
悪く考えすぎることで辛さを感じるときは、まず、今できることに集中すること。考えすぎを手放し、考えすぎの裏にある怖れを統合すること。怖れを統合するためには、自分のマインドの内側にある対立する2つのエネルギーに気づいて、それらを自分の中で統合してあげること。
【目次】
・あなたが感じる感情
・悪く考えすぎる心理
・対処法
・まとめと補足
あなたが感じる感情

悪く考え出すとひたすら考えこんでしまうような癖のある方はおられますでしょうか?
気になることがあるとき、それを悪い方向に掘り下げすぎてしまうような感じです。
はっきりしたことが分からないのに、悪いようにばかり考えすぎて不安になってしまうこともあるかもしれませんし、実際には大したことないかもしれないのに、不安感からくる心配のしすぎで心が疲れてしまうということもあるかもしれません。ときに被害妄想に近いようなことも考えてしまう、といったこともあるかもしれません。
悪く考えすぎると、怖れだったり、あるいは、罪悪感だったり、ネガティブな感情を感じやすくなりますので、気分が落ちてしまうような感じにはなりやすいです。悪く考えすぎる状態が長く続くと、身体にも影響がでることがあります。実際にそれが影響して体調を崩してしまう、といった経験をしたことのある方もおられるかもしれませんね。
少し厄介な性質をもつ、悪く考えすぎる、という行為ですが、この癖を直したいと思えたり、悪く考えすぎるのをやめて気持ち的に楽になりたいと思えるのなら、この悪く考えすぎる心理の対処法を考えてみたくなるものかもしれません。
悪く考えすぎる心理

例えば、最悪のケースをあらかじめ想定しておいて、本当にそうなったときのダメージを減らしておきたい、みたいな気持ちはありますでしょうか?
そうしたい気持ちがあるのなら
「最悪のケースってどんなのがあるのだろうか?」
ということに思考のエネルギーを使う必要がありますが、実際に良くないことが起こったときに「最悪よりはマシだった」みたいな感じで自分が受ける精神的なダメージを軽減できるメリットはあるかもしれません。これはあくまで一例でしたが、悪く考えすぎる、ということにメリットがあるとしたら、どんなものがあると思えますでしょうか?
悪く考えすぎる、というのはもしかしたら、それはそれで、あなたなりの心の守り方なのかもしれませんし、自分自身を分析してみたら、悪く考えすぎる行為には、メリットだったり、あなたなりのそれをする意味のようなものも、もしかしたらあるかもしれません。
悪く考えすぎるときというのは、何かしら気になること、があると思います。そんなとき、どうなることを怖れているでしょうか?
良くないことが起きる可能性があるとして、自分はどうしたいでしょうか?
ある意味では、悪く考えすぎる傾向のある方というのは、「問題を発見する才能」のようなものがあるのかもしれません。どんなものであれ、良い一面もあれば良くない一面もあり、良くない一面から目を背けるのではなく、そちらにも目を向けるということには意味があるものかと思います。ただ、その部分をあまりにも見過ぎて心が疲れてしまうようなら、少なくとも心が疲れすぎてしまわない程度のところで、一旦手放す、ということができた方がベターです。
対処法

悪く考えすぎるときの心理について、対処法を3つ用意しました。合う、合わないはそれぞれ人によってあるかと思いますので、自分なりにしっくり来るものを活用してもらえればと思います。
①今できることに集中する
②考えすぎを手放す(やるなら少しお時間かかります)
③エネルギーを統合する(こちらもやるなら少しお時間かかります)
もし悪く考えすぎることに本当にお困りで、かつ、もしお時間に余裕があるようなら、②や③については一度試してもらえればと思います。
①今できることに集中する

悪く考えすぎるとき、何を自分が怖れているのか?、ということを明確にしようとしてみてください。
「何を自分は怖れているのか」
ということがわからない状態の方が怖れは強まります。見えないものやわからないものを心は怖がるためです。だからまずは、自分の心が何を怖れているのかを自分自身が理解してあげること。何が怖いのかがわかったら、次は、自分がどうしたいのか、あるいは、どういう状態にしたいのかを考えてみてください。「何が怖いのかもわからないし、どうしたいのかもわからないけど、ただただ不安で心配」で色々考え込んでしまう状態よりも、「これが怖い、だからこうしたい」という感じのほうがベターです。
こうしたい、というのがわかったら、次は、今できることは何か、を考えてみてください。怖れを消そうとするというより、今できることに集中しようとすること。今できることに集中することは、怖れにとらわれすぎないことに繋がります。これはあくまで一例ですが、仕事に集中しているときの方が、余計なことを考えないので楽、ということを経験したことのある方もおられるかもしれません。怖れを感じて、悪く考えすぎるときほど、今できることに集中すること。
②考えすぎを手放す

悪く考えすぎてしまう、というのを一旦手放してあげること。ただ、もし手放すのが難しく感じるようなら、少し視点を変えて、悪く考えすぎる、ということに関する、メリットとデメリットを掘り下げてみても良いかもしれません。それぞれ、5点ずつ書き出してみてください。
・考えすぎを続けるメリット
例)悪いことが本当に起こったときの心理的なダメージを減らせるというメリットがあるかもしれない
・考えすぎをやめると出てくるデメリット
例)考えすぎをやめると、考え続けていたら気づけていたことを見落としてしまうというデメリットがあるかもしれない
改めて掘り下げて出してみることで、自分の内面を深く知ることができます。
メリットとデメリットを5点ずつ書き出したら、それぞれのメリット・デメリットについて、以下、自分自身に問いかけてみてください。
・そのメリット(or デメリット)を手放せますか? -> 「はい」または「いいえ」で即答する
・そのメリット(or デメリット)を手放しますか? -> 「はい」または「いいえ」で即答する
・いつ手放しますか? -> 直感で即答する
※「手放すことができるか?→Yes/Noで答える。手放すか?→Yes/Noで答える。いつ手放すか?→答える。」の部分はセドナメソッドを使っています。
やってみて何かしら心が軽くなるような感覚を感じていただければとは思いますが、メリット・デメリットにも色々ありますので、手放せるものだけではなく、手放すことできないと感じるものもあったりするかもしれません。できるだけ手放そうとした方が得られるものは大きいですし、そういう部分ほど、その人にとって心理的な課題感が大きい部分だったりもしますが、どうしても手放すことできないときは、無理やり手放そうとするのではなく、
「自分にとって、これは手放せないことなんだな。」
という感じで自分自身のその部分を受け入れようとしてみてください。メリット・デメリットの手放しに関して、もし難しさや強い抵抗感を感じるのなら、手放せるものを手放すけど、手放せないものは無理にはやらない、で大丈夫です。こういったプロセスも自分自身を知ることにつながりますし、大切なのは、自分自身にあった「悪く考えすぎる」ということへの向き合い方です。
③エネルギーを統合する

悪く考えすぎるところがあるけれども、その部分を直したいという気持ちもあるのなら、ある意味では、心のなかに対立する2つのエネルギーがある、と言える状態かもしれません。心の内面はロジカルに割り切れるものではなく、複雑な性質も持っていて、自分が考えていることとは真逆のことも考えたりすることがある、という矛盾のようなものを抱えてしまえるようなところがあります。そこで自分でもどうしたらいいのかわからない、みたいに感じることも、ときとしてあるものかもしれません。ただ、「悪く考えすぎるけれども、本当はなんとかしたい」という感じなのであれば、この対立する2つのエネルギーを統合する、というのもおすすめです。統合するためのエクササイズをStep1〜4に分けて記載しましたので、活用してもらえればと思います。
Step1. 2つのエネルギーをイメージ
まずはゆっくりとリラックスして座ってください。座ったまま目を閉じて、悪く考えすぎるところと、「悪く考えすぎるところ」をなんとかしたい気持ちの両方が、自分の心の中にある、ということをイメージしてください。それぞれ自分の心の中にあるエネルギーのようなものだとイメージしてみてください。
それぞれのエネルギーは、どんな大きさでしょうか?
どんな色をしているでしょうか?
なんとなくでいいのでそれらをエネルギーとしてイメージして、しばらく時間をとって、ゆっくりと心のなかでそのイメージを膨らませようとしてみてください。
Step2. 右手にエネルギーを移動
右手を胸に当ててください。この状態で、心の内側から右手の方に、「悪く考えすぎるところ」をなんとかしたい気持ちを持った自分のエネルギー、を取り出すようなイメージを持ってみてください。ゆっくりと心の内側からエネルギーを右手に取り出して、右手を手のひらを上に向けた状態で右膝の上にゆっくりと移動させてください。右手の甲が下で、手のひらが上を向いている状態です。
右手の上にあるエネルギーはどんな色・形をしているでしょうか?
右手の上にそのエネルギーがあるとイメージした時、それはどんな感じがするでしょうか?
やわらかいでしょうか?硬いでしょうか?
ふわふわしているでしょうか?それとも重たいでしょうか?
しばらく時間をとって、ゆっくりと心のなかで、そのエネルギーがどんなものなのかを意識的に感じようとしてみてください。
Step3. 左手にエネルギーを移動
左手を胸に当ててください。この状態で、心の内側から左手の方に、悪く考えすぎるエネルギー、を取り出すようなイメージを持ってみてください。ゆっくりと心の内側からエネルギーを左手に取り出して、左手を手のひらを上に向けた状態で左膝の上にゆっくりと移動させてください。左手の甲が下で、手のひらが上を向いている状態です。
左手の上にあるエネルギーはどんな色・形をしているでしょうか?
左手の上にそのエネルギーがあるとイメージした時、それはどんな感じがするでしょうか?
やわらかいでしょうか?硬いでしょうか?
ふわふわしているでしょうか?それとも重たいでしょうか?
しばらく時間をとって、ゆっくりと心のなかで、左手の上にあるエネルギーもそれがどんなものなのか意識的に感じようとしてみてください。
Step4. 2つのエネルギーを統合
右手のエネルギーと、左手のエネルギーをイメージしたまま、両手を胸の前で合わせてください。両手を合わせたときに感じる、手の温かみを感じてみてください。両手を合わせたまま、2つのエネルギーが、1つに統合されていくのをイメージしてください。そのエネルギーが1つに統合されたことで生まれる温かみを感じてみてください。どんな感覚がするでしょうか?
左手のエネルギーは、怖れを感じて慎重になっている自分を表したものです。もう傷つかなくて済むように、安全を確保することに一生懸命になっている自分です。このエネルギーに目的があるとしたら、自分自身を大切にしたい、というものです。
右手のエネルギーは、成長していきたい自分を表したものです。自分の中にある問題を乗り越えるために、一生懸命になっている自分です。このエネルギーの目的も、自分自身を大切にしたい、というものです。
しばらく時間をとって、ゆっくりと心のなかで、2つのエネルギーが1つのエネルギーに統合されていくのをイメージして下さい。その統合されたエネルギーの目的も、自分自身を大切にしたい、です。統合されたエネルギーから、自分自身への愛があふれ出て、自分自身の体全体に行き渡っていくのをイメージしてください。
まとめと補足

悪く考えすぎるときの心理とその対処法について、掘り下げて書きました。怖れを感じているという部分と、怖れを感じたときに悪く考えすぎてしまう心理の2つがあります。怖れを感じている時、今できることに集中するというのは、合う人にはすぐ活用できることかもしれません。ただ、もしお時間あるなら、怖れのエネルギーを統合するということにも、エクセサイズを活用してチャレンジしてもらえれば、と思っています。
怖れを感じたときに悪く考えすぎてしまう心理のケアについては、その背景にあるメリットやデメリットの部分に対して掘り下げて手放せるものを手放すというエクササイズ、を書きましたが、こちらについてももしよろしければ、活用してもらえればと思っています。
もう一つの視点として、自己肯定感が低いために、人との関わりの中で悪く考えすぎてしまう、というパターンはあるかもしれません。その場合は自己肯定感が低いことから来る辛さのようなものがあると思いますが、自己肯定感が低いときのことについて掘り下げて書いた記事がありますので、もし何かしら気になりどころがあれば、参考にしてもらえればと思います。