分が心の中で誰かに対して行なっていることは、まわりまわって自分自身に返ってきます。
誰かを責めることは自分自身を責めることにつながり、誰かを評価することは自分自身を評価することにつながります。自己肯定感が低いとき、自分を低く評価しているのと似たような基準で、もしかしたら、自分以外の誰かを心の中で低く評価しているような部分があるかもしれません。
それと同時に、誰かに価値を見ることは、同じような基準で自分自身の価値を見ることに繋がったり、誰かを大切にしたり愛したりすることは、自分を大切にしたり愛することに繋がっているような一面もあります。少し気をつけておいた方がいいのは、自己否定が強いとき、一定の評価基準を使って、自分を低く評価して誰かを高く評価する、なんてことをしがちですので、自分自身を低く評価しているような評価基準があるのなら、それは一旦手放した方が良いかもしれません。
例えば、パートナーがいる方であれば、パートナーの価値を見て、大切にするということ。例えば、子供がいる方であれば、子供に価値を見て、愛情を送るということ。こういった大切な人との間の関係性を育てていくことで、反対に相手から価値を見られたり、大切にされたりすることがあるのなら、それを否定しないで受け取ること。
自己肯定感が低いとき、誰かに価値を見られたとしても、それを否定したくなる気持ちが出てきますが、その自分の中にある否定を手放して、素直に価値を見てもらえたことに感謝すること。人からのポジティブなフィードバックを受け取ることを通して、自己肯定感の低さを手放していくこと。
最後に
自己肯定感が低いとき、なるべくすぐに始められそうなことから順に書きました。
「自己理解と自己受容」は、一人の時間がある程度取れるなら、その時間を使ってやることができます。自己肯定感の低さに縛られている状態から抜け出して、ただそのままの自分自身を認めてあげるようなアプローチです。
「楽しむことと好きなこと」は、もし、何か新しいことを始めるのだとしたら、何しようか、というのを考えるところからのスタートになるかもしれません。やってみないとわからない、ということもありますし、やってみて面白くなかったからやめた、ということもあるかもしれませんね。人によっては「自己肯定できるくらい、心から楽しめることなんてそんな簡単に見つからないよ」という方もおられるかもしれません。楽しめることが見つけにくいのなら、それはある意味では、自分の中の「楽しむ」というセンサーを磨いてあげることが求められているのかもしれません。もしそうであれば、ちょっとしたことでも「楽しむ」という要素を取り入れていくということが大切かもしれません。
「自分の価値を受け取る」は、効果を実感するまでに時間がかかるかもしれません。人との関係性のなかで、受け取る、という体験を通して、徐々に自分の価値を自分でも感じられるようになっていく、というものですので、一人ではできないですし、相手によってどんなフィードバックが返ってくるか、というのはわからないものかもしれません。ただ、大切な人との関係性の中から得られるつながりや親密感は、自分の価値を受け取って、自分自身を肯定していく、というときにとても強い影響力をもつものです。
ここに書いたことで、何かしらお役に立てるところがあるのなら、幸いです。
あと、一つだけ補足します。
もし、幼少期に親から色々言われたことに縛られて自信が持てず、そのことが今もどこか尾をひきづっていてネガティブな感情を感じるのであれば、そういった過去の嫌な記憶に関しての、感情面でのケアの方法を書いたものがありますので、参考になればと思います。