
母親からの束縛や過干渉に苦しみ、「母はどう思うだろう」が先に浮かんでしまう。そんな感覚の奥には、母親との心理的な癒着があることも。そこで大切なのは、境界線を引くということと罪悪感を手放してあげること。
【目次】
・母から束縛されてきたと感じるとき
・束縛の背景にある心理的な癒着
・母親との間に、境界線を引くということ
・罪悪感が、母親の言うことの強制力を高める
・変えたいのは相手ではなく、自分の中にあるもの
・まとめ:母親との癒着を手放す
母から束縛されてきたと感じるとき

母から束縛されてきた、という感覚を抱えてきた方はおられるでしょうか?
母からの束縛というと、恋愛や結婚のことに口出しをされたり、誰とどこへ行って何時に帰るのかを細かく報告するよう求められたりなど、色んなパターンはあるかと思います。ただ、そこで自分の人生を優先できていないような感覚に陥る方もおられるかもしれません。
あまりにも色々言われるために、自分がどうしたいのかというより、
「母はどう思うだろう」
が先に浮かぶようになってしまうようなことはあるでしょうか?
あるいは、母親に対して「放っておけない」と思えるような感覚はあるでしょうか?
母親の言うことよりも、自分自身のことを優先することはあるものの、そこで何か自分が親不孝者のように思えて、罪悪感を感じてしまう、という方もおられるかもしれません。
ただ、束縛をされるというだけではなく、子供時代からずっと母親から否定的なことを言われ続けたことで、自分もまた自分自身のことを否定的に考えるのが癖のようになってしまう方もおられるかもしれません。
束縛の背景にある心理的な癒着

もし、母親が感じることと自分が感じることの間に明確な境界線がなく、どこか入り混じっているような感覚があるのなら、母親とあなたとの間に、心理面での癒着、のようなものがあります。
「母はどう思うだろう」よりも大切なのは、自分がどう思うか。ある意味においてこれは自然なことではあるのですが、癒着があると、この優先順位がするっと逆転します。自分がどう思うかよりも「母はどう思うだろう」に縛られるような心理がでてきます。
「母が何を言ってるか」よりも大切なのは、自分がどうしたいか。母親が望むことと、自分がしたいことは別。母親の考えと、自分の考えは同じではない。シンプルにただそれだけのことなのですが、癒着があるとこの辺りが曖昧になり混ぜこぜになって、母親の言う通りじゃないとダメであるかのような心理が、自分の内側に生まれてきます。
それが心理面での癒着です。
母親がいくら正しいことを言う人であっても、実のところその「母親基準の正しさ」は、あなたにとって参考になるところがあったとしても、最優先にすることではないです。大切なのは、あなたにとって何が真実で、あなたがどういう状態を望むのか、ということ。
心理面での癒着があるとき、母親の方が子離れできていなくて、子を自分の言う通りにさせたくなる考えを持っていたとしても、それは母親の問題であって、あなたの課題ではないです。あなたにとって取り組みたい課題は、母親との感情面での癒着がある部分。
自分以外の誰かが抱えている問題を解決させるというのは、基本的には難しいところがあるものですが、それは母親も同じこと。人の成長にはプロセスがあり、時間・本人のコミットメント・継続的な改善などが求められるもの。ただ、母親が子離れできない問題をなかなか解決できなかったとしても、あなたはあなた自身の課題をクリアにすることができます。
癒着は手放せます。
そのための最初の一歩は、自分の心の内面に癒着がある、ということに気づくこと。
母親との間に、境界線を引くということ

癒着を手放すために大切なのは、自分の中での境界線を明確にすること。母親が感情的になりやすいタイプで、その母親の感情に自分が振り回されてしまう、というケースがありますが、基本的に、母親が感じる感情とあなたが感じる感情は別です。
母親が考える「こうあるべき」と、あなたが思う「こっちが良い」といった考え方の違いは、人それぞれに存在するもの。母親が思う「こうした方がいい」と、あなたが思う「こうしたい」という良し悪しの基準は、各々が持っているもの。そこは無理に合わせるものというより、「みんな違って、みんないい」もの。
母親と私は違っててOK。ここで、母親とあなたとの間にある境界線を意識していきます。親との癒着があると、この境界線が曖昧になるというあたりについて掘り下げた記事がありますので、こちらを参考にしてみてください。
癒着があるところに境界線を引こうとすると、母親からの抵抗が出てくることがあります。あなたにとってストレスを強く感じるのは、母親からのコントロールを感じるときかもしれませんが、境界線を引く行為に対して母親が抵抗するときも、この母親からのコントロールを感じやすいかもしれません。
罪悪感が、母親の言うことの強制力を高める

コントロールを感じるときのことについていくつか例を挙げるなら、母親からあなたへの批判・ダメ出し・不満をぶつける・行動を制限しようとしてくる、など、色んなものがあるかもしれません。ただ、あなたにとってここで大切なのは、罪悪感を手放す、ということ。
例として書いたものは、ある意味では、母親からのコントロールというより、子離れできていない母親の問題行動、といえるものも含まれるかもしれません。ただ、癒着があると、それは母親の問題というより、自分が悪いからこうなるんだ、という感じの罪悪感がでてくることがあります。
親の言う正しさに反するようなことはしない、あるいは、親を見捨てるようなことはしない、といった縛りのような自分のマインドの中にあって、もし、それを破るようなことをしたら「私は自分自身のことを許せなくなってしまう」といった心理があると、母親の言うことの強制力が高くなります。
罪悪感から逃れるために、母親の言う通りにしたほうがまし、と思えてくると、母親の言うことに支配される感じになります。犠牲をして、母親によく思ってもらおうとする行為を通して、罪悪感の埋め合わせをしたい気持ちになることもあります。
この犠牲的な部分や、罪悪感の部分が自分のマインドの中にあるのなら、手放してあげること。
私たちは幼い頃に体験したことが原因で、「私は悪い子だ」もしくは「私は邪魔な子だ」といった感じの、罪悪感のようなものが心の中に焼き付いたりします。これはとても古い心の痛みで、この痛みをルーツにして様々な感情が出てくるような構造が心の中にはあります。
罪悪感を感じるとき、この心の中にある古い心の痛みがあるために、どうしても自分のことが許せない、という心理の罠にはまることがあります。
もし、その部分をセルフケアするとしたら、幼い頃に感じたその古い罪悪感をケアするエクササイズ(この心鈴泉ブログ内の記事のリンクです)を試してもらうのもお勧めです。
変えたいのは相手ではなく、自分の中にあるもの

癒着があると、自分を変えるのではなく、相手に変わってほしくなります。母親に対して、コントロールするようなことをしないでほしい、とか、わかってほしい、とか、口を出さないでほしい、といったことを思いやすくなります。ただ、それは母親がやることであり、他人を変えるというのはとても難しいものです。
癒着がある場合には、相手がどうであれ、まずは自分自身がどうしたいのか、というのが大切です。
癒着を手放す、境界線を引く、というのも基本的には大切ですが、まず一番困っていることは何でしょうか?
一番ストレスを感じるのは何でしょうか?
そこから自分がどうしたいのか、というのを整理してみても良いかもしれません。
もし、自分が親に対して精神的、あるいは、経済的に依存しているような部分があると、境界線を引くことが困難になります。それらに関して依存している部分があると、どうしても親の言う通りにしなければ成り立たないところが出てきます。癒着を手放すのであれば、精神的・経済的に自分の力で立つということにコミットすることも大切かもしれません。
まとめ:母親との癒着を手放す

母から束縛されてきた感覚があるときのことをテーマに掘り下げて書きました。
母親との間に心理的な癒着があると、母親の感情に振り回されやすくなります。自分がどうしたいかよりも、「母はどう思うだろう」とか「母が何を言ってるか」に意識がとらわれやすくなり、母親からコントロールされているかのように感じやすくなります。ここで大切なのは、母親との間に境界線を引くということと、癒着を手放すこと。
ただ、癒着があると、母親との間に境界線を引きたくても、自分の中にある罪悪感がブロックとなることがあります。その場合には、その罪悪感の部分を手放してあげること。
一点補足すると、母親からの精神的な依存があるために、ストレスを強く感じるというケースもあると思います。依存があると、自分が出来ることを可能な限りやったとしても、母親から色々とネガティブなことを言われたり、何か犠牲的なことをしなければならないような状態になりがちになりますが、そのあたりのことを掘り下げて書いています。


















