自分の子供を愛せないときの話

投稿日:2017年3月13日      更新日:

お子さんをお持ちの方で、自分の子供が愛せない、と感じたことのある方はいらっしゃるでしょうか?

自分の心に余裕がないと、子供からぶつけてこられる甘えや反抗に対して、受け止められなくなることも、時にはあるかもしれません。成長していくにしたがって、子供は色んな面を親に見せてきますが、その中で、どうしてもこの部分は受け入れられない、という部分が出てくることもあるかもしれません。愛おしいというより、憎らしいとまで感じてしまうことも、ときにはあるかもしれませんね。

ただ、子供を愛せないという感覚は、親にとってはとても強い罪悪感を感じるものかもしれません。ダメな親だな、と自分で自分のことを強く責めたくなる衝動が出てくると、自分を何とか正当化したくなったり、あるいは、なんとか子供を愛することができるように、必死にやろうとするんだけれども、やっぱり子供を見ていると腹が立ってきて、どうにもならない気持ちを抱えてしまうものかもしれません。

人の心の動きとして、自分のことを嫌いになればなるほど、周囲から嫌われやすくなり、自分ことを心の中で攻撃するほど、周りから責められる、といった法則のようなものがあるのですが、これは大人に限らず、子供にも同じようなことが起きます。

たとえば、お子さんがあることを体験して、自分のことを
「僕は悪い子供だ」
と思ったとします。(実際にそれを口にするかどうかは別として。)で、自分のことを心の中で激しく攻撃するとします。そうすると、上に書いた法則のようなもの、、、周りから責められる、が起きることがあります。例えば、親から怒られる、とか、先生的な立場の人から怒られる、といったようなことです。

子供をよく見てみると、このあたりの心の動きが見えることがあります。よくある流れはこんな感じです。
①子供がわがままをいったり、何か失敗をしたりする。
②親は子供に対して何かしらのネガティブな反応をする。
③子供はそれを見て、僕が悪い子供だから、こんな反応をされるんだ、と勘違いする。
④親からもっとネガティブな反応を引き出せるようなことを子供を行う。
⑤実際に親が強くネガティブな反応をする。

④の部分の具体例はこんな感じです。
・注意されたことに対して、憎たらしい顔をして言い返してくる。
・可愛くない顔をして大声で泣く。
・スーパーマーケットの床で寝そべる。

子供の中に罪悪感や自己嫌悪のようなものがあるほどに、親に対して余計に怒られたり嫌われるかのような反応を引き出すようなことをする、という感じです。これは子供に限った話ではなくて、大人も似たようなことはやります。とはいっても、スーパーの床で寝そべるというのとは、もちろん、異なります。

例えば、何か罪悪感のようなものを感じた時に、身近な人に対して、よくないとわかっているのに、あえて衝突してしまうようなことを言ってしまった、という経験がある人もいらっしゃるかもしれません。ここには色んなパターンがありますが、子供、大人にかかわらず、人の心にはそういった振る舞いをしてしまう仕組みのようなもの、があると思ってもらった方がいいかもしれません。

子供と接していると①→②→③→④までの流れ、というのは、ちょくちょく起きます。とくに④のところが、親にとって強い嫌悪感を感じるようなものだった場合、⑤の段階で、子供を愛するのが難しい、と親が感じる、というのは想像できますでしょうか?

子供は自己嫌悪や罪悪感を感じると、親から嫌われるような表情や行動を無意識にとりますが、親がそこに同調してしまうと、子供を愛することが難しくなります。子供が自己嫌悪や罪悪感を感じる心には、親がもっている考え方や価値観も影響しており、親が子供にされたら一番嫌なことを、ピンポイントで子供が引き出すことも可能、だったりします。

ここで親が⑤のところで、
「ああ、君は悪い子供だね。君が君自身を認められないのと同じように、私も君を受け入れられないよ。」
と子供が③で行った無意識の思考に対して同意をして、それに沿った行動をとってしまうと、後で、
「私はなんてひどい親なんだ。」
という反省会が心の中で繰り広げられてしまうかもしれません。

子供は親の課題を見せてくれます。子供はそのことを自覚してわかってやっているわけではなかったとしても、ときにその課題の見せ方には容赦がないこともあります。親からすると非常に精神的にきついと思えるような状況になることもあります。

自分の子供が複数いる場合に、この子はOKだけど、この子はOKじゃない、というのが出てくることもあります。この子のこういうところがダメだから、自分はこの子を愛せないんだ、という風に考えてしまいがちですが、100%子供のせいにすると思考停止し、問題解決の糸口が自分の手元からこぼれます。そういうときほど、その子が自分に見せてくれている課題は何だろうか、という風に視点を変えてみることが求められてきます。

自分の課題の方に意識を切り替えると、状況の見え方が変わってきます。表面的には子供に問題があるように見えても、本質的には自分の課題だということに、そこでは気付くことができます。自分の心の中で、未解決のまま放置している課題や、弱点や苦手といえる部分にも触れることが求められてくることもあります。ある意味では、これが育児の難易度をあげる要因になることもあります。

子供を愛することが難しい、のではなく、その子に問題があるのでもなく、自分が自分を成長させることが難しい、というのが、今行き詰っている問題の本質だと心から思えるなら一歩前進です。

子供は天からの授かりもの、だとしたらある意味では、自分の課題と向き合う機会も天から同時に授かった、といえるかもしれません。

以下のブログ記事で、ここに書いた内容を取り上げていただきました。むーちさん(ブログの筆者)の育児の体験談です。

以前のように「子どもを愛せない」ことに悩み、原因発見のヒントを得た話 – むちブロ

「無条件に子どもを愛する」を思い出すことが出来た方法 – むちブロ

 過去を振り返って、自分自身が未解決のまま放置している課題を見つけ、自分を認めて、許して、開放してあげる過程がかかれています。同じように悩んでいる親御さんの胸のつっかえが取れるようにとの願いも込められて書かれた素晴らしい記事です。

こちらもぜひ参考にしていただければ、と思います。

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カテゴリ-育児

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