善意を受け取りたくないんだけど断りきれない時

投稿日:2019年5月28日      更新日:

 

相手が善意からしてくれることで、気持ちは嬉しいけれども、その行為自体はいらない、と感じるようなことはあるでしょうか?
こちらを喜ばせようとしてやってくれていることでも、受け取るのに困るシチュエーションというのは、往々にしてあるものかもしれない、なんて思っています。

例をあげるとこんな感じです。

・いらないと言ったのに、こちらを喜ばせようという意図で食べ物を買ってこられる。たとえ断っても買ってこられる。
・サプライズで何かされるのは苦手なのに、パートナーはサプライズで何かするのが好き。苦手な理由を伝えても、忘れた頃にサプライズがやってくる。
・ものを増やしたくない。何か買うとしても極力厳選している。そんなところにプレゼントで何かをもらっても、厳選枠から見事に漏れる。そして処理に困る。
・体のことがあって甘いものを控えている。ちょっと我慢もしている。個人的な事情や理由はあまり他人に説明したくない、というときに、甘いものを「おひとつどうぞ」と言われる。

遠慮があったり、なんとなく気が引けてしまって、相手の善意を受け取れない、というケースではないです。心理的なブロックがあって相手の善意を受け取ることができない、、、、というケースの話題も確かにあり、それはそれで深い話だと思います。ただ、今回扱うケースはそれとはちょっと違う話です。

相手が善意でしてくれているのはわかるし、それ気持ちは本当に嬉しいけど、ただ「それ」は要らないんだよ、、、、というときに、断りたいんだけど断りにくかったり、なんとか頑張って断るんだけどその断る行為自体が辛かったり、頑張ってお断りをしているのに相手に聞く耳がなかったり、といったケースのお話です。一度ならともかく、同じようなことが繰り返しあるような感じだと、その対処に困るようなこともあるかもしれません。

善意自体は嬉しいので人情的には受け取りたいけれども、個人的な事情としては断りたいとなると、断るのは申し訳ないという罪悪感と、もらっても困るのでなんとか受け取らないですむようにしたいという気持ちの間で、板挟みになるような感じが生まれてくるかもしれません。心の中に葛藤があると、行動としては何もしていなくても、そこで精神的に疲れてしまったり、苦しくなってしまうこともあります。

心理的には、断ることに罪悪感を感じるとき、私たちはその「断る」という行為を正当化したくなります。罪悪感を感じないですむようにしたいからです。言葉にするとこんな感じかもしれません。
「こういう理由があるから、断ることは正しいことだ。」
罪悪感が強くて正当化したい気持ちが強くなると、善意を送ってくる相手のことを責めたくなる気持ちすら湧いてくることがあります。言葉にするとこんな感じかもしれません。
「善意の押し付けはやめてほしい。」

断るというのも、なんだか相手に悪いなあ、という気持ちを抱くことから、その罪悪感を回避するために自己犠牲を選びたくなることもあるかもしれません。相手の気持ちを受け取ってあげたいからそうする、というよりも、断ることで相手をネガティブな気持ちにさせたり、雰囲気が悪くなるくらいなら、自分一人が犠牲になった方がまし、という感じの選択です。自己犠牲を選びがちな人というのは、無理をしすぎてしまうがために、よからぬ人間関係をおびき寄せてしまっていたり、よくない環境を甘んじて受け入れてすぎているがために、本当はもっと楽しても構わないような状況で、無駄に苦労を背負い込んでしまうようなことが往々にしてあります。本当はやりたくないことなのであれば、自己犠牲はできる限り手放した方が良いです。

何が正しいのか、とか、どうするべきなのか、といったことは別話題としておいとくとして、、、、
「自分としてはどうしたいのか」を自問自答するとどうなりますでしょうか?
あなた自身の本音の部分はどこにあるでしょうか?
それが一番大切な部分です。

状況によっては別の選択肢もあるかもしれませんが、大枠としては以下の2択です。
・本音としては、自分の事情を優先したい。断り方や持っていき方は考えないといけないかもしれないが、断れるなら断りたい。
・相手の気持ちを受け取ることを優先したい。もらったものの処理に困ることもあるかもしれないが、ひとまずは相手の気持ちを受け取ってあげたい。

どちらが正しいのか、といった正解を追い求めるのは一旦やめて「自分はどうしたいのか」を考えてみてください。罪悪感や自己犠牲的な部分が強い場合、本音と違う選択をしてしまったり、本音の部分がなおざりになってしまうこともあります。まずは自分の本音の部分を明確にしてみてください。そして、、、、相手の気持ちもわかるけれども、やはり本音としては断りたい、というのがあるのであれば、まずは自分の中にあるその気持ちを優先してあげてください。

全体的に今回の記事の中では、断ることを中心において書いています。ただ、誤解を招かないよう一応書いておくと、
「やっぱり相手の気持ちを受け取ってあげたい」というのが本音ということも、もちろんあると思います。
その場合は断らずに相手の気持ちを優先するとして、できる限り自己犠牲的にはならないように、可能な限りもらった後で自分が困ることにはならないように、工夫できることがないかを考えていくしかないと思います。また、別の選択肢として、両方取りたいというのが本音ということもあるかもしれません。その場合は、両立させることに全力を注ぐのがよいと思います。

葛藤があるときは、自分はどうしたいのか、を明確にすること。それが状況をより良くしていくためのファーストステップです。そこが曖昧なまま、どうするのが正しいのかを考えて、正しいことをしようとすると、どんな結果が出るのであれ自分の本音の部分が置き去りになります。それが積み重なっていくと「私、結局、何がしたかったんだろう?」という感じになっちゃいますが、それはやめておいたほうがいいです。罪悪感や自己犠牲的な部分を手放して、その代わりに、自分がやりたいと思うことをする許可を、自分自身に与えてあげてください。具体的な行動としてどうするのかは、どうしたいのかが明確になってから考えてみてください。

相手の善意の中には、おそらく、純粋にあなたに何かをしてあげたいという想いがあります。だから断るのであれば、受け取れない理由をはっきりと言った方が良いです。嬉しいけどいらない、だけだと伝わらないです。断る理由が伝わっていないと、例えば、相手はこんなことを考えるかもしれません。
「なんで嫌がるの?」
「遠慮してる?」
「良かれと思ってやっていることなのに断るなんて、、、意味がわからない。」
理由を曖昧にしか言っていなかったり、断りつつももらったものをちょいちょいつまんでいて、言っていることとやっていることがチグハグだったりしたら、思わぬ誤解を招くこともあります。断るならその理由を明確に伝えること。言動不一致させず、断る態度も明確であること。ちょっと細かいかもしれませんが、そういった部分も大切です。

ただ断るだけだと、その相手の想いの行き場がなくなってしまうかもしれません。あなたにとっても喜べる方向になるように、やり方を変えれるように相手を導いてあげた上で、相手の想いを受け取ってあげることができるなら、、、それは最高だと思います。(そうしないといけないわけではないです。)
可能な限り(=あなたにとってそれが苦痛にならない限り)、善意や愛情のような部分はそのままに、あなたにとって苦痛を伴うやり方だけは変えてもらえるように相手を導いた上で、相手の想いを受け取ってあげることができるなら、それが一番良いです。例えば、相手の想いを受け取るための別の受け皿として、代替案を伝える、という手段が状況によっては有効なこともあります。

ちなみに、、、、、ちょっとレアなケースとして、相手の中に「自分のやりたいやり方」であなたに与えたいという執着がある場合、断る理由を明確に伝えても、代替案を提示しても、頑なに同じことを繰り返されることがあります。そのときの相手の言い分としては、こんな感じです。
「あなたが喜ぶとおもったからしたのに。なんで拒否するの?」
「好きにさせてくれ。」
どうあってもその形で与えようとしてくる相手と、それはいらないと感じるあなたとの戦い、、、、ちょっと珍しい例かもしれませんが聞かない話ではないです。この場合も基本的には「あなたはどうしたいのか」が問われてきます。相手の善意というより執着のために、あなたが自己犠牲をする必要はなく、あなたの中で「断る」というのが確固としてあるのであれば、本気の本気でネガティブなことも含めて相手とコミュニケーションをする、ということが求められてきます。そこでお互いにネガティブな感情を激しく感じることもあるかもしれませんが、罪悪感がブロックになって相手に遠慮してしまうと、相手にあなたの本気度が伝わらないです。本気で断る、何度でも、という断固とした態度が求められてきます。

ちなみに全力でやって相手の要求をなんとか退けて、一旦はこの騒動がおさまってからも、しばらくしてこの「癖」が復活してくることがあります。相手の心の中にある、その行為への執着があるためです。その度にあなたの方も、本気で断る、何度でも、ということを再度やることが求められてきます。その繰り返しがあまりにも苦痛であれば、相手を見限って距離をとって、自分の身の安全を確保するということを選ぶ人もいらっしゃるかもしれませんし、状況によってはそれも間違いではないかもしれません。

善意を受け取りたくないんだけど断りきれない時、について私なりに掘り下げて書いてみました。何かお役に立つところがあるのなら、幸いです。

 

 

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