パートナーの痛みに寄り添う

投稿日:2017年9月19日      更新日:

パートナーの心に弱いところがあるとしたら、どんなところだと思えるでしょうか?
たくさん思いつくこともあれば、あんまり考えたことはないけど、改めて聞かれたらどうだろう、って思う方もおられるかもしれません。ただ、どんな人であれ、何かしら未成熟な部分だったり、心に痛みを抱えている部分というのは、一緒にいるパートナーには隠しきれなかったりすることが多いので、何かしらパートナーの心の弱いところ、というので思い当たるようなところはあるのではないか、と思っています。

例えば、ある話題に触れると急に態度が頑なになるようなところがあったり、過去に体験したことで心に痛みを抱えているようなところがあったり、あなたから見たら、こうすればいいだけなのにと思っていても、パートナーにはそれが全然できなかったり(やらなかったり)、あなたから見て、そんなに気にしなくても良いようなところに反応してネガティブな感情を出してきたり、などです。

心の中で痛みとして抱えているようなものは、感情を伴った形で出てきやすいです。過去の恋愛で経験したことで痛みを抱えている部分や、人間関係全般で人に対して怖れを抱いているような部分や、家族関係の中で抱えている弱点のようなものなどが、あなたとの関係性の中で出てくることがあります。

相手のそんな部分をみて、不安を感じるでしょうか?
あんまりそういう部分は見たくないなあ、という気持ちも正直ちょこっとはあるでしょうか?
相手はそういう状態だとして、じゃあ自分はどうしたらいいんだろう、という風に感じるでしょうか?
それとも、助けてあげたい、でしょうか?
ただ、助けてあげたいという気持ちがあったとしても、何をすれば相手にとって助かることになるのかがわからない、という風に思われる人もおられるかもしれません。

誰かとパートナーシップを組むということは、それが恋人同士であれ、夫婦であれ、その距離感の中でお互いを愛し合うことを通して、お互いに大きく成長できるチャンスを手にできる、ということを意味しています。たくさんの感情を感じることになったとして、たとえそれがネガティブなものだったとしても、それらの感情には全て意味があり、自分が感じる感情を通して、自分自身であったり、相手のことを深く理解していくことができます。

パートナーの心の弱い部分をみて、何を感じるでしょうか?
それは、一人で抱えているのには限界があったり、時間がすごく必要であったり、一生ものの課題だったりするものかもしれません。ただ、もし、本人にそれと取り組む気持ちがあるのであれば、愛するパートナーからのサポートはかけがえのない、そして、とってもありがたいものになります。

感情は共鳴します。あなたのパートナーが感じている感情を、あなたも感じやすくなります。パートナーの心に弱いところがあったとして、あなたがそこに触れた時、パートナーが感じている感情に、あなたも共鳴しやすくなります。例えば、パートナーが将来に怖れを持っている場合、あなたがそんなパートナーをみて、この人と一緒にやっていけるだろうか、ということに怖れを感じやすくなる、といった具合にです。様々なパターンがありますが、基本的には、自分が感じている感情は、相手も同じように感じている、という目で見ると、そこからいろんな気づきを受け取ることができます。

もし、あなたがその感情に対して否定的な受け取り方をして、そんな感情を感じなくできるように抵抗しようとすると、その感情のトリガーとなったパートナーに対して否定的な態度になってしまいます。例えば、パートナーの弱さをみて、そこにあなたが怖れを感じた時に、そんな怖れを感じないですむようにパートナーをコントロールしようとすると、パートナーからあなたにコントロールが返ってきます。よくあるのは、あなたがパートナーにそんな怖れを感じないですむようにアドバイスをしたら、そのアドバイスをパートナーから拒否されて、その代わりに、あなたがこういう考え方をするべきだ、とあなたが受け入れにくい意見が返ってくる、というものです。そうすると、あなたはこのパートナーとやっていけるのだろうか、という怖れを強くもち、パートナーもまた、その怖れに同意する、というやりとりが感情レベルで行われます。すると、2人で一緒に怖れの中にどっぷりと浸かって、2人ともその怖れの原因を相手のせいにして、お互いに相手を変えて怖れを解消しようとして、お互いに自分が変わることを嫌がるので、話が前に進まない、という感じのドツボにハマります。

タイトルに書いた通りのことをするのがベターです。パートナーの弱さをみてあなたが怖れを感じた時に、その怖れを相手のせいにするのではなく、その怖れは自分が向かい合わなければならないものだと、意識を切り替えて、その怖れとあなたが向き合いながら、パートナーもそれと同じくらい、もしかしたらあなたよりももっと、その怖れを強く感じているんだな、って思って、そのパートナーの痛みに寄り添ってあげてください。

自分の感じている怖れを乗り越えようとしてみてください。2人で一緒に怖れの中にどっぷりと浸かっている時に、相手を変えて状況を前に進めようとするのではなく、自分が一歩踏み出せることがあるとしたら、何だろう?、って考えてみてください。

感情は共鳴します。あなたが前に進もうという気持ちを持っているところを、パートナーは見ています。見てないように思えるかもしれませんが、あなたが前に進んでいく背中をパートナーは感じています。パートナーが抱えている心の弱い部分が、慢性的に抱えているものであれば、あなたほどサクサク前には進めないかもしれません。もしかしたら、あなたが動き始めるよりも、ずっと、ずーっと、パートナーが動き出すのには時間がかかるかもしれません。それでも、あなたがパートナーの痛みを否定することなく寄り添いながら、自分の痛みと向き合ってあなたが前に進んでいくところをパートナーに見せ続けることができるなら、それはパートナーが自分の課題を乗り越えるときの力になります。

そして、これはとても大切なことですが、パートナーを信頼してあげてください。自分が前に進むことを選択できたように、パートナーもその痛みを乗り越えるために前に進むという選択ができるということを信頼してあげてください。履き違えてはいけないのは、パートナーにその選択をあなたがさせてあげることはできない、ということです。その選択はあくまでパートナーがすることです。あなたにできるのは、信頼する、ということだけです。パートナーの中にある、前に進むという選択がしたいという想いの部分を見てあげて、信頼してあげてください。

パートナーの中にある価値をみて、それを伝えてあげてください。前に進むという選択をするのには、パートナーの中にある価値の部分が磨かれてくことが求められてくることもあります。パートナーが成長して、より良い結果を受け取っている様子を想像して、それを相手に強要するのでもなく、できるだけ相手もそのビジョンを楽しめるような感じで伝えてあげてください。行き詰まっているとき、あなたのパートナーは自分のことが信頼できなかったり、自分の価値を感じられなかったりします。自分が成長して今よりもより良い状態になっていたり、より良い結果を受け取っていることも想像できなかったりします。だから、その部分のサポートをあなたがやってあげてください。

あなたがパートナーを信頼して、あなたがパートナーの価値をみて、あなたがパートナーがより良い結果を受け取っているビジョンを見て、あなたが自分の怖れに向かい合って、前に進んでいくときのその背中をパートナーに見せてあげてください。パートナーに心の中で「怖がらなくても大丈夫だよ」ってメッセージを送り続けてください。上から目線でパートナーにアドバイスをするのではなく、あなたなりの人生への向かい合い方をパートナーに見せてあげてください。それが何よりもパートナーの力になります。もちろん、パートナーがそんなあなたをみて、相談してきたり、助けを求めてくることはあります。そのときもあなたがやることは同じです。パートナーの気持ちに寄り添って、あなたなりの気持ちを伝えてあげてください。

パートナーが心の中に痛みを抱えているときに求められてくるのは、パートナーへの愛です。愛するって、何をしたらいいの、というところで、こうするとベターだよっていうところを私なりに書いて見ました。愛を軸に考えた時に、他にもできることは色々とあるのだろうなあ、とも思いつつ、ここに書いたことで何かしら参考になるところがあれば、幸いです。

 

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