・カウンセリングの回数 ... 8回
・期間 ... 約半年
Counseling 〜 カウンセリング 〜
愛さんには彼がいるが、相談内容は、その彼との間に少しトラブルがあり、
その話を電話カウンセリングで聞いてもらいたい、ということだった。
カウンセラー「相談内容は、彼のことが知りたい、ということでしたよね。
メールで読んだ内容だと、彼が誕生日を忘れていて、謝ってくれなかった。ということだったんですけれども。」
愛さん「はい、そうなんです。」
カウンセラー「忘れていたら、普通に謝るような気もしたんですが、彼の場合・・・・、彼は、なんて言ってたんでしょうか?
ごまかしたような感じだったんですか?」
愛さん「ごまかすかすというか。なんか、言い訳でしたね。」
カウンセラー「どんな感じだったんですか?」
※画像はイメージです。
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愛さん「彼のことが好きなのかどうか、正直、今はわからないですね。」
カウンセラー「彼のことを好きになるのが怖い、というのはないですか?」
愛さん「・・・・」
カウンセラー「これ以上好きにならないようにしよう、と思って、自分の心を守るようなところはないですか?」
愛さん「あります。だって、そういうのは怖いじゃないですか?」
カウンセラー「そうですよね。怖いですよね。」
愛さん「そういうのが、いけないのかもしれないですけど。」
カウンセラー「どうして、いけないような気がするんですか?」
愛さん「自分を守ってるから。はあ・・・・。私って、そういう人なんですよ。」
カウンセラー「彼のことを好きにならないように、というだけじゃなくて、何に対しても、そういうところがあって、
100%自分の力をだす、ということは、しないようにしている感じですか?」
愛さん「そうですね。しませんね。」
カウンセラー「もしかしたら、100%力を出すということもなければ、100%満足するということも、
なかったかもしれませんね?」
愛さん「そうですね。」
※画像はイメージです。
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カウンセラー「お母さんと、お父さん、どちらか直感で選んでもらっても良いですか?」
愛さん「お母さん」
カウンセラー「小さい頃、お母さんとどんな感じだったか、教えてもらっても良いですか?すごく甘えていたとか。」
愛さん「そんなに甘えてたっていう感じじゃないですね。」
カウンセラー「どうしてですか?子供の頃は、お母さんに甘える、というのはよくあることですし、
愛さんにとっては、別に甘えたい、とも思わなかったでしょうか?」
愛さん「どうだったんだろう。妹が生まれてからは、甘えないようにしていましたね。」
カウンセラー「どうしてですか?」
愛さん「妹がいたら、そんなのできないじゃないですか?」
カウンセラー「我慢してたんですか?」
愛さん「そうですね、我慢してましたね。」
カウンセラー「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさいって言われていましたか?」
愛さん「いや、何も。何か、私からは何も言えない雰囲気でしたね。急がしそうで。お母さんもイライラしていたし。」
カウンセラー「甘えたら、嫌われるって思いましたか。」
愛さん「もういいんです。そういうの。」
カウンセラー「私が我慢していたら、いいんだ。私さえ黙っていれば、これ以上、嫌われることも、余計にわるくなることもないんだ、
そんな風に、小さい頃の愛さんは思っちゃったんでしょうか?」
愛さん「今も思っています。そうですね。だからいけないんですね。」
カウンセラー「何がいけないって思ったんですか?」
愛さん「素直じゃないところ。お母さんも、何か、私のこと気にしてた気がします。
そのたびに、私、強がって、甘えたくないフリして、お母さんに、酷いことを言ったこともあります。」
カウンセラー「小さかった頃の愛さんにとっては、それが精一杯だったのかもしれません。
お母さんに嫌われないようにって、一生懸命だったのかもしれません。
甘えたら、お母さんの迷惑になる。それが、ただ、嫌だったんじゃないですか?」
愛さん「はい。それだけは嫌でしたけど、迷惑はかけていたと思います。」
カウンセラー「お母さんに嫌われないように我慢している愛さんと、彼を好きにならないように我慢している愛さん、
なんだか、我慢、というところで似ている感じがしませんか?」
愛さん「一緒だと思います。我慢っていうより、あきらめっていう感じがします。」
カウンセラー「そうかもしれませんね。愛さんにとって、我慢や諦め、という感情のおおもとのようなものがあるとしたら、
それは、お母さん、にあるのかもしれませんね。」
愛さん「あ、そうですね。私もそんな感じがします。」
カウンセラー「もし、ここを変えていくことができる方法があるとしたら、試してみたいですか?」
愛さん「はい。」
※画像はイメージです。
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カウンセラー「一人ぼっちで何をしていますか?」
愛さん「絵本を開いていますけど、見ているフリをしています。
でも、絵本よりも、お母さんが妹をあやす声のほうが気になって、絵本にはあんまり集中していません。」
カウンセラー「その子はどんな表情をしていますか?」
愛さん「泣くのを我慢しています。」
カウンセラー「もし、その子に、今の大人の愛さんが話しかけるとしたら、なんて言ってあげますか?」
愛さん「大丈夫だよって。お姉ちゃんと一緒に遊ぼうって。」
カウンセラー「イメージのなかで、そう話しかけてもらって良いですか?
・・・・その子はどんな表情をしていますか?」
愛さん「しくしく泣いています。」
カウンセラー「その子を抱きしめてもらって良いですか?
・・・・その子はどんな表情をしていますか?」
愛さん「しくしく泣きながら、抱きついてきています。すごく淋しかったんだと思います。」
カウンセラー「今、愛さん自身はどんな感じですか?どんな気持ち、感情を感じていますか?」
愛さん「あ、そうですね・・・。なんか、これって私だなって思います。」
カウンセラー「小さい頃の愛さんの感じている淋しさ、我慢の部分が、今の自分が感じているものと一緒、という感じでしょうか?」
愛さん「そうですね。」
カウンセラー「イメージの中で、その子を抱きしめたまま、その子にこう言ってもらえますか?
もう、我慢しなくてもいいよって。」
愛さん「はい・・。」
カウンセラー「その子は、どんな表情をしていますか?」
愛さん「笑っています。安心しているんだと思います。」
カウンセラー「今、その子と、愛さんは心のなかでつながっているのがわかりますか?
その子が安心しているのと同時に、愛さん自身の心の中にも、
その安心の部分が広がっていくのがわかりますか?」
愛さん「はい。そうですね・・・。なんか、楽になれました。」
※画像はイメージです。
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カウンセラー「そうですね。ただ、本音の部分の話をするときに、彼を問い詰めるような形にはならないよう気をつけてくださいね。
例えば、「あなたはどうして私を大切にしてくれないの?」、という感じの気持ちをのっけて話をすると、
彼が自分を愛してくれているのかどうか、相手をテストするようなことを言ったりして、
本当に、重い女、になってしまいますので。」
愛さん「はい。
・・・え?じゃあ、どんな風に話をしたらいいんですか?」
ここで、相手が本音を話しやすい雰囲気作りやタイミング、
言葉以外の部分からも相手の気持ちを汲み取っていく、など、
色々と細かい話も交えながら、彼から話を聴く、
ということについて、愛さんと話をする。
愛さん「・・・・わかりました。やってみます。」
カウンセラー「あと、彼以外に、仕事とか、その他の人間関係とかで、変えていきたいところ、というのはありますか?」
愛さん「そうですね・・・。」
この後、様々な話をしていくなかで、愛さんにとっても、
恋愛以外の部分についても、怖さや我慢を手放して、
100%満足するものを選んでいく、ということで、
自分自身を変えていく、という方向に、意識が向いていくことになっていった。
傷つかないように、自分を守っていた、その心理的パターンを変えていくことによって、
この後、彼女自身に起こる出来事にも、変化がでてくることになり、
それが、彼女に訪れる人生の道のりを変えていくことになる。