恋愛関係が落ち着いてきて、付き合っていても同じことの繰り返し、といった感じになってくると、関係性に退屈さを感じるようになってきます。最初の頃に感じていた感情も薄れてきて、パートナーのことを面白みのない人、というように感じたり、一緒にいるのが当たり前で、空気のように感じたりすることもあるかもしれません。結婚してしばらくしてから、こういった感じになるカップルもいらっしゃるかもしれません。
そんなとき、もしかしたら気になる異性が現れたり、他の異性のことが気になって連絡を入れてみたくなったり、何か下心があるわけでもないのに、その相手と会って食事にでも行きたい気持ちがふっとでてくる、といったケースがあります。
パートナーシップが行き詰まってくると、感情をあまり感じないマンネリのような何か少し退屈な感じになっていきますが、そんなときに心理的に第三者が入ってくる、といったパターンです。退屈さを解決してくれそうな誘惑の方に、心が惹かれてしまいがちになるかもしれませんが、ここで本当に注目した方がいいのは、行き詰まりの原因、の方です。
一言でいうと、行き詰まりが出てくるのは、変化がないためです。より良い変化を招き入れるためには、どちらかが、あるいは、お互いに主体的に動いていくことが求められてきます。特にパートナーシップに問題のようなものがあって、お互いがそこから目を背けている場合、お互い一緒にいる時間にストレスを感じるようになっていき、状況が停滞して変化を作り出すことが難しくなっていきます。
誘惑がやってきたとき、本当に目を向けるべきは、この誘惑をどう扱うか、ではなく、パートナーシップに課題はないかどうか、と、変化を自分から作り出そうとしているかどうか、の部分。
いつもこう言ったらこう返してくる、、、本当はこうして欲しいけれども、相手に求めても仕方がないから諦める、とか。いつもこうすると相手はこうしてくる、、、のは本当はちょっと嫌なのだけれども、しょーがないので諦める、とか。こういった小さな諦めが積み重なって、パートナーシップに行き詰まりが生まれて行きます。パートナーとの関係性も退屈なものになって行きます。
主体的に変化を作っていこうとした場合、例えば自分の言い方や行動を少し変えたり、例えばパートナーと普段一緒にやっていることについて少し変えてみる提案をパートナーにしてみることで、ちょっとした変化を作り出すことができるようになります。特に普段のやり取りの中から、パートナーからネガティブな反応(文句だったり、不機嫌になったり)がよく出るところや、自分がよくストレスを感じているようなところには、変化を作り出すためのヒントが眠っているので、そこに注目すると、より良い変化を受け取りやすいと思います。諦めを積み重ねるのではなく、このほんの少しの変化を積み重ねていくことができると、振り返ってみると前とは違うパートナーシップを体験できるようになれます。
新しい試みをし続けること。何かやってみても効果があるとは限らず、やってみていまいちだと思えるものもあるかもしれませんが、どちらにせよ、無理・犠牲・パートナーへの攻撃、は禁物です。それよりも、むしろ何か楽しみを感じながらした方がよいです。
「これ、やってみたらどうなるんだろう?」みたいなワクワク感もあってもいいかもしれません。
このワクワク感をパートナーシップに求めなくなると、第三者に対しての誘惑への引力が生まれます。パートナーシップに求めるワクワク感が行き詰まりを起こして、他所にエネルギーが流れて、パートナーシップは退屈、外に楽しみはある、という心理構造になるためですが、この、新しい試みをする、という行為は、他所にエネルギーを流すのではなく、パートナーシップにエネルギーを流す、という行為です。
新しい試みをしていくときのトライアンドエラーの中から、自分達にとってより良い変化を作り出すための流れが生まれてきます。やってみてあんまり意味がなかった、なんてのがあってもそれは普通のことで、色々やっていく中で効果があるものを拾っていく、という繰り返しが大切です。相手が何かしてくれるのを待っているだけだと行き詰まりが生まれやすいので、自分からやってみる、ということが大切かもしれません。一旦、良い流れが生まれると、パートナーの方からも自発的に新しい試みや変化が出てきて、相乗効果でパートナーシップで変化が生まれていくようになります。そうするとどんどん楽しくなります。
環境の変化、も新しい試みをするためのヒントになります。状況変化に対応するために、何かしら新しいことをする必要性が出てくることは、一緒にいると色々と出てきますが、それもパートナーシップに変化を作り出していくための流れを生み出すものです。そういったものを上手く活用するのも良いと思います。
ただ、パートナーシップに慢性的な問題がある場合、変化を作り出そうとするときに、怖れや強い抵抗感を感じやすいものかもしれません。慢性的な問題の例をいくつか挙げるなら、セックスレスの問題、相手方の家族との関係性の問題、経済的な生活力の問題など、でしょうか。他にも様々なケースはあるとは思いますが、慢性的な問題がパートナーシップにある場合、相手に変わることが全く期待できなかったり、自分にも譲れないところがあって、変化を作り出すのも非常に難しいような感じになり、パートナーシップが死んだような感じになってくることもあるかもしれません。
ここで相手に変わってもらうことを待ちすぎたり、
「私にできることは全てやっている、私は悪くない」
といった自己防衛に走りすぎると、行き詰まったままになります。答えは自分の中にあり、自分にできることがあるとしたら、と考えた場合、わりと「それだけはやりたくない」というものが答えになることが多いです。このとき、次のステップに進む怖れを乗り越えていくことが大切になってきます。
諦めるか、前に進むかという葛藤の中で、第三の選択肢として誘惑が出てきたときに、そっちに流れたくなるのが人の心理というものかもしれません。ただ、実のところそれは回り道にすぎないのだとしたら、あんまりお勧めできる選択肢ではないかもしれません。
恋愛関係が落ち着いてきてマンネリが生まれてきたときの話を書きました。恋愛初期は付き合うこと自体が変化そのものであり、その後は、関係性が進んで心理的な距離が近づいていくプロセス自体が変化といえるものですが、そういったことが一通り済んだら、次は自分達が変化を作り出してそれを楽しむ、ということが鍵になってきます。どういう変化が良いのかというのはそのカップルごとに違うので、これさえやっとけば良い、みたいなパターンは特にないです。むしろそれをカップルで一緒に探すことを楽しむもの。ここに書いたことで、何かしら役立つことがあれば、幸いです。
あと、ここに書いたことに関連のあることとして、そもそも、パートナーのことが好きなどうかわからなくなった、ということもあるかもしれません。その場合、以下の記事を参考にしてもらうのがいいかもしれません。
自分が変化を作り出すのはいいとして、パートナーにもここだけは変えて欲しいところがある、ということもあるかもしれません。その場合、以下の記事を参考にしてもらうのがいいかもしれません。