いろんなものが行き詰って、夢も希望もないと思えるようなタイミングがあるとそういうことを考えたくなることもあるかもしれません。
行き詰まりがあると、そこで絶望を感じることもあります。自分ができることは全部やったし、仮にやれることがあったとしても、もう気力がないという状態であれば、絶望を感じて、もうどうしようもないと思えることもあるかもしれません。
人生には流れのようなものがあります。今体験していることの延長線上に次の体験があり、相互に関連してつながっています。自分が望んでいることがその流れの延長線上にあるように感じられなければ、今の流れとは全然異なる別の人生の中に、飛び込めるなら飛び込みたいと思うかもしれません。ただ、それはファンタジーな世界の出来事であり、それを現実にしたいと願うなら、やり方としては、まずは自分の思考に手をつけるところから始めるのがおすすめです。
人生の流れを形作っているのは、自分の中にある思考の積み重ねです。ここで言う思考というのは、普段頭の中で考えていることですが、意識的にしているもの以外に、無意識的にしているもの、も含みます。例えば、ものの見方、感情の感じ方、物事に対する自分の反応の仕方や態度、といったものです。
自分の中にある膨大なこれらの思考の積み重ねが、自分の人生を形成しています。量が多いので、その全体像が急に変わることはないのですが、様々な体験や選択を通して、それは少しずつ変わっていき、自分の人生の流れに変化を生み出していきます。
自分が成長することで、自分自身が体験することが変わったということを経験したことがある方はおられるでしょうか?成長することで、自分の思考が変わると自分が人生から受け取る流れも変わります。
今いる環境が嫌になって、環境を変えたけれども、自分自身が体験することは結局それほど変わらなかったといったようなことを経験したことがある方はおられるでしょうか?
環境が変わったことから、自分自身がより良い影響を受けて、自分自身も何か変化するような部分があると、人生から受け取る流れも変わるのですが、そういったことがないと、環境だけ変わって、自分が人生から受け取る流れは大して変わらないといったことが起きます。
思考を変えると、人生の流れが変わります。とはいっても、表面的な思考を1つ変えても、大きな流れにはあんまり影響は出ないです。その代わり、いろんな思考のルーツになっているような根っこの部分を変えると、それが他の思考に連鎖的に影響を与えるので、自分自身を大きく成長させるきっかけを作ることができます。
特に、自分の絶望に関係しているものが心の底にある場合、それをより良く変化させることができると、自分が人生から受け取る流れは大きく変化します。ただ、心の底に根付いているものを変化させることは、心理的に強い抵抗を感じやすいものです。カウンセリングの場でも、「それだけはイヤ!」、という部分こそが、絶望しているときに最も変化を求められている部分、ということがあります。
この抵抗感は、自分の中の変わることを求められている部分はどこなのか、というのを自己分析するときのヒントになります。自分が今まで嫌で避けてきたことの中に、自分自身の思考を変えることが求められている部分があり、それが今の人生の流れを変えていくときのカギになってきます。
もし、今絶望している以上に嫌なことがあるとしたら、何でしょうか?
そんなこと考えたくないし、そんな部分は見たくもない、という感覚がもしあるなら、それはとても重要なサインです。抵抗感があるということは、自分は、今何をしたらいいのか本当は知っている、ということを意味しているからです。
絶望している人の心の中には、知恵と才能があります。知恵というのは、自分が何をするべきか知っている部分です。ただ、それを見るのがすごくイヤなのです。なんでイヤなのかは、、、人によってそれぞれ様々な理由があると思いますが、ここで知っておいてほしいのは、自分にはそこに気付くための知恵が備わっている、ということです。その知恵にアクセスするかしないかは、自分で選ぶことができます。
次に、、才能というのは、成長する力のことです。思考は変えることができ、変化させたときに才能が華開いていきます。ただ、僕たちは成長することに怖れを感じます。
残念ながら、成長するということは良いこどづくめではないです。例えば、以下の2つの質問を自分にしてみてください。
①成長しないことで得られるメリットはないでしょうか?何か成長しない方が自分にとって都合がいいことはないでしょうか?
②成長してしまうことで出てくるデメリットはないでしょうか?成長してしまうと自分にとって都合の悪いことはないでしょうか?
これらを自問自答すると、結構意外なものが出てくることもあります。自分でも気づいていなかった成長することに対する抵抗感を見つけることができます。
僕たちはこういった抵抗感を使って、ある意味では、無意識的に日常的に、自分で自分の才能に制限をかけていることがあります。手持ちの知恵と才能に関して強く抵抗してリミッターのようなものをかけていることで、物事が行き詰まって絶望を体験する、という人生の流れがやってきているのだとしたら、そのリミッターはできるだけ解除した方が良いです。
絶望を体験して、人生をリセットしたいと思えるようなときは、自分の中にある知恵と才能に向かい合うことが求められているときです。これは誰かに言われても、絶対にやりたくない部分だと思うことが多いものですし、今まで避けてきた部分かもしれません。ただ、抵抗感を手放すという選択ができるのは、自分だけです。
前に進もうという選択をしたいときに、誰かのサポートがほしい場合には、人に頼るのもありです。絶望があるときというのは、結構、一人では解決できないようなものを一人で抱え込んでいるようなこともあります。人とのつながりというのは、この絶望を解除していく状況下で、とてもパワフルに作用します。ただ、そのためには、自分自身が成長するために、一歩踏み出す、ということがとても大切です。それなしに人に頼ろうとしても、上手くいかないです。なぜなら、自分が変化することなしに、状況だけ変えようとしても人生の流れは変わらないからです。
人生をリセットしたいと思ったときというのは、ある意味ではとても追いつめられていて、感情的にも本当に辛いときだと思います。そこからスタートするとしたら、まずは自分の思考から手をつけるということを、覚えておいていただければ幸いです。