自己嫌悪がある、という人はいらっしゃるでしょうか?
少しくらいはある、という方から、自己嫌悪が強くて、どうしても自分が好きになれない、という方まで、人によって、その程度には差があると思います。
自己嫌悪は、自分で自分を攻撃している部分ですので、何かのきっかけにその部分が出てくると、気持ちが切り替わるまでは、ずーっと自己攻撃を感じ続けることになります。自己嫌悪を手放すためには、この自己攻撃の部分が鍵になってきます。
自己攻撃を行うのには、理由があると思います。あなたにとって、その理由は何でしょうか?
自分が嫌い、と思えるような部分を見ていくと、もっとこういう自分だったらいいのに、という想いが一緒に出てくることがあります。そのときに、ダメな自分の成長を促すために、自分で自分に鞭を打っているとしたら、それが、その自己攻撃の理由です。
完璧主義である度合いだけ、その鞭の攻撃力は増します。完璧主義を手放せば、鞭の攻撃力を落とせますが、自分を成長させるためには、自分を戒める必要がある、とか、自分に厳しくなければならない、と思うと、鞭の攻撃力は落ちても、自己攻撃は続きます。この自己攻撃が、自己嫌悪になります。
自分が嫌い、と思えるような部分を見ていくと、同じように嫌いな誰かが一緒に出てくることがあります。その許せない誰かを攻撃しているとしたら、それも、その自己攻撃の理由です。
その人を許せない度合いだけ、自分がその人と似ている部分が出てくるたびに、自己攻撃が発生します。これが自己嫌悪になります。
自己攻撃には理由があり、自分自身が作っているその理由には、正しさがありますので、自己嫌悪が強い人ほど、自己攻撃を自分で止めることが難しい感じになります。
自己嫌悪を手放すには、この自己攻撃を手放すことが重要になりますが、それらを手放していくためのエクササイズを以下に書きました。
今、それに苦しんでいて、ここから抜け出したいという方は、トライしてみてください。
自己嫌悪を手放すエクササイズ
エクササイズの前に、準備が色々とあります。以下、①〜④はその事前準備のようなもので、⑤がエクササイズの本体、⑥が振り返り、となっています。
①自己嫌悪しているもののリストを作る
②自己嫌悪を手放したい理由を整理する
③自己攻撃の理由を理解する
④リラックス
⑤自己攻撃を手放すエクササイズ
⑥振り返り
①自己嫌悪しているもののリストを作る
まず、どんな自己嫌悪があるでしょうか?
どんな内容で、自己攻撃をしているでしょうか?
その一覧を何かにメモして下さい。
メモをするのは、紙でも、携帯やスマホでも、パソコンでも、後で自分が読み返せる状態なら、なんでもOKです。ただし、頭の中、というのは、お勧めできないです。いざ、自己嫌悪を手放す、というときに、強い抵抗感が出ると、「本気で忘れる」というのが結構あります。必ず、メモにしてください。
一覧を作る、と書きましたので、いっぱい書かないといけない、という風に思えるかもしれませんが、そういう意味ではないです。
手放したい自己嫌悪は1つだけ、というのでも全然構わないです。強い自己嫌悪であれば、手放すのにも時間がかかると思いますので、その場合は、その1つを手放すということにとても意味があります。1つの場合は、その1つだけをメモしてください。
②自己嫌悪を手放したい理由を整理する
エクササイズをやろうと、あなたが思った理由は何でしょうか?
自己嫌悪がある、ということは、自己嫌悪するべきだ、とあなた自身が思っている部分も、実はちょっとある、ということはないでしょうか?
それでも、自己嫌悪を手放すことに取り組みたい、とあなた自身が思ったからこそ、このエクササイズをやろうと思ったのだと推測しています。
自己嫌悪を手放したいと思った理由は何でしょうか?
その答えを先ほどのメモに書いてください。
この問いに対する答えは非常に重要ですので、必ず、メモしてください。「本気で忘れる」という抵抗が一番出やすい部分です。
③自己攻撃の理由を理解する
自己嫌悪をしているということは、その自分が嫌いな理由には、それなりの説得力があるはずです。説得力が自分で感じられないなら、自分で自分を嫌いになんてならないです。
そして、その説得力を持って、自分自身を激しく攻撃している自分が自分の心の中にいます。それがとても説得力があるので、ダメ出しをされても抵抗できない自分もまた、自分の心の中にいます。
自己嫌悪というのは、説得力を持って自己攻撃をしている自分と、言われっぱなしでしょげている自分と、その2人が主人公になっている、心の中で繰り広げられるドラマのようなものです。自己嫌悪を感じているとき、それをただ眺めている観客であるあなたもいると思います。
その説得力には、攻撃側も、防御側も、観客も、全員同意しています。その説得力が、自己嫌悪の本質部分です。
ということは、その説得力がなくなれば、自己嫌悪は解消される、ということです。説得力がないと、そのドラマが成り立ちませんからね。
自分が嫌いな理由には、それなりの説得力を感じていると思います。先ほど作った自己嫌悪のリストに、なぜそれがダメなのか、自分なりに説得力があると思う理由を書いてみてください。
これは上手く文章にできないものもあると思います。その場合は、メモにそれを書かなくてもいいです。そこに説得力がある、ということだけ、気付いてもらえれば、それで充分です。
④リラックス
①②③ができたら準備完了で、いよいよ自己嫌悪を手放すエクササイズをやっていくことになりますが、その前に、軽くリラックスする時間を取ってみてください。お風呂に入る、でもいいですし、飲み物を飲む、トイレに行く、でも、何でもいいです。
準備段階の①〜③を作るのに、あれこれ考えたり、ちょっと脇にそれて落ち込んだり、というのは、あったりしますので、ちょっと、一旦、仕切り直して、気持ちをリセットしてみてください。
⑤自己攻撃を手放すエクササイズ
自己嫌悪しているもののリストを見て、トライしたいと思うものを、1つ選択してください。
そして、心の中に、その選択したものに関して、自己攻撃をしている自分をイメージしてください。その自分は、どんな表情をしているでしょうか?
怒っているような表情をしているでしょうか。
それとも無表情に冷たい目でこちらを見ているでしょうか?
出来るだけ鮮明に、具体的にイメージしてください。
イメージが出来たら、次に、①〜③で書いたメモの中に、自己嫌悪を手放したいと思った理由が書いてある部分を確認してください。
確認が終わったら、この自分を見つめながら、心の中でこう宣言してください。
「私はこの自己攻撃を手放します。」
宣言したら、その心の中でイメージした自分から、一歩離れてください。離れたときに、自分の中にいろんな感情があがってくることがあります。ただ、その感情のままに、感じてみてください。
そして、先ほど確認した自己嫌悪を手放したいと思った理由を宣言してください。メモを見ながらでもいいです。
「XXXX」
そして、こう宣言してください。
「私はこの自己嫌悪を手放します。」
宣言したら、その心の中でイメージしたものから、ぐ〜んと離れれて距離をとってください。どんどん離れて、もうイメージが見えなくなるまで離れてください。
これを、自己嫌悪にあげているものリストに上げた数だけ、繰り返してください。たくさんある場合は、いくつかまとめてもらっても良いと思います。
⑥振り返り
エクササイズをしてみて、今、どんな感じがするでしょうか?
やる前と比べてみて、心が軽くなった、とか、ちょっとすっきりした感覚があったら、一歩前進です。自分がちょっとでも良くなった部分として、どんなものがあるか、心の中を見てみてください。
最後に
エクササイズをやっているときに、自分の中で抵抗感が出てくるかもしれませんが、その抵抗を抜けれた分だけ、自己嫌悪や自己攻撃を手放すことができ、楽さを受け取ることができるようになります。