承認欲求が強いと、他人の評価や認められることを気にするあまりに、精神的に不安定になりやすく、ストレスを溜めやすくなることがあります。他人からどう思われるか、というのは、完全にはコントロールできないものかもしれません。ただ、承認欲求を満たしたいために何かを頑張るということをすると、頑張りに応じた結果に結び付かなかったときに、空回りしているような感じになりやすいです。
こんな傾向のあるかたもおられるかもしれません。
・自分で自分のことを認める、ということがとても難しい。
・自分より上だと思うような人に対して嫉妬や劣等感などのネガティブな感情を感じやすい。
・他人から認められているかどうかが気になりすぎて、ときに強い不安感を感じることがある。
・人から認められたいのに、どれだけ認められても心が満たされない。誰かに褒められてもそのことを心から受け取れない。
やりたいことをやっているというより、人から認めてもらいたいからやりたくないことでも無理でも頑張る、という感じが強いと、その行為そのものを楽しめたり、充実感を感じたり、ありのままに肩の力を抜いて楽に生きる、という感じから離れていきます。
承認欲求に心が縛られている辛さから、抜け出せるのならば抜け出したい、という想いを持たれる方もおられるかもしれませんね。そんな承認欲求に強く縛られているように感じるときのことを、今回は書いていきます。
自分で自分のことを認めようとしても、結局、人から認めてもらえない限りは何の意味もない、と感じるかもしれません。人から認めてもらえてから、ようやく自分の価値を示せる、と思えるかもしれません。心の中に「この人に認められたい」というのが強くあるあまりに、そこが満たされない限り、他のどれだけの人から賞賛されたとしても、自分の価値を感じられない、という方もおられるかもしれません。
「これができたらOK」のような基準があって、
それが立場のある人から認められない限り、何らかのポジションが得られなかったり、価値があるとは認められない、といったことは世に溢れているかもしれません。
ただ、人としての価値ってどこで決まるものなのか、って考えると、人によってはいろんなことを言われるでしょうし、様々な考え方や価値観があるとは思いますが、絶対的な基準というものがあるのかと言われると、結構あやふやなものかもしれません。
人から認められなかった、という出来事で心を痛めることがあったとしても、ちょっと引いた目で自分を客観視してみると、その出来事は人生のほんの1パーツにしかすぎず、それが自分自身の価値や、人生の意味を全否定するものではない、ということに気づけるかもしれません。ただ、心とは不思議なもので、その心を痛めるような出来事に強く執着してしまうと、自分で自分のことを全否定したい気分に一瞬でなれてしまいます。
人から認めてもらいたい、というのは「今日のお昼ご飯にはカレーを食べたいなあ」というくらいに、特別な理由がなくとも、ふと思ったり感じたりするものだと思います。人から認めてもらいたいという気持ちは、何か特別なことがなくても普通に感じるもの。ただ、そこから「認めてもらわないといけない」といった、強く執着しているような感じになるのであれば、そこには理由があると思います。
人から認められる、というのは大切なことかもしれません。それが欲しいときにもらえなかったとき、私たちはそのことに強く縛られやすくなります。そこに執着が生まれると、まるでその「認められなかった」という出来事が自分にとっての全てであるかのように思え、認めてもらえない自分には価値がない、と感じやすくなります。
承認欲求を作っているもの。そこにはあなたなりの思考があります。人から認められなければならない、とか、自分の価値を示すためにはXXXじゃないといけない、と思うようになった理由があるとしたら、それはどんなものでしょうか?
生まれたばかりの赤ちゃんが「この世に生まれたからには多くの人に認められるような立派な人間になるんでちゅ!」というのは、たぶんないと思います。生まれた時から強い承認欲求を持っていたのではなく、本当はただ、愛されたかっただけなんじゃないかな、なんて思います。
承認欲求を形作っている執着が心の中にあるとしたら、それはどんなものでしょうか?
ちょっと自分の心の中を探ってみて、もし、執着があることに気づけるのなら、それは、執着を手放して承認欲求に縛られないようになっていくためのチャンス、といえるかもしれません。
過去に書いた記事ですが、執着を手放すためのエクササイズがありますので、もしよろしければ試してみてください。
承認欲求を満たすことにエネルギーを注ぐよりも、好きなことや楽しいことにエネルギーを注げるように、時間や労力やお金など、有限な自分のリソースの使い道を変えてみてください。好きなことや楽しいことをして、自分自身を喜ばせてあげられるものを積極的に取り入れた方が、自己肯定感を高めやすくなります。承認欲求を満たすのではなく、自己肯定感を高めることを目指すこと。その方が、ありのままの自分で、肩の力を抜いて楽に生きるということができるようになれます。