ケース その2 「職場の人間関係」
Counseling 〜 カウンセリング 〜
カウンセラー「次に、小さい頃の裕子さんをイメージしてもらってもいいですか?
         お父さんとお母さんが苦しんでいるのに、何も出来ないって、自分のことを責め始めた頃の裕子さんです。
         直感で答えて欲しいんですが、何才ぐらいという感じがしますか?」
裕子さん「2才か、3才くらい・・・・と思います。」
カウンセラー「いいですよ。その小さい頃の裕子さん、を心の中で、
         思い浮かべてもらっても良いですか?」
裕子さん「・・・・はい。」
カウンセラー「その子は、今、どんな表情をしていますか?」
裕子さん「無表情だと思います。」
カウンセラー「何か、我慢しているような感じでしょうか?」
裕子さん「我慢してますね。」
カウンセラー「何を我慢してるんでしょうか?」
裕子さん「全てです。」
カウンセラー「お父さんやお母さんに迷惑をかけないように、
         自分を押し殺しちゃってる感じでしょうか?」
※画像はイメージです。
 
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裕子さん「・・・・・そうですね。いや・・・・う〜ん。わからないです。」
カウンセラー「小さい頃の裕子さんは、お父さんやお母さんに、どうしてあげたかったですか?」
裕子さん「笑顔にさせてあげてかったです。なんかいつも、しんどそうで。
      でも私が行ったら、2人がもっとしんどくなるような気がして。」
カウンセラー「そうですね。それで余計に迷惑をかけてしまうような気がしたんですよね。
         もし、その子に声をかけるとしたら、なんて声をかけてあげたいですか?」
裕子さん「・・・・・裕ちゃんはそんなに悪くないよって。
      あ、昔、お母さんがずっと怒ってる、って思ってたんで。」
カウンセラー「どうしてそう思ったんですか?」
裕子さん「・・・・・拒絶されているような感じがしたんで。
      お母さんが悩んでいる、っていったじゃないですか?
      小さい頃は、そうじゃなくて、機嫌が悪いというか、怒っているというか、そんな風に思っていたんです。」
カウンセラー「お母さんが暗い表情をしているのを、自分のせいだって思ってたんですね?」
裕子さん「・・・・・思ってました。」
※画像はイメージです。
カウンセラー「裕ちゃんは悪くないよって。お母さん怒ってないよって、
         イメージの中で、その子に声をかけてもらっても
         いいですか?」
裕子さん「はい。」
カウンセラー「イメージの中で、小さい頃の裕子さんを
         抱きしめてもらっても良いですか?」
裕子さん「・・・・・」
カウンセラー「抱きしめたまま、その子のことを誉めてもらっても
         いいですか?いつも頑張ってるよねって。
         よく我慢してるよねって。」
裕子さん「・・・・・はい。」
カウンセラー「その子は、どんな表情をしていますか?」
裕子さん「しくしく泣いてます。すいません、私もなんか。」
カウンセラー「そうですよね。
         長い間、ずっとその女の子は、
         自分で自分のことを責めてきたんですね。
         ただ、その子は、悪い子じゃないですよね。」
 
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カウンセラー「何度も、その子に言ってあげてください。
         裕ちゃんは悪くないよって。裕ちゃんは優しいねって。
         いい子だよねって。
         一杯誉めてあげてください。」
裕子さん「誉める言葉があんまり思いつかないです。」
カウンセラー「同じ言葉で良いですよ。何度も、言ってあげてください。」
裕子さん「・・・・はい。」
カウンセラー「今、どんな気分ですか?」
裕子さん「はあ・・・。でも、なんか、ちょっとすっきりしたかもしれないです。」
カウンセラー「今でも、自分のことが嫌いですか?」
裕子さん「嫌いというか・・・・。そうですね。嫌いかもしれませんけど、
      なんかそれも違うような。」
カウンセラー「自分で自分のことを嫌うのって、何か違う感じがする、かもしれませんね。」
裕子さん「・・・うん。」
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カウンセラー「今日、いきなり、自分で自分のことを嫌いなるのをやめる、
         というのが難しかったとしても、
         ちょっとずつでも、自分で自分のことを
         認めれるようになりたいって思いませんか?」
裕子さん「・・・うん。」
カウンセラー「職場で、自分は仕事ができない、とか、
         周りからバカにされてるっていう話がありましたけれども、
         もしかしたら、そんなことないかもしれませんよ。」
裕子さん「そうなんですか?」
カウンセラー「自分で自分のことを低く評価していると、
         周りもそういう風に見えたりしちゃうんですね。
         今日、ちょっと、その自己嫌悪の部分を手放していくって
         決めてみませんか?」
         周りもそういう風に、自分のことを低く評価しているはずだ、
         っていう見方を手放していって見ませんか?」
※画像はイメージです。
 
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裕子さん「はい。」
カウンセラー「いきなりは難しいかもしれませんけれども、仕事で、自分なりに力を使って
         やりとげたことや、しんどかったなあ、っていうことが出てきたら、
         自分で自分のことを誉めてあげてもらっても良いですか?
         今日、小さい頃の裕子さんをほめてあげたように。」
裕子さん「・・・うん。」
カウンセラー「自己嫌悪が手放せるにつれて、周囲との人間関係も、少しずつ楽になって
         くると思います。少しずつでもやっていきましょう。」
裕子さん「はい。」
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その後の裕子さんとの話の中で、カウンセリングは継続していくこととなった。
自己嫌悪をなかなか手放せられない、といった話や、 自分で自分を認めるのが難しい、という話もでながらも、 少しずつその課題に取り組んでいく中で、裕子さんの人間関係にも変化がでてきた。
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Process 〜 クライアントの人生の道のり 〜
その後、カウンセリングを継続的に受け続けていくなかで、 上司から、最近明るくなったね、ということを言われるようになった。 少しずつ変化が出てくるのを、裕子さんも実感することができ、 いい方向に向かいつつあった。
ただ、そんな中、裕子さんとある男性の同僚との間で、とても激しい言い合いになることがあった。 カウンセリングの中では、その同僚に対して、 昔、いじめられた人に行動パターンが似ている、ということがわかった。 そのため、裕子さんの心の中に、 いじめられたときの復讐心のようなもの、 その同僚を逆にやりこめてやりたい、という隠れた欲求がある、 ということに裕子さん自身が気付くことができた。
そして、過去に自分をいじめた子に対する許し、というのに取り組み、 許したくなかったけれども、自分のために、相手を許す、ということを裕子さんは選択していく。
その後、上司が間に入ってくれることとなったが、 そのときに、裕子さんは相手に対して素直に謝ることができ、 そうすると、相手も謝ってくれる、という結果となり、その一件は収束した。
ただ、その事件以来、裕子さんに対して、いろいろと言ってくる人が増えていった。 最初は裕子さんも全部ただの批判だと思っていたが、 カウンセリングの中で、それは自分を思っての忠告、という風に解釈する、という話になり、 本人も、仕方なく相手の話に耳を傾けていると、 裕子さんに対する印象が変わった、という人が増えてくることとなった。 結果的に、なんとなく職場内で、自分の味方が増えてきたような感覚を、 裕子さん自身が感じられるようになってきた。
裕子さんにとって、会社の飲み会は、以前ほど辛くなくなっていった。 むしろ本音で語り合える人と、個人的に飲みに行くことも多くなっていく。 まだまだ劣等感はあるようで、苦手な人も職場にいるようだったが、 上司とは本音で語り合えるようになり、裕子さんのことを認めてくれる同僚がたくさんいる、 という風にも感じれるようになった。
そんな中、裕子さんはチームをまとめるリーダーに昇進することとなる。 責任のある仕事だけれども、より一層、頑張っていこうというモチベーションが 出てくるようになっていった。
After 〜 カウンセリングによる人生の変容を受け取った後の状態 〜
※画像はイメージです。
裕子さんにとって、職場の同僚ともプライベートでも付き合いが増え、 人間関係としては、前よりもずっと充実するようになった。
最近では、逆に回りから人間関係のことや、仕事のことで相談を受けるようにもなり、 それに自信を持って答えている自分がいることに、気付くようになり いろいろあったけれども、成長できたと思う、とのこと。
 
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