成長するときには、自分を変える、という部分が求められてきますが、安心感や慣れの部分を手放すことも同時に求められてきます。現状維持であれば、何が起こるか予想がつきやすく、慣れもあるので、どこか楽なところがありますが、その部分を手放そうとするときに怖れのようなものを感じることがあります。
ここで感じる怖れが非常に強い場合、いざ自分を変えようというときに思わぬ抵抗感が出てきて、一歩も前に進めなくなることもあります。
人によっては、本当は恐れを感じているのに、意識的にはその怖れを自覚できていないようなケースもあります。変わりたいのに変われない、とか、なかなか行動にできない、というときに、その理由をじっくりとみていくと、どこか言い訳っぽい感じがあって、そこをさらに掘り下げていくと、つまるところ、変わるのが怖い、というところに行き着くこともあったりします。
怖れがあると、変化に対しての抵抗感が出てくるため、例えば、やりたいと思っているはずなのに、意欲がイマイチ湧いてこなかったり、やらなきゃいけないと思っているのに、結局いつも通りになってしまったり、といった感じになりやすいです。
このとき、自分の中にある怖れを否定したくなるかもしれません。怖れを封印したくなったり、あるいは、変化に対して抵抗もない、ということにしたくなることもあるかもしれません。怖れや抵抗感を否定して、変化ができるのならそれでも良いのですが、何かそれがただの強がりのようなものにしかなっていなくて、全然うまくいかないような場合には、否定するよりも、あえて認めて受け入れてあげた方が、それらの感情と付き合いやすくなります。
怖いものは怖いかもしれませんし、抵抗があるがためにどうしてもやりたくないと思ってしまうかもしれません。その怖れや抵抗感を認めた上で、今自分が習慣的にしている行動や思考の中に、その怖れを作り出したり、抵抗感を作り出しているものがないかを探ってみるとしたら、どんなことに気づけるでしょうか?
おすすめなのは、自分が怒りを感じていることや、心の中で誰かを責めているような部分に注目してみることです。
怒りを感じているとき、私たちは自分自身に問題があるのではなく、他の人に問題がある、と感じやすいです。あるいはその反対に、私が悪いのかも、なんて心の中で反省会をするときのネタにするような方もおられるかもしれませんが、ここで少し見方を変えて、怒りを感じていることや、心の中で誰かを責めたくなるような気持ちになっているのが、自分の成長のための何かのメッセージのようなものなんじゃないか、という受け取り方をしてみると、、、、、ちょっと違う気づきを受け取ることができるようになります。
自分が怒りを感じていたり、心の中で誰かを責めている部分があったときに、それがまわりまわって、自分の成長を阻むような、あるいは、前に進もうとするときの足かせのようなものになっていないか?、という風に考えてみる、というやり方です。
例えば、誰かからわがままなことを言われたとして、そのことに不快感を感じて、その誰かを心の中で責めたとします。
そこでもし、「自分自身の中にも、わがままな部分はないだろうか?」って、自分自身の中にある、わがままな部分や、わがままな思考を探してみると、、、そこには、自分の成長をブロックしている思考、があったりします。これが自分を変えようというときに抵抗感を作り出す部分だったりします。
誰かを責める、というときには、実は自分自身のダメな部分を相手に投影して、それを責める、ということが心の中で起こっていることがあります。そのとき、何かしら自分にとっても、それが課題だ、ということを心の中で感じていたりします。
なんとなくわかっているだけに、他の人からそこを突かれると腹が立ったり、ドキっとしたりしますし、自分でもそこと向かい合おうとすると、ちょっと逃げたくなる気持ちになったりすることもあるのですが、だからこそ、その中に自分を成長させるヒント、というのが眠っていたりします。
自分を変えることに対する怖れがあるときに、誰かを責めるという体験があったとしたら、ある意味では、それはチャンスといえるかもしれません。
最近、どんなことで人を責めたでしょうか?
イライラや怒りを感じたようなことで、ちょっと心にひっかかるような出来事は何かないでしょうか?
どんなことでも良いのですが、もし、何かしら思い当たるところがあるのなら、ちょっと見方をかえて、相手を責めていることの中に、自分にも当てはまるところがあるとしたら、それがどんな部分なのか、というのをちょっと探ってみてください。最初は「自分はあの人とは違う!」と否定したい気持ちが湧いてくるかもしれませんが、じっくりを自分の本音と向き合って見たら、自分にも当てはまるところはあって、実はそこは自分の中でも人から突かれるとちょっと弱いところ、ということもあります。そしてそこには、自分を変えるためのヒントが眠っているかもしれません。
ここに書いたことで、何かしらお役に立つところがあるのなら、幸いです。