将来への不安におそわれて何もやる気が起きないとき

投稿日:2018年4月10日      更新日:

ふとしたことがきっかけになって、先のことを考えたときに不安感が出てきて、それが引き金となって、何にもやる気が起きなくなる、ということがあります。不安感が出てきたときに、それがずっと心の中から去ることなく、片隅にずっと引っかかるような感じになったり、ネガティブなことばかり考え込んでしまいがちになることで、そこに自分のエネルギーが持っていかれるような感じ、でしょうか。そこで、何事にもやる気がなくなったり、遊びや趣味をあんまり楽しめない、という感じになることがあります。

人が抱く不安感にはいろんなものがあると思います。例えば、ずっと恋人ができないかも、とか、このパートナーとやっていけるのだろうか、とか、ずっと独身かも、とか、このまま今の仕事を続けられるのだろうか、とか、老後のことや、自分の体の不調な部分のことを考える方もおられるかもしれませんね。

パートナーと別れたときに、次を考える余裕もなくて、そういった不安感が出てくる方もおられるかもしれません。無理がたたって仕事をやめることになった方で、そんなことを考える機会を持たれる方もおられるかもしれませんね。

もし、この気持ちを切り替えれるようになりたいとしたら、どうするのが良いと思えるでしょうか?
楽しめることを見つけたいと思っても、何も楽しめないとしたら、どうしたらいいでしょうか?
ゆっくりと心を休めたいと思っても、不安感ばかり出てきて、心が疲労感ばかりを感じているとしたら、どうするのがいいと思えるでしょうか?

ネガティブなことばかりを考え込んでしまっている心の中を整理するとしたら、ちょっと立ち止まって、一度、この不安感の部分に切り込んで見てもいいかもしれません。

不安があるとして、どんなことに怖れを感じているでしょうか?
どうなってしまうことを怖れているでしょうか?
不安が的中してしまった時の自分を想像したときに、どんな風に感じるでしょうか?
怖れや不安感を感じているときは、それを少し具体的にしてみる、というのも一つの手です。怖れというのは、実際には見えていないものや起こっていないことを自分の中でより大きく感じてしまうことから強まるものですが、実際に目にしてみると、なんだこんなものか、と思えることもあります。怖れをみつめてみたときに、何か気づけることはあるでしょうか?

ネガティブな感情は、あなたに変化のサインを教えてくれるものです。変えたほうが良い思考や、物事の考え方、感情の扱い方、そういったものがあるときに、ネガティブな感情が、あなたには変えたほうが良い部分がありますよ、ということを教えてくれるために表面に出てきます。だから、あなたに求められることは、そういう感情を感じないようにブロックすることではなく、その感情が教えてくれるメッセージを受け取ってあげることです。

もし、あなたが感じる不安感や怖れが、あなたに伝えてくれているサインのようなものがあるとしたら、それは何だと思えるでしょうか?
そこでもし何か気づけることがあるとしたら、それもまた、今の状況を前に進めるための一つのきっかけにできます。

不安があって、何もやる気が起きなくて停滞しているような感じはあるかもしれません。ここで、少し視点を変えて、そこを切り抜け出ることができるとしたら、本当は、どんな風にしていきたいと思えるでしょうか?自分がどうありたいかを想像してみるとしたら、どんなイメージが出てくるでしょうか?
そのイメージを思い浮かべたときに、そこにたどり着きたいと思える意欲の部分を、自分の心の中に感じようとしてみてください。

ただ、そこに至るまでの障害となるものも、頭に思い浮かべることができると思います。私には無理、とか、こういう状況があるから今はできない、とか、何かしらそれがすぐ手に入るとは思えない理由のようなものがあると思います。そうでなければ、あなたはすでにそれを手にしているはずなので、そうでないということは、そこには理由があると思います。その理由が重いものであるほどに、意欲は削がれていきやすくなります。(ここで、より気持ちが燃えるという人も中にはいらっしゃるとは思いますが。)

あなたが今感じている不安は、この意欲と障害の話に少し関連している、ということはないでしょうか?
あるいは、むしろ大いに関連している、という方もいらっしゃるかもしれません。

自分の心の中に2つのパーツがあって、片方はやりたいことの方を向いていて、片方はそれとは逆方向のやりたくないという気持ちや怖れや不安、あるいは、問題点のようなものの方向を向いていて、両方が違う方向に向かって進もうとしていて、心の中に葛藤が生まれて、一歩も前に進めないという状態になることがあります。このとき、行動としては何もしていなかったとしても、心だけは疲れます。なぜなら、2つの方向に向かって、思いっきり力がかかって引っ張りあっているので、何もしていないように見えてもエネルギーが大量に消費されていくからです。

ここで求められることは、この2つに分かれている心のパーツを1つに統合してあげることです。怖れを感じていても不安感があってもそれ自体が悪いわけではなく、怖れがあることで気づけることもあったりするので、むしろメリットと言える部分もあるのですが、その副作用が強すぎて、ネガティブな感情に飲み込まれて何もできなくなってしまっているのだとしたら、そこを調整してあげる必要があります。

簡単なエクササイズがあるので、興味のある人は試してみてください。

───────────────────────────────────────────

①2つに割れたハートをイメージする
エクササイズの内容をさらっと読んでみて、一通りのことができる、誰にも邪魔されない時間を用意してください。

用意が出来たら、まず、落ち着いて深呼吸して、リラックスして下さい。

そして、目を閉じて、意欲のある自分と、ネガティブな気持ちがある自分の両方が、自分の心の中にいる、ということをイメージしてください。

意欲のある自分はどんな表情をしているでしょうか?
ネガティブな気持ちがある自分は、どんな表情をしているでしょうか?
それぞれの自分は、イメージの中で、どんな姿をしているでしょうか?

充分にイメージが出来たと感じたら、右手を右膝の上に、左手を左膝の上において下さい。そして、両手をひっくり返してください。手の甲が下で、手の裏側が上を向いている状態です。

そして、右手の上に、意欲のある自分がいる、というイメージを持ってください。左手の上に、ネガティブな気持ちがある自分がいる、というイメージを持ってください。

両手に、自分の中にいる2つのハートの部分をイメージできたら、次に進みます。

②2つに割れたハートを統合する
右手に、意欲のある自分を、左手に、ネガティブな気持ちがある自分をイメージしたまま、両手を、前の前で合わせてください。

そして、両手を合わせたときに感じる、手の温かみを感じてみてください。

両手を合わせたまま、2つに割れたハートが、1つになっているのをイメージしてください。そして、そのハートが1つになったことで生まれる温かみを感じてみてください。

どんな感覚がするでしょうか?

ネガティブな気持ちがある気持ちのある自分は、慎重になっている自分です。もう傷つかなくて済むように、一生懸命になっている自分です。ネガティブなママでいたいわけではなく、安全を確保することに一生懸命になっている、というハートです。つまり、このハートの目的は、自分自身を大切にしたい、あるいは、自分の中のある一部を大切にしたい、というものです。

意欲のある自分は、自分の中にある、素直に前を向いて好きなことをして人生を歩いていきたいと思っている自分です。自分の中にある問題を乗り越えるために、一生懸命になっている自分です。このハートの目的も、自分自身を大切にしたい、というものです。

2つのハートが1つのハートになっている状態をイメージして下さい。その統合されたハートの目的も、自分自身を大切にしたい、です。統合されたハートから、自分自身への愛があふれ出ていくことをイメージしてください。

次に、ネガティブな想いに押しつぶされそうになっている、あなた自身の姿をイメージしてみてください。そして、そこにあなたの統合されたハートからあふれ出た愛が、シャワーのように降り注ぐところをイメージしてください。

その分断されたハートは、統合されることで、自分自身を大切にする、ということに集中して、力を発揮されるようになります。そのパワーを感じてみてください。

そして、心の中で、こう宣言してください。
「私は、2つのハートを統合し、自分自身を愛することを選択します。」

宣言した時に、どんな感じがするでしょうか?

そのハートが統合された状態が、あなたの本来のハートの状態です。たくさんの出来事があって、分断されかもしれませんが、もう一度、その本来のあなたに戻った感覚を、今、味わってみてください。

これでエクササイズは終了です。

───────────────────────────────────────────

このエクササイズには、信頼する、というテーマがあります。2つにハートが分断された状態が本来の状態ではなく、統合された状態が本来の状態であり、それを思い出して、心の中に自分自身に対する、あるいは、人生を前に進めていこうということに対する信頼感のようなものをハートの中に取り戻していく、というきっかけづくりをするのが、このエクササイズの目的です。信頼の力が発揮されるほどに、自分自身が抱えている問題を乗り越えていくことがやりやすくなります。

エクササイズを実施するなり、他の方法でも良いのですが、自分の中で信頼感のようなものが、自分の心の中にあることが感じられるようになると、その先に自分の人生のビジョンのようなものを垣間見ることもできます。

将来への不安におそわれて何もやる気が起きないとき、というテーマに関して、エクササイズを交えて、私なりに掘り下げて書いて見ました。ここに書いたことで、何かお役に立つことがあれば、幸いです。

 

関連記事

地雷を踏まれてムカついた時

自分の中で地雷のようなものって何かありますでしょうか?そこを突かれると、ぷっちーんときてしまうものだったり、いくら好きな人でもそれをされると許せない気持ちになる、といった感じのものです。恋人や夫婦関係 …

屈辱的な思いを感じたとき

屈辱的な思いを感じた時、相手に対してネガティブな感情を感じるかもしれません。ただ、自分の心理を深く探ると少し違うものの見方もできます。それは、相手がどうであれ、自分が自分に×マークをつけることに同意し …

自己否定を手放す

自己否定が強くて辛い方の場合、自分自身を縛っているその自己否定の裏に、執着心が隠れているというケースが多々あります。その自己否定への執着を手放すことが、自己否定を和らげていくための鍵になってきます。 …

自分だけ仕事量が多いと思える時

仕事もできて頼りにされているからなのか、どう考えても周囲の人たちと比べても仕事量が多いし、何かと追加で仕事を頼まれることが多い、という方はおられるでしょうか? その状況が辛くなければ良いのですが、何か …

空回りしているように感じているときにやった方が良いこと

  思考や感情や感覚に分離があると、やりたいことがうまくいかずに空回りしているような感じになることがあります。そういうときは、少し休息を挟んで心と体をリセットしてあげたり、自分でなんとかしよ …

カテゴリ-心の悩み

執筆者:

おすすめ記事




イライラしてる人との接し方




雑に扱われていると感じたらーその対処法と人の心理




馬鹿にされてる気がするときの心理とその対処方法




人を試すようなことをしてしまう




体が言うことを聞かないときの心理とその対処法




責められてる気がするときの心理とその対処法




好きな人を忘れる方法




屈辱的な思いを感じたとき




一人で頑張ってしまいがちな人




人から評価されたくない




信じていた人に裏切られた時




特別な存在になりたい、という心理の扱い方




人から嫌われてるのが辛いとき




どうせ誰にもわかってもらえないという心理を癒やす方法




昔の嫌なことを思い出す心理とその対処法




地雷を踏まれてムカついた時