パートナーのことが好きすぎて、自分でもおかしくなったように感じられるようなことはあるでしょうか?
ちょっとのことで嫉妬してしまったり、不安を感じてしまったり、寂しくて会いたくてたまらなくなったり、など、ネガティブな気持ちが抑えられなくなってしまうような感じ、です。普段の自分であればそこまで気持ちが揺れることがないとしても、すごく好きになってしまった今となってはパートナーのことが頭から離れなくなって、ある意味ではすごく依存的になってしまうような状態です。
こんなときによくありそうなことをいくつか例にあげてみます。
・ちょっとしたことで、嫌われたかもしれない、とか、冷められたかもしれない、とか思ってしまう。
・自分と一緒にいるけれども、パートナーが我慢して一緒にいてくれているのかな、とか、本当は一緒にいるのが嫌なんじゃないかな、とか思ってしまうことがある。
・自分が面倒くさい人になっているように感じる。
・パートナーが素敵すぎて、自分にはもったいない人、のように思えてきてしまう。
・ネガティブな態度をパートナーにとってしまい、あとでそのことですごく自己嫌悪する。
・自分が追いかける側になってしまっているように感じる。
・今は愛してくれたり優しくしてくれるパートナーも、いつかは自分に愛想をつかすような気がする。
・つきあってくるにつれて、連絡する頻度が少なくなって来たり、手短になってきているのがすごく気になってしまう。
依存的な部分があるために、自分自身もつらさを感じならがも、ネガティブ思考が止められないような感じかもしれません。自分でもイケてないと思うあまり、誰か私に喝をいれてくれないだろうか、なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
パートナーのことが好きすぎてネガティブになってしまう、ということは、少なくとも下に書いたような感じではないと思います。
・パートナーのことが好きすぎる → 会っているとき楽しい → 次会うときのことを考えると会っていないときも楽しい → 毎日がハッピー
上に書いたような人もいらっしゃいますが、好きすぎてネガティブになってしまう方は、むしろこんな感じかと思います。
・パートナーのことが好きすぎる → 会っていないときにネガティブなことを考える → 会っているときにもネガティブなことを考える → つらい
なぜこの違いが生まれてくるのでしょうか?
今回はそこに少し切り込んでみます。
恋愛は感情でするものなので、自分がどういう感情をどんな時に感じやすいのか、といった、心の中にある感情を感じるパターンのようなものが、恋愛の様々なシーンのなかで登場してきます。誰かのことを大好きになった時に、その人と恋愛関係になった時に、大好きな人と心理的な距離が縮まってきた時に、自分の心の中にどんなパターンが登場してきているか、考えたことはあるでしょうか?
この感情の感じ方のようなものは、幼い頃から大人になった今までの様々な体験の中で形作られていきます。幼い頃でいくと、大好きだと思う人でよくあるのは、お母さんやお父さん、かもしれません。お母さんに抱っこされて安心感を感じたり、お父さんと一緒に遊んですごく楽しかったり、そういった親密感を感じる体験もあれば、叱られたり、理不尽だと感じるようなことをされたり、何か心が傷ついたような体験をすることもあるかもしれません。成長していくに従って、心理的な距離で近い人というのでいくとご両親以外に、友人関係やパートナーとの関係でも、親密感を感じる体験や、あるいは、傷つくような体験や、様々な体験をしていくことになります。そこで私たちは、親密感への怖れ、を覚えていきます。
親密感はとても心地よい感覚です。ただ、大好きな人と一緒にいられるからといって、いつもそういう訳ではない、ということを学んでいくに従って、私たちは、こんなことも思うようになります。
「裏切られるかもしれない。」
「傷つけられるかもしれない。」
「否定されるかもしれない。」
「嫌われるかもしれない。」
あなたが、パートナーを好きになればなるほど、過去に体験した同じくらいの心理的な距離感で感じた心の痛みが、表面に出て来ます。そこであなたは過去の感情を思い起こし、そこからネガティブな感情を感じることもあるかもしれません。
まるで、心の中にある痛みを癒すことが目的であるかのように、あなたにその心の痛みにもう一度向き合うことを求めるかのように感情があふれ出てきたとき、私たちはそこから逃げ出したいと思うことも、ときにあるものかもしれません。
ネガティブなことを考えてしまう自分にダメ出しをするのではなく、今のありのままの自分にOKを出してあげてください。そのままのあなたのまま、パートナーからの愛情を受け取ってください。「こんな私でいいのかな?」って思うかもしれません。もちろん、そのままのあなたでOKです。大切なのは、愛情を受け取る、という部分です。ネガティブな感情を感じるのであれば、もしかしたら過去のあなたはその心理的な距離では愛情を十分には受け取れなかったのかもしれません。だから、今のパートナーがあなたに愛情を送ろうとしていても、それが信じられなくて、構えてしまったり疑ってしまうのかもしれません。だとしたらあなたの課題は、パートナーの愛情を受け取ることです。自分のダメな部分をみて自分自身にダメ出しをするのではなく、パートナーから愛されている部分をあなた自身が認めてあげてください。
パートナーを愛してあげてください。あなたなりのやり方で。こんな自分に愛されても嬉しくないかもしれないなんて思わないで、ただ、パートナーを愛そうとしてみてください。もしかしたら過去のあなたは、愛を送ろうとしても、受け取ってもらえなかったのかもしれません。もしかしたら過去のあなたは、愛情を送りたいと思っても、どうやったらいいのかわからなかったのかもしれません。その心理的に近い距離の中で、人を愛するということに難しさや抵抗感を感じていたのかもしれません。だとしたらあなたの課題は、パートナーを愛することです。パートナーのことをよくみてあげてください。パートナーの価値をみて、あなたが気づいたその価値をパートナーに伝えてあげてください。パートナーに寄り添って理解を送ってあげてください。パートナーが心の痛みや弱さを見せてくれるときがあれば、包み込んであげてください。パートナーのことをよくみて、どうしてあげたら喜ぶのか、どうしてあげたら嬉しいのか考えてみて、やってあげたいことがでてきたのなら、そのやり方で、パートナーに愛情を送ってみてください。愛を送ろうとしても、受け取ってもらえないこともあるかもしれません。反応が鈍いこともあるかもしれません。ただ、それでも、パートナーへの愛情を惜しまないであげてください。だって、パートナーを愛そうとしたあなたの気持ちは何よりも尊いもので、その積み重ねがあなたの心の中にある親密感への怖れをとかしてくからです。
パートナーに愛情を送る、ということと、愛情を受け取る、ということを通して、親密感への怖れをとかしていくこと。好きすぎてネガティブな感情を感じやすくなっているときには、その気持ちを押さえ込んだり、逃げたくなることもあるかもしれませんが、その痛みを乗り越えて、パートナーとの親密感を受け取ることに挑戦してみてください。なぜなら、その痛みは過去に癒されていない痛みが、今癒されるために出て来ているものだからです。