と疑問に思ってしまうようなことがあります。
男性は割と心や感情で動くよりも、理屈でものを考えて動くことを優先する傾向はありますが、それが極端な人の場合、女性から見て、彼が何を感じているのか全くわからず、コンピュータかロボットを相手にしているような感覚になることがあります。このタイプの男性には、仕事ができて温厚で大人で落ち着いて見える、というような方もおられますし、そこが魅力的に見える、ということもあるかもしれません。ところが、付き合ってみると、もうちょっと心とか感情とか気持ちの部分で、いまいち繋がりを感じにくいところから、彼女からすると不満が出てくる、ということもまた多いかもしれません。
本当に私のことが好きなの?
私はいてもいなくてもいいんじゃないの?
女性側からすると、彼の反応のなさに不満を感じたり、不安になるということがあります。彼が何を感じているのかわからないから、どう接していけばいいのかわからない、といった困惑した状態のようなものが心に生まれることもあるかもしれません。
彼がこちらに対して関心がないかのように思える時、自分のことが無価値のように思えることもあります。自分のことなんて、彼にとってはどうでも良いのだろうか、と思えるほどに、自分の女性らしさの部分や、彼と自分との間の絆のことも、彼から、どうでもいいよ、言われているかのような、彼から自分の価値を低く扱われているような気分になることもあるかもしれません。
彼はなぜ私のことを選んでくれているんだろう、、、?
彼はなぜ私と一緒にいてくれるんだろう、、、?
彼のハートの柔らかい部分に、その答えはありますが、彼にそれをわかりやすい形で表現させるのは、なかなか難しいかもしれません。
僕たちは小さな頃からたくさんの経験をしていく中で、怖れから身を守る術を身につけていきます。怖れが強いところを心の中で封印するような感じになることもあります。心に痛みがある度合いだけ、その怖れから身を守りたい度合いだけ、その封印は強固になりやすかもしれません。結果的に周囲から見ると、封印されている心の中にある痛みや怖れの部分は、見えにくくなります。
幼い頃から感情を封印したままにしていると、あんまり感情に振り回されることもなく、常に温厚で冷静そうに見える感じにはなります。ただそれは、自分の心の中の弱い部分を封印しているだけになり、感情面でのその部分の成長がないまま大人になるような感じになります。ある意味では、その部分に関しては、彼は幼く未成熟なところがある、という風にいっても良いかもしれません。職場や距離のある関係性の中では、ぱっと見は大人な対応をしているように見えます。ただ、恋愛などすごく近い距離感での関係性の中では、彼が最初見た頃のような大人の対応とは違って、ちょっと心が無いような態度なんかも見せてくるので、ん?、という感じに相手からするとなります。私のことが好きなら、もうちょっと色々あるでしょ、なんていうのは彼にはあんまり通用しません。
あなたとは違う生き方をしてきた彼にとって、その自分のハートの柔らかい部分を、感情を伴った形で表に出すということは、慣れていないことでもあり、リスクの高いことになります。ひょっとすると、そういうことをするのに価値があるとすら考えていないかもしれません。感情を出すのも、せいぜい、たまにすごく怒る、という程度かもしれません。
あなたにとって、感情や気持ちというのにはとても大切な価値があると思っていたとしても、表に出してこそ価値があるその部分の扱い方を、彼はほとんど知らない、としたら、ここに関して、あなたと彼との間にすれ違いが生まれてきてしまいます。
彼がもっと感情面でも成熟して、あなたが彼を愛するように、彼もあなたを愛するべきだと考えるのなら、そこで、関係性が行き詰まっていきます。そこに到達するまでに、彼にとっては乗り越えなければならない壁がたくさんあり、それを幼い頃から今までほったらかしにしてきたために、今の彼があります。あなたと同じように人を愛し、愛情表現をする、というのは彼にとっては非常に難易度が高いです。
壁を乗り越えられない彼を責めるのではなく、そのままの彼を愛してあげるという気持ちが、彼と一緒にやっていくためには求められてきます。普段大人に見える彼の内側にいる幼さの部分が、あなたへの愛情表現を邪魔しています。人を愛するということや、好きな人に関心を持つということは、当たり前といえば、当たり前のことかもしれません。ただ、心の中に幼さを抱えていると、それが分かりにくかったり、強い関心をあまり示せなかったりすることがあります。
自分だったら当たり前だと思っていることを、彼にそのまま当てはめると、誤解が生まれます。この人は、私のことをどうでもいいと思っているから、こんなそっけない態度を取るんだ、とか思いやすくなります。この人は私のことについて、何も感じていなくて、興味もなくて、空気のように思っているんだ、と解釈しやすくなります。彼の口から、そんなことはない、と言われても、信じにくくなります。
彼のことは好きでしょうか?
かっこいいな、と思えるような部分はあるでしょうか?
かわいいな、と思えるような部分はあるでしょうか?
彼が感情を抑えているように見えたからといって、あなたがそこに同調してしまう必要はどこにもないです。その代わり、彼が心の中で封印しているその封印の下にある柔らかいハートの部分を見ようとしてみてください。それが、彼のその未成熟な部分に寄り添うことに繋がっていきます。
彼に対して、私に分かりやすく関心を持って欲しいとか、愛情を表現して欲しいとか、私だったら当たり前のように愛する人に対して行う態度や行動を期待したくなるかもしれません。ただ、その期待があるほどに、彼の心の奥にある、幼いながらも、あなたと一緒にいることを選んでいる、彼のハートが見えなくなります。
期待を手放してあげてください。あなたが期待しているようなことが普通にできるほどには成熟できていないまま、彼は大人になっています。その代わりに、彼の幼さを理解しようとして見てください。
彼はどんなことが得意でしょうか?
どんなことが苦手でしょうか?
どんなことが上手にできないでしょうか?
できないなりに、小さなことでも良いので、彼なりにしていることがあるとしたら、それはどんなことでしょうか?
そんなことされてもちっとも嬉しくないと、彼の幼さを心の中で蹴り飛ばす前に、彼なりには今はこれが精一杯なのかな、と、そこに理解を送ろうとしてみてください。期待を手放して、その代わりに理解を選択するところで、あなたに成熟さが求められてくる部分も出てくると思います。ただ、彼と付き合っていくためには、自分自身がそこで成長していくという要素が大切になってきます。
自分に無関心のように思えるパートナーとの付き合い方、というテーマで記事を書きました。感情をなかなか表現してくれない相手と、一緒にいる中で出てくる苦労もあるかと思いつつも、そこでポイントになってくる、彼の内面にある感情面の未成熟なところを特に掘り下げて見ました。何か役立てていただけるところがあるなら、幸いです。