親に対して怒りや恨みのようなものを抱いている方のなかで、もし、これを消すことができるのなら、なんて思ったことのある方はおられるでしょうか?
過去に親にされたことで強い怒りや恨みを抱いていることが、今現在によくない影響を及ぼしているように感じて、もし、この部分を手放すことができるのなら、と思ったことのある方はおられるでしょうか?
様々は親子関係があると思いますし、人によって親に対して抱いている感情にも様々なものがあると思います。大人になるまでの過程の中で、私たちは親など自分を育ててくれた人たちから色んな影響を受けることになりますが、その中でもストレスを感じることが多かったり、強い恨みを感じるような体験をしてきたのであれば、相手に対して、許せない、という強い想いを抱くことも、ときにあるものかもしれません。
「こんな親じゃなければ私はもっと幸せな人生を送れた」と親を責めたくなることもあるかもしれません。親のことを反面教師のように扱って、私は絶対にあんな風にはならない、と強く思うこともあるかもしれません。ただ、親と似たような性質を自分も持っていることに強い自己嫌悪を感じたり、子供との関係性の中で、親と同じようなことを自分がしてしまっているのに気づいて、落ち込むようなこともあるかもしれません。
過去の延長線上に今現在があり、今ここに生きていることが過去に多少なりとも影響を受けているとしても、もし、過去に対して抱いているネガティブな感情が、今現在を生きる上で何かしら重荷のようになっていて、そこを手放すことができた方が楽になれる、なんて感じることもときにあると思っています。人によっては、そこでできることなら抵抗感はあるものの、過去を水に流す、という感じのことができた方がよいように感じていらっしゃる方もおられるのではないかな、と思っています。
親に対して抱えている怒りや恨み。そこに対して許せないという想いを抱いているがために、行き詰まりを感じているような部分はあるでしょうか?
親への攻撃性を心に抱えていると、親以外の関係性で行き詰まる部分が出てきたり、その攻撃性が何らかの形で自分自身に返ってくることがあります。例えば、子供との関係性で行き詰まりを感じることがあったり、仕事やキャリアの面で可能性が狭まってくるように感じることもあります。
親に対して怒りを感じていることは、子供との関係性や、親と関係ないその他のことに直接的には影響しないかもしれません。ただ、私たちの心の中で、親と関係しているように感じたり、何らかの似たような要素がその中に見えたり、良い形で消化できていない部分が自分自身の至らない部分を生み出していたりすることで、物事が行き詰まることも人生の中では出てくることがあります。
自分にとって課題のようなものがそこにあるように思えることもあるかもしれません。
親に責めたくなるようなことはあるとしても、感謝できること、もあるとしたら、何がありそうでしょうか?
育ててくれたこと。何かやってもらって嬉しかったこと。思い出せるものがあるとしたら、どんなものがありそうでしょうか?
心の中で感謝を伝えてみてください。許せないところは色々とあるかもしれません。ダメなところもたくさんあるかもしれません。やらなくていいことをやってきたり、そのためにこちらから関係性を断ち切りたいとおもったこともあったかもしれません。ただ、それでも何かしら感謝できるようなところがあるのなら、少しでも、それを掘り起こして見てください。
相手のためではなく、何よりあなたのために。人に感謝の気持ちを抱くということは、あなた自身の心を豊かにしてくれます。あなた自身のために、感謝を。親との関わり合いのなかで、感謝できることがあるとしたら、どんなものがあったでしょうか?
親への攻撃性を手放そうとしてみてください。すごく嫌かもしれませんが、誰かを心の中で攻撃し続けることは、あなたの心の中に苦しみのようなものを生み出します。誰かを心の中で責めているときに感じるエネルギーと、自分自身を心の中で責めている時に感じるエネルギーは非常に近しいものになります。潜在意識の中では主語が消えます。心の中で「XXXXをする人間は最低だ」という言葉を使って親のことを責めたとしても、その言葉は親以外の自分も含めて全ての人間や物事に当てはまる、といった動きが生み出されます。その攻撃性はまわり回って自分自身にも返ってきます。
親を許さない、という行為は、親を心の中で攻撃するのと同時に、その代償にその攻撃性を抱くがための苦しみを自分自身で背負う、といった世界観を作り出します。親のことを絶対に許さない、という苦行をしつづけることを自らに宣言するようなものです。それで親が変わるのなら、その苦行にも意味はあるのかもしれませんが、基本的に人を変えることはできません。親は変わることなく、あなた自身が苦しむだけ、という結果を生み出します。あるいは、そのあなた自身のなにがしかの力を使って、あなた自身が抱える苦しみに親を巻き込むこともできるのかもしれませんが、人を呪わば穴2つ、ではないですが、その場合あなた自身の苦しみも、おそらく大幅に増えることになります。
親の中にあるダメな部分。ダメなものはダメ、で良いのですが、その苦行の世界観の中に、あなた自身が片足をつっこみ続ける必要はないです。攻撃性を手放す、というのは、その世界観を手放す、ということです。手放すということは、親のダメなところにOKを出す、ということではなく、親を攻撃し続けて自分自身の人生に悪影響が出るのはよろしくないので、そこまではしない、ということです。親がダメな部分を抱えていることで、親の人生にどんな影響がでることになるのかは天にゆだねて、あなたはあなたの人生を生きる。それが、攻撃性を手放す、ということの意味合いです。
親に感謝できることはして、ダメな部分はそれがどんな顛末を親に招きよせることになるかはあなた自身はノータッチで、天にゆだねてみてください。親がダメな部分をかかえていることでひどい目にあうようにする、なんていう汚れ仕事をあなた自身が抱えている、という部分を手放してあげてください。その仕事の差配は天のものです。一人の人間が苦しみながら抱え続けるような性質のものではないです。親のためではなく、あなた自身のために。攻撃性を手放してあげてください。
攻撃性を手放すことに抵抗があるでしょうか?
もしあるのなら、その抵抗感をしばらくの間、ただ感じてあげてください。今までずっと責めてきたんです。抵抗感があるのは当たり前かもしれません。
自分自身にこう問いかけて見てください。問いは3つあります。直感で即答してみてください。
「その抵抗を手放せますか?」
「その抵抗を手放しますか?」
「もし抵抗を手放すとしたら、いつ手放しますか?」
その答えが、NO・NO・永遠に無理、でも全然OKです。何回か繰り返し自問自答してみてください。
全ての人がそうだとは言わないのですが、改めて自分自身に問いかけてみると、YES、が出てくることがあります。もし、そこでYESがでてきたのなら、ラッキーです。次のステップに進んで見てください。次も問いが3つあります。同じく直感で即答してみてください。
「その攻撃性を手放せますか?」
「その攻撃性を手放しますか?」
「もし攻撃性を手放すとしたら、いつ手放しますか?」
もちろん、NO・NO・永遠に無理、でも全然OKです。こちらも何回か繰り返し自問自答してみてください。YESがでてきたらラッキーです。攻撃性を手放すことで、体や心が軽くなることを体験していただけるなら幸いです。
天にゆだねる、なんて書きましたが、天って何?、という話もあるかもしれませんが、そこは人それぞれ信じているものが様々にあるとして、天そのものに対する攻撃性を抱えるケースもあると思います。自分自身が苦しみを感じていること、あるいは、自分以外の誰かが抱えている苦しみをみて、そこにある不条理のようなものに気づいたがために、そんな世界にした天に対して唾を吐くような感じです。この経験がある人、実は結構いるのではないかな、と思っています。
天に唾を吐くと、返ってきて自分自身にべちゃってつきます。この顛末に関しては、親に対する攻撃性よりも、わかりやすいかもしれません。知ってて唾吐いてる人もいらっしゃると思います。
天に対する攻撃性も、もしあるのなら、手放した方が良いです。綺麗事をいうのなら、天に唾を吐くのではなく、自分自身がこうなったら良いのにと思うことは、天の仕事というより、こちらはもしかしたら、あなたの仕事かもしれません。自分にできないことを天にやってもらいたいという気持ちはあるとして、自分にできることは本当に何もないのか、と自問自答してみたら、違う答えがでてくるかもしれません。
こうなった方がいいのに、とあなたが思ったということは、あなたには、今よりも少しよくなっている世界観がちらっと見えている、ということを意味します。ある意味では、今の世界の在りようは、全ての人の同意のもとに作り出されている、という一面があります。天からしたら、ああしろこうしろと、いろんな人が好き勝手思い描いているものをごちゃまぜで調整したら、今現在のところこんなんなりました、というだけで、嫌なら自分たちで調整してくれ、って思っているかもしれません。いや、本当のところがどうなのかは、わからないですけどね。
私が提案したいのは、天に唾を吐くのにもエネルギーがいるので(返ってきてびちゃってなるのを処理するのにもエネルギーがいる)、手放せるなら手放して、余ったエネルギーを自分のやりたいことや好きなことに向けた方が、より豊かで幸せになる、というものです。親に対して攻撃性を抱えている場合、その背後にちらちら見える天に対しても唾を吐いているケースがございます。もし、親に対しての攻撃性を手放すことができるのなら、天に対して唾を吐いている部分もあわせて手放していただいた方が良いかも、なんて思っています。
大切なのは、苦しみを生み出していた過去への執着を自分の中で優先するのか、それとも、今現在をより豊かに幸せに生きることを優先するのか、という部分です。後者を選んで、そのために求められてくる様々なものを手放していくという選択を、できることならしていただければ、と思います。
※セドナメソッドについて
「手放せますか?→はい/いいえで答える。手放しますか?→はい/いいえで答える。いつ手放しますか?→答える。」の部分はセドナメソッドを使っています。セドナメソッドについては本も出版されておりますので、興味のある方は読んでみて下さい。
セドナメソッドの公式ホームページは以下のものです。
The Sedona Method | Heal Yourself by Letting Go | Official Site