ケンカの勝率と幸福度は比例しない

投稿日:2019年12月31日      更新日:

 

 

パートナーとケンカしている時、相手のダメな部分が目について、そこを責めたい気持ちになるようなことが多いと思います。相手が間違っていて、自分が正しい、そんな気持ちになることもあるかもしれません。自分の心の中にある正しさのようなものを証明して、ケンカに勝ちたい気持ちにもなるかもしれません。

ただ、そこで仮にケンカに勝って、自分の正しさを証明できたとしても、それが本当に自分が欲しいものなのかというと、本音としてはちょっと違う、と思います。本当に欲しいものは、例えば、パートナーと繋がるということであったり、理解しあえるということであったり、一緒に前に進んでいくということかもしれません。

自分の中の正しさを証明して、相手を完璧に打ち負かしてしまった場合、ケンカに勝つことにこだわりすぎたことで、本当に欲しいものは遠ざかりがち、かもしれません。ただ、争いを避けるために自分が間違っていると感じているものを無理やり曲げるのかというと、それもまた、ちょっと違う、なんて思えるかもしれません。

ケンカしている状態。直接言い合っていることもあれば、冷戦状態のこともあると思いますが、そんなとき、やたらと細かい問題が目についたり、相手の言葉尻をとらえたくなる気持ちがあがってきやすいです。

状況を改善したり解決する方法に気持ちが向くというよりも、本来話し合いたいこととは違う細かい問題に話題がそれて、つまらないことで言い合いになったり、余計な一言の言い合いになったりなど、、、、ダメなところを見るのに意識がとられやすくなるかもしれません。

いつも不満を言わずにためておいて、ケンカのときに、あれもこれもと全部ぶちまける、とか、過去に一旦収束したことも、掘り起こして相手にもう一回ぶつける、なんていうケースもあるかもしれませんが、ケンカのときほど、前を向かなければならないのに、前ではなく問題探しの方についつい気持ちがいきがちです。まるで、自分の中にある正しさを優先しようとすると、幸せが遠ざかってしまうかのような、そんな力学があるかのようです。

 

 

自分の中にある正しさと幸せ。もし、この2つを天秤にかけるとしたら、どちらを選ぶでしょうか?
ケンカが続いている時、そんなことが問われている状態なのかもしれません。

大切なのは一緒に前に進んでいくこと。やり方はなんでもあり、です。

ケンカしている状態から一緒に前に進んでいけるようになるための道のりというのは、人によって様々です。なるべくオープンになんでも言い合える方がよくて、それこそ思いっきりケンカしてぶつかり合うことで仲良くなれるという人もいれば、ある程度の距離感も大切で、言い過ぎない方がいいという人もいるかもしれません。セックスが鍵になっているという人もいるかもしれません。コントロールしようとしすぎず、身を委ねることもときに必要だと思う人もいるかもしれません。どんな手段を使うにしても、前に進むという選択をすることが大切です。

もし、幸せになることを最優先したいとしたら、正しさというあなたの心の中にある相手を攻撃するための武器を、どこかで一旦手放すこと。

その武器はあなたの身を守るものかもしれません。ケンカをしているとき、相手の攻撃性を強く感じていると思います。防衛のために身につけている正しさを手放すということに、抵抗感や怖れを感じるかもしれません。ただ、その武器は2人の心をつなげる架け橋を破壊する性質も持っています。正しさではなく幸せを選ぶのだとしたら、正しさに対するこだわりを、一旦手放してみてください。

手放すというのは、投げ捨てる、ということではなく、そこにさいているエネルギーを別のものに向ける、ということ。正しさを優先したい気持ちやこだわりの部分から一旦距離を置いて、それよりも、もっと大切なものに重点をおくこと。正しさを手放す代わりに、前に進むことを選択するとするのなら、できることとして、やった方がよさそうなこととして、あるいは、やりたいこととして、どんなものがあるでしょうか?

いつもお互いに言い過ぎるところがあるのなら、例えば、相手に言いたいことをあれもこれもとぶつけるのではなく、一旦、お互いに心の中を整理するために時間をおく、というのも良いかもしれません。言葉がいつも足りなくて、何も言わなくてもわかって欲しい気持ちが強くて、身を守るために黙ることが多いのなら、心をオープンにしてコミュニケーションする、というのも良いかもしれません。思いやりのある行動をやったほうがよいとはわかっていても、なかなか気持ちが乗らなくて行動するのにためらいがあるのなら、思い切って表面的な態度だけでもなんとか頑張って作ってやってみる、というのも良いかもしれません。多少ぎこちなくても、取り繕ったような感じがあっても、最初の一歩、少なくとも歩み寄ろうとする態度は伝わります。

 

 

パートナーを敵ではなく、同じチームのメンバーとして見てあげること。自分の身を守ることを優先するのではなく、チームとして前に進んでいくことを選択すること。自分の正しさへのこだわりが強かったり、パートナーからの攻撃を怖れて防衛的になっている状態と、パートナーに与えて一緒に前に進んでいこうというところに意識を集中している状態とを比べると、私自身の体験としては、後者の方が楽です。一番辛いのはこの意識を切り替えようとする直前の、抵抗感を強く感じているときです。

「やりたくないなー、えーオレから?」
「めんどくさいなー。そもそも悪いのあっちじゃねーの?」
「あっちから動いてくれると楽なんだけどー、えー、リーダーシップとるのいっつもオレじゃね?」
なんて感じの言い訳が心の中から出てきますが、そういうときが一番辛いです。

意識を切り替えて前に進むことを選択して、そこにパートナーがついてきてくれると、停滞していた問題解決が動き始めて、ぐぐっと物事を前に進めることができます。そうなるとあとはただやるだけで、そこからは何も辛くないです。

パートナーとのケンカ、とくに、そのために物事や関係性が行き詰まっているときのことを私なりに掘り下げて書いてみました。何かしらお役に立つところがあるのなら、幸いです。

 

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