パートナーが自分を正当化しようとしてくる時の話

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パートナーが自分を正当化しようとしてくる時、言っている内容は自己防衛なので、そこを掘り下げてもあまり得られるものはないです。大切なのは「私どうしたいだろう」という気持ちにフォーカスして、パートナーとコミュニケーションすること。

正当化の話を聞いていると、今ひとつ納得いかないようなことも言ってくると思いますので、腹が立つこともあるかもしれません。パートナーが自分を正当化しようとしてくるとき、どこか表面的には偉そうに見えるかもしれませんが、その実情は、正しいことを言っているというよりも、実は相手も感情的に判断した後、そこに後づけで理屈をつけているだけ、というパターンもあります。

正当化の背景には心理的な自己防衛があります。正当化の目的は正しいことを言うということではなく、自分を守るということなので、そのあらを探すということをすると、パートナーの心理的な防衛を崩しに行くことになり、そうすると心情的には相手は余計にガードを固くしたくなります。もし、そこであなたが相手を追い詰めるようなことになった場合、パートナーは余計に意固地になったり、破壊的な行動が引き出されやすくなったりします。

 

正当化の後、こちらに犠牲が強いられるような展開になるというパターンもあるかもしれません。「パートナーは悪くない・悪いのはあなた」という感じの話がパートナーから出てきて、あなたが悪いのだから「XXX」するのは当たり前(「XXX」はあなたにとって都合が悪く、パートナーにとって都合がよい内容)、という話の流れになり、犠牲をさせられる、という、心情的にはとても辛いパターンです。

パートナーとの関係性によっては、こういった犠牲させられるのが当たり前になってしまうこともあります。いくら親しい相手であっても、望まないことを強いられたら断る、ということはとても大切なこと。このときに大切なポイントの1つは、あなたが犠牲を断ったときのパートナーの反応です。パートナーが自分の都合だけを優先してあなたのことをコントロールしようとしてくるのか、あるいは、あなたに歩みよろうとしてくるのか、という部分。こういった自己犠牲を断る話になったときに、パートナーの心情の本質が垣間見えることもあると思いますし、お互いにとって無理しなくていい状態を受け取るためのコミュニケーションに発展するケースもあるかもしれません。

ただ、パートナーが自分の都合だけを優先する人だった場合、もしかしたら、そのパートナーはあなたが犠牲をしないと関係性を維持できない人、かもしれません。その場合、あなたが取れる選択肢としては、我慢してそのままのパートナーを受け入れるか、あるいは、そのパートナーから離れることも視野にいれるか、という感じにはなりがちかもしれません。

 

正当化の裏側には、自分の弱い部分を守りたいという心理があります。罪悪感を感じていたり、自分の価値のなさを感じていたりするときに、そこを他人から責められないように自己防衛するためにとられる手段が、正当化、です。これは人であれば誰でもする行為であり、これだけで問題行動といえるものでもないのですが、この正当化が、パートナーシップを深めていく上での課題になってくることがあります。

パートナーシップというのは、お互いに成長していくことができる関係性。価値観やものの感じ方に違いはありますし、精神的な成熟度にも多少なりとも違いがある、という人同士が理解し合って、お互いにとって居心地の良い関係性を育てていく、ということがとても大切になってくるものです。この絆を育てていくためには、コミュニケーションを重ねるということが求められてきます。

ただ、ここで問題になってくるのは、パートナーがあなたにストレスがかかるような行為をしているのに対して、あなたが指摘をしたときに、パートナーが自己防衛のために正当化をして、そこで話が進まずにお互いにもやもやした状態のままになり、パートナーシップを育てていくプロセスも停滞してしまう、というパターンです。コミュニケーションすることで、お互いに前に進むことができたらいいのですが、正当化されたときにお互いが細かいところにひっかかって話が前に進まなくなると、この罠にはまりやすくなります。

 

パートナーに正当化されたときに、あなたがパートナーの間違いを指摘することもあるかもしれません。ただ、指摘するときに注意した方がいいのは、そこから正しさの争いになる可能性があるという部分です。パートナーが指摘された内容を素直に受け止めるなら、何も問題はないです。ただ、相手が指摘内容を受け入れなかった場合、相手は心理的なガードを固めてきている状態ですので、あなたが言っていることが正しいのか、パートナーが言っていることが正しいのか、という正しさの争いに発展することになります。正しさの争いに勝とうとすると、心理的には、どんな細かいところでもいいので相手の間違いを指摘したくなりますので、細かい末端の話に振り回されやすくなります。

パートナーシップでは、自分の課題が出てきます。どちらが正しいのか、とか、どちらが悪いのか、という話は一旦脇に置いといて、パートナーとぶつかるときというのは、何かしら自分自身にも成長が求められている部分が表面化します。例えば、パートナーが自分を正当化しようとしてくるとき、パートナーがあなたの問題点を指摘してくることもありますが、そこを掘り下げてみると、あなた自身の課題が見えてくることもあります。全てがこれに当てはまるわけではないのですが、パートナーの問題となっている発言や行動のきっかけをよく見てみると、あなた自身の言動がパートナーから良くない行動を引き出してしまっている、という何とも言えない気持ちになるようなこともあります。

 

一番大切なのは、どちらが正しいのか、とか、何が正しいのか、ということではなく、「私どうしたいだろう?」という部分です。パートナーが自分を正当化しようとしてくるとき、パートナーの言っている内容の細かいところが気になったり、攻撃的な態度が鼻についたり、指摘したくなるようなネガティブな部分に意識が取られると、「私どうしたいだろう?」ということを見失ったりします。

パートナーに対して、寄り添ってもらいたいことがあったり、助けてもらいたいことがあったりしたとき、本当にやりたいことは、コミュニケーション、かもしれません。正しさの争いになりそうなとき、本当にやりたいことは、パートナーと理解し合うこと、かもしれません。

正当化しようとしてくるパートナーに対して、「今、パートナーは自分防衛したい気持ちになっているんだな」ということがわかれば、どんなロジックで自分を正当化しようとしているのかは、もしかしたらあまり重要ではないかもしれません。大切なのは、自分防衛に気を取られて心理的なガードを固めようとしているパートナーに対して、自分はどうしたいのか、ということ。

 

もし、パートナーとつながりたいのなら、自分の望むとおりに相手をコントロールしたくなる気持ちを手放すこと。パートナーとコミュニケーションを重ねて、理解できることを理解し、受け入れられるところを受け入れ、つながれるところでつながること。自分がパートナーに指摘するというより、パートナーの言っていることにも耳を傾けたほうが良いことや、自分自身に課題があって改善できそうなことをやる、といったことも、パートナーとつながることにプラスに働きます。

ただ、何をするにも中心軸となるのは「何が正しいのか」とか「どうあるべきか」ではなく、「私どうしたいだろう?」の部分です。パートナーが自分を正当化しようとしてくる時、正しいこととか間違っていることに目がいきがちになってしまうのですが、大切なのは「私どうしたいだろう?」です。

「私どうしたいだろう?」を軸にして、パートナーと向き合うこと。

例えば、とてもシンプルに「パートナーを愛したい」が直感的に答えとしてでてくるのであれば、パートナーを愛そうとしてみてください。一通り正当化の話を聞いた後、じゃあ、どうやってパートナーを愛そうか、って考えてみてください。そうすると、ただ単にパートナーの正当化の話が、正しいのか、間違っているのか、という視点だけではなく、
「このパートナーを愛そうとするのなら、どうするのがいいんだろう?」
という視点でもパートナーを見ることになりますので、あなた自身の発言も態度も変わってくることになり、受け取る結果も変わってきます。

 

ここで気をつけておいたほうが良いことが一つあります。もし、あなた自身がパートナーに対して接するときに、どこか自己犠牲的な部分があるのなら、ときに、はっきり言ったほうがいいことは言う事。自己犠牲をしすぎると、それはパートナーを甘やかすような感じになります。パートナーに愛情を与えるときの行為として望ましいのは、パートナーを満たすための行為を通して、自分自身も満たされるというもの。相手は満たされるけれども自分は苦しい、というのが当たり前になってしまった場合、そのパートナーシップはお互いに与え合うものではなく、奪う人と奪われる人との関係になり、最終的には奪われる側の負担が重くなって行き詰まっていきます。自己犠牲的な行為が求められたとしても、自分が望まないものであるのなら、勇気を持って断るということも大切です。

最後に、自分を正当化しようとしてくるパートナーに対して、どうしても変えてもらいたい部分があることもあると思います。もし、そういった場合には以下の記事を参考にしてもらうのもよいかもしれません。

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