私に心理カウンセリングに興味を持つきっかけをくれたのは、図書館で何気なく手に取った一冊の本でした。図書館には勉強しに来ていたのですが、ちょっと疲れて集中力が落ちてきたので、休憩がてらフラフラと勉強とは関係のない本棚に向かい、そこに並んでいる本のタイトルをほーっと眺めていたとき、何の気なしに手に取った心理学関係の本。
内容をざっくり言うと、自分自身の内面を分析していくことで、心の中をセルフヒーリングしていくような、そんな感じのものでした。今となっては書店に行けば類似した内容のものはありふれているのかもしれませんが、25年以上も前の当時の私にとっては、こんな内容のものもあるのだな、というので新鮮さを感じたのを覚えています。
自分が周囲から劣っていると強烈に感じていた当時の私にとって、その本に書かれていた内容は、まさに自分が知りたかったことに出会えた、というものでした。私がそのときにいつも感じていた劣等感。どうやって乗り越えたらいいのかわからなくて、とても苦しみを感じていたのですが、そのヒントがもらえたような気がしました。この時点では特にカウンセリングをやりたいとも思っていないですが、これが最初のきっかけ、だったように思います。
小学校の頃は、太っている、ということをすごく気にしていて、大人になってからは、髪の毛の薄さや恋愛経験のなさをすごく気にしていました。劣等感が強すぎるあまりに、色眼鏡をかけて世の中をちょっとひねくれた感じで見ていたかもしれません。
図書館に来ていたのは、大学院を受験するための勉強をするためでしたが、そもそもなんで大学院を受験しようとしたのかというと、就職する、というのがとても怖かったからでした。どんなことを仕事にするのか、という選択を一旦保留にして、もう少し勉強しながら考える時間をとる、といったある意味では逃げの一手、だったかもしれません。
就職した場合、会社の中で歯車となって働かされ、そこでほとんどの時間を過ごすことになるのだとしたら、その会社だったり仕事だったりが好きじゃなければ、すごく辛いだろうなあ、と思ったのです。
下手をすると、そういう辛さを老人になるまで延々と感じながら働き続けて、老人になった頃には自分には何も残っていない。そんな人生を歩むことになるのかも、なんて想像をして、背筋がぞっとしたのを覚えています。この感覚は人によって違うと思いますし、人によっては、そんなの当たり前のこと、と思える部分もあるのかもしれませんが、当時の私は、そこに恐怖を感じました。
私はその時点で、女友達も一人もいませんでしたし、彼女いない歴=年齢、という状態でした。自分の人生に特に大きな変化が訪れないまま、このまま時間を進めて行ったときのことを想像したときに、老人になるまで辛さを抱えて働きながら、彼女もおらず、結婚することもなく、、、、という人生のレールが自分の目の前にしかれているように見えました。劣等感で心が一杯で無力さを感じていた当時の私にとって、正直、このときに感じた不安感と恐怖感には、すさまじいものがありました。
そのときに出会ったのが心理学。私はそこにすがりつきました。結果的に、私はその後、自分なりにやりがいを少しでも感じれることをみつけて就職をし(今はフリーランスで仕事をしています)、恋愛をして、その後、パートナーと結婚をすることになります。といっても、心理学で全て解決!、なんていう上手い話ではもちろんなく、メルマガの方には、心理学を学んでいく中での失敗談のようなものや、セミナー風景なんかもちらりと書きましたが、紆余曲折はたくさんありました。
ただ、仮に、当時の私が今の私をみたらすごく安心するとも思えますし、ここに至るまでに心理学から私が受け取った恩恵はすごく大きかったと思います。
自分なりに興味をもった心理学関連の本を読んだりもしましたが、友人に誘われて、最終的にそれを教えてくれるところにいくことにしました。そこで実際に心理カウンセリングやセミナーを受けたのですが、そこでの臨床体験も通して、いろんなことを学ぶことができました。その中で一番影響が大きかったと思えるのは、罪悪感を手放す、ということです。
罪悪感を手放すまで、私は自分が罪悪感を抱えているという自覚が全くありませんでした。息を吸うように自分のことを責めていて、自分が悪いというのが当たり前のことすぎて、それが本来の自然な心のありようから大幅にずれている、ということに全く気づいていなかったのです。
罪悪感を手放すことができたとき、一言でいうと、自分自身がすごく楽さを受け取ることができたのですが、この感覚を言葉で表現するのはちょっと難しいです。もしかしたら、これは言葉で伝えられることではなく、体験してみないとわからないことなのかもしれませんが。
自分が背負っていた重たい荷物を下ろしたような感じかもしれません。下ろしてみて初めて、自分が背中に抱えていたその荷物の存在に気づけるようになりつつも、今までなんでこんなものを背負っていたのか不思議に思えた、、、そんな感じでした。
劣等感と無力感にさいなまれていた自分。自分のことでいっぱいいっぱいで、周りはほぼ何も見えていなかったと思います。この罪悪感は、表面的に私が認識していた劣等感と無力感のルーツとなっていた感情でした。改めてその荷物(=罪悪感)をみてみたときに、こんなものを背負っていたら、そりゃあ、周りを見る余裕なんてなかったよなあ、なんて妙に納得したのを覚えています。
心理学を学んでいただけではなく、人の縁にも恵まれていたのかもしれませんが、色々とあって、今はフリーランスの仕事をしながら、結婚して子供も生まれ、家庭を築いてぼちぼち幸せに生きています。
そんな中、カウンセリングを通して、学んだことを提供していきたいとも思うようになり、自分でもカウンセラーとしての活動を始めるようになりました。
ブログに色々と書いているのも、そんな自分が学んだことや知っていることも、お伝えしていくことで誰かの何かの役に立つのなら、という想いもあって書いています。