親に対する嫌悪感

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親に対して嫌悪感があるとき、親を責める気持ちや否定する気持ちがあるなら、それらを手放すことができた方が、自分自身が楽になれます。もし、手放す選択をするのならその最初の一歩として、親に対して感謝できることを探してみること。

【目次】
親との関係性
嫌悪感を感じる心理
自分を知る
手放して楽になる
最後に

 

 

親との関係性

親に対して嫌悪感のようなものを感じている方はおられますでしょうか?
人によって、親との仲は様々かと思いますが、仲の良い方もおられれば、ちょっと距離がある、という方もおられれば、中には、親のことが苦手だったり、「この人とは無理」という感情を抱かれる方もおられるのではないかと思っています。

親との関係性、というのでいくと、親子とはいえあくまで人間同士の話なので相性のようなものもありますし、長男長女、次男次女、末っ子、など、何番目かというのも関係性には影響してくるものかもしれません。

ただ、幼い頃から今までに親からされた扱いによっては、親に対して嫌悪感を感じずにはいられない、というパターンもあるかと思っています。

親からされて嫌だったことを思い出して嫌な気持ちがよみがえってくることも、ときとしてあるものかもしれません。例えば、親に大事にされているという実感がなかったりすると、自分が親に対して抱く感情もポジティブなものには、なりにくいかもしれません。

親との関わりの中で、親の嫌いなところがある場合、そこから嫌悪感が湧いてくる、というケースもあると思います。例えば、子供が親の面倒を見るような感じのことがある場合、親から受ける言動として、やってもらって当たり前、とか、親孝行して当たり前、といった態度を親から取られたりすると、そこで何かしら思うところが出てくることもあるかもしれません。

 

 

嫌悪感を感じる心理

嫌悪感を感じている理由は人によって色々なものがあるかと思います。親の嫌いなところだったり、許せないところだったり、あるいは、どうしても受け入れられないところ、など。

そういった親の言動や性質に対して、ちょっと視点を変えて、、、そんな親に育てられた子供である自分自身のことを見てみると、親に似て同じようなことをやってしまっているというパターンと、親が反面教師になって自分は絶対にやらないというパターン、の2通りがあるかもしれません。

似たようなことをやってしまうようなら自己嫌悪や自己否定を感じやすいですし、絶対にやらないのなら親を責める気持ちを心理としては抱えるかもしれません。

心のなかで親を責めるとき、頭の中では「私は正しい、親が悪い」といった感じにはなるのですが、人の心というのは不思議なもので、潜在意識の中では、主語、があいまいになるという性質があります。

潜在意識にあるものは、感情、という形で出てきます。意識の上では親を責めていても、親を責めているときに感じる感情と、自分自身を責めているときに感じる感情は、エネルギー的に似たものになります。

実際、心のなかで親を責めている時、というのは、とてもネガティブな気持ちになりやすいと思います。潜在意識の働きで、誰かを責めているときというのは、自分自身を責めているときと似たような感じになります。

自分自身を責めている感情。例えば、罪悪感、なんていうものが人の心理にはありますが、親を責めている心理を深堀りしていくと、罪悪感、が心のなかに隠れていることがあります。

 

 

自分を知る

親に対して嫌悪感を感じている時、親に問題があるとして、それを探したり見つけたりするのは、それほど難しいことではないかもしれません。ただ、人の心理として、自分の心の中に嫌悪感を作り出しているものがある、という視点で、親ではなく自分自身に目を向けてみるとどうでしょうか?
「なぜ、私は嫌悪感を感じているのだろう?」
親に問題はあるかもしれません。駄目なところはたくさんあるかもしれません。ただ、自分の心の中に嫌悪感を作り出している心理があるとしたら、それは何か、と視点を変えてみると、ものの見え方が変わってきます。

親に対して嫌悪感があるとき、親に対するものの見方の軸を少しずらしてあげると、心にかかるストレスが変わります。親の言動を変えることは難しいかも知れません。親にまつわる色々な問題、というのは、解決が難しいことが多いかもしれません。ただ、自分の心にかかるストレスや、嫌な気持ちになる度合いは、自分の心理を扱うことで少し軽くしてあげることができます。

罪悪感、自己否定、自己嫌悪など、自分の心のウィークポイントになりそうなところ。往々にして親との関わりでは、そういう痛いところをつつかれるようなこともあって、ただでさえ、嫌なことを言われたり、犠牲的なことを求められるときに感じる嫌な気持ちが、その心理をつつかれることで倍増する、というのはありがちなことかもしれません。

そもそも、そんなところをわざわざつついてくる人に問題がある、と言いたくなるでしょうし、それはまあその通りかもしれません。ただ、もし、そういったときに親に対する嫌悪感が湧き上がってきているのだとしたら、視点を変えるとある意味でそれは、自分自身の心を知るひとつのきっかけ、といえるものかもしれません。

 

 

手放して楽になる

親に対する嫌悪感のルーツとなっている感情には、どんなものがあるでしょうか?
自分自身を否定したいような気持ちや、罪悪感を感じているような部分に注目して、心の中を掘り下げてみたとき、何か気付けることはあるでしょうか?
特に罪悪感に関しては、、、、その罪悪感のルーツを遡ると幼い頃の出来事にまで至ることもあります。もしそこまで掘り下げられるなら、「過去に経験した古い感情をケアするためのエクササイズ」(この心鈴泉ブログ内の記事です)をやってみていただくのもよいかもしれません。

親を責める気持ちや、否定する気持ちがあるのなら、実際に親に問題があって、ダメなところはあるとは思うものの、親に対して攻撃したくなる想いや親を否定したくなる思考を、少しだけでも手放すことができた方が、自分自身が楽になれます。なぜかというと、潜在意識の働きで主語があいまいになって、その攻撃性や否定的思考が、ブーメランのように自分自身に返ってきて、結果的に苦しみが倍増される要因になるからです。

手放す、というのは、「その部分を自分の中で完全に削除して、絶対に親を攻撃も否定もしない」という難易度の高いことに挑戦するものではなく、ちょっとそこから距離を置けるようになる、とか、あまりそこに固執しなくなる、とか、自分がそれほどはそこに縛られなくなる、といった感じのイメージに近いかもしれません。

手放すやり方は色々とありますが、ここでは、親に対して感謝できることを探してみる、というのがいいかもしれません。心の中には自分自身の心の痛みを癒やすことのできる力があるのですが、心の中にある色んなメンタルブロックによって、その働きが阻害されてしまうようなことがあります。感謝には、心のなかにあるそのブロックをとかしてあげる力があります。

親に心のなかで感謝をしてみること。感謝をすると、自分の心が少し柔らかくなるような感じになります。感謝しながら、親を責めるとか、親を否定する、というのは人の心のありようとして少し無理があります。もちろん親の問題のあるところや、ダメな部分というのが変わるわけではないのですが、自分自身の心の状態として、親を攻撃していたときのヒートアップしていたようなマインドから、少し距離を置くことができます。

感謝をしたら、自分が親を責めている部分や親を否定している部分に関して、手放せる部分がないか、ちょっと検討してみてください。手放すというのは、親のためにすることではなく、あくまで自分が楽になるためにすること。

手放せるかもしれないけれども、どうにも心がモヤモヤするとか、手放したほうが良いかもしれないけれども、抵抗感がどうしても生まれる、という感覚があるなら一歩前進です。絶対に手放さなければならないものというより、自分が楽になるために、この自分の中にある攻撃性や否定的な観念を、どう扱うのがいいのか、ということを、ちょっと客観的に引いた目でも見れるようになる、という感覚を持つこと。

親のことを一段上の視点で見ること。親のダメな部分を見て、心理的に同じようなレベルで親のその部分を心のなかで攻撃しても、自分が苦しいだけ。親がダメなら、自分の精神性としてそれと同じレベルになるのではなく、一段上の視点から見れるようになったほうが、自分自身が楽になれます。ある意味では、子供が親を超えていく、というのは自然なありようかもしれません。

 

 

最後に

親に対する嫌悪感を感じたときのことを掘り下げて書きました。ここに書いたことは、親にまつわる現実的な問題に対しての解になるようなものではないです。ただ、心理的に自分自身に降り掛かってくるストレスを軽くするためにできることとして、自分の中にある攻撃性や否定的な観念を手放すことで、楽になれる部分があります。

ここに書いたことで、何かしら得られるところがあったのなら幸いです。

似たような話ですが、親のことがどうしても許せない、という感覚をお持ちの方もおられるかと思います。そういったときのことに関して掘り下げている記事がありますので、もしよろしければ、こちらも参考にしてみてください。

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カテゴリ-家族

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