カウンセリングの中で、話を聞いていくと、その人自身が持っている考え方や、信じているものの見方が、少しずつ見えていきますが、それは、その人自身が体験する出来事と必ず関係しています。
ある意味では、その人が体験するストーリーは、無意識のうちに、その人自身が選び取っているストーリーである、という見方をすることもできるかもしれません。
そのストーリーが自分の望み通りであった場合はいいのですが、もし、そうでなかったとしたら、それは変えていきたいところかもしれません。ただ、ここでちょっと厄介なことが1つあります。それは、そのストーリーは意識して選んでいるというよりも、無意識にうちに選び取っている部分が大きい、ということです。
ちょっと、視点を変えてみます。
自分自身のことはおいといて、例えば、自分以外の人がやっていることを見たときに、
「なんでわざわざ大変なようにするんだろう?」
「なんでこうしないんだろう?」
と不思議に思ったことはないでしょうか?
客観的に見た方がよくわかる、という部分はあるかもしれませんが、その人自身が、自分で大変な状況をわざわざ呼び込んでしまっている、ということも、他の人からすると、同じ目に合わないように、いくらでも回避する方法が見つかったりします。
ただ、それをその人自身に教えても、全然その人自身が変わらないで、アドバイスしたのにもかかわらず、相変わらず大変な目にあっている、というパターンもあります。実際、あなた自身の体験としても、「こうやったらいいじゃない」とその人にせっかく教えたのに全然聞き入れられないで、なぜか同じことを繰り返しているような、そんな不思議な光景を見たことはないでしょうか?
これは、違う考え方やものの見方を教えたとしても、その人自身が持っている古い考え方ややり方を手放して、新しいものを身につけない限り、そこを変えていくことができないためですが、ここで視点を戻してみます。
自分自身に当てはめて考えてみてください。
自分に降りかかってくる、様々な出来事、自分が生きているストーリー、もし、それが、自分自身の考え方や、ものの見方が引き起こしていることかもしれない、という話を聞いたら、どう思うでしょうか?
ここを変えていくためには、例えば、やり方の1つとして周りからの「こうやったらいいじゃない」に耳を傾けていく必要もあるかもしれません。自分自身の凝り固まった、考え方やものの見方を変えていく、ということが大切です。古い考え方やものの見方ややり方、古い習慣のようなもの、これらを変えていくには、ちょっと勇気がいります。それが、自分自身を形成している根っこに近いものであればあるほど、その部分を新しいものに切り替えていくのには、勇気がいります。
ただ、もし、自分が体験しているストーリーを変えたいと思うなら、自分が望まないストーリーを、自分が望むストーリーに変えていくために、その勇気を発揮することが求められてきます。
自分が体験しているストーリー。運が悪い、とか、めぐりあわせが悪い、とか、そういう見方をすることもできる部分もあるかもしれませんが、それ以上に、その根っこにある、考え方やものの見方、あるいは、感情の感じ方など、心の状況を形作っているものが、そのストーリーを呼び寄せてしまう、という部分がかなり大きいです。
まずは、自分がそのストーリーを呼び寄せている、ということに気付く、という部分がとても大切です。
それに気付く、ということは、ある意味では、自分に良くない出来事が降りかかってきているのは、基本的には自分の責任だ、ということを認めることにつながります。
体験しているストーリーが良くないものであればあるほど、それは認めにくいことですし、また、気付けないからこそ、そのストーリーを生きているのだという解釈もできるものかもしれません。感覚的には、認めにくい、というより、「わからない」というのに近いかもしれません。
ただ、もし、そこに気付くことができるなら、次にすることは、そのストーリーを呼び寄せている自分の中にある考え方や、態度、信念、振る舞いを変えていくこと。
一瞬だけ変えてみる、というのではなく、継続する、ということが非常に重要です。なぜなら、何かを変えようとすると、必ず、元に戻ろうとする力が働くためです。
継続しにくい理由がでてきたり、継続したくなくなったり、などなど。結果的に元に戻ったら、いつものストーリーがやってくることになります。
ただ、それでも、ストーリーは変えることができます。自分がそのストーリーを作り出している、ということに気付き、変えるための行動を続けていくことで、それは実現できます。私の場合の体験談はメルマガの方に書きましたが、ストーリーの書き換えは、思い込みの書き換え、といえるものかもしれません。
ストーリーを変更することによって自分の内面を変える、というテーマについて、掘り下げて書いてみました。何かしらお役に立つところがあるのなら、幸いです。